「24話」 最後の姫君? !
作者「今回のクオリティが低すぎる!」
ニア「毎度のことじゃねーの?」
俺は、目の前で咲きたてのヒマワリの様な笑顔を浮かべる幼女を前に、呆然としていた。
そっくりなのだ、前に、グレイプに紹介された少女、スコティカに。
あまりにも似すぎていた。
が、決定的に何か、魂の本質の様な物が違う。
「おにいちゃん……その人は?」
俺に、視線を向けてくる少女、
今だ不安なのか、パンにすがりついてはいるが、声はしっかりとした調子だ。
ふぅ、俺とした事が、自己紹介を忘れてしまっていたな。
俺は、どこか熱っぽい視線を俺に送ってくる少女に自分の名前を告げた。
「ニア・アウグスティヌス=アントニウス……9つ」
俺が、自己紹介をおえると、その少女も慌てた様子で頭を下げてきた。
気遣う兄が微笑ましい。
「あ! あ、アタシは、プリムラです! た、助けていただきありがとうございました!」
ん……?
プリムラ?
俺は、緊張した為か、頬を上気させ、上目遣いでこちらを覗いてくる少女の名を聞いて一つの違和感を抱いた。
プリムラ……プリムラ……
たしか、どっかで……
だが、思い出せなかった、
あるよね、こう言う喉元まで出ているのに思い出せない気持ち悪い感覚。
俺は、突然悩み始めた俺を心配そうに見てくる少女に少しの罪悪感を抱いた。
後ろでは、父やグレイプ達と、騎士の様な連中の戦いが終わった様だった。
「兄ちゃん! 無事か⁈」
真っ先に俺の安否を確認してくるグレイプに思わずほっこりする。
王子もどうやら無事の様だ。
騎士達は全員気絶している、このままだとそうそう起きないだろう。
と、父が俺や、パンのところに近寄ってきた。
あれだけの運動をしていると言うのに息一つ切らして居ない。
傷一つ無いはずなのに、なぜかその顔は険しいままだった。
「ーーパンくん、説明してくれるね?」
父よ、あなたこそ説明してください。
☆
はぁ……
俺は、“街”の西区を頭を抱えながら歩いていた。
「ありえない……」
俺が頭を抱えているにはもちろん理由が有った、
それは、パンや、プリムラちゃんのことだ。
いや、厳密に言えばスコティカも原因だな。
まぁ、おれはそんな事を考えているうちにこの西区まできてしまったのだ。
父や、グレイプは既に家に帰っているだろう。
あくまでこれは俺が悩んでいるにすぎない事だからだ。
「ーーニア…くん?」
ふと、突然後ろから声がかけられた。
俺がいたのは西区の大通りで有ったため、かなり人の交通量が多い。
そんな、人々の雑踏のなかでも良く響く、聞き覚えのある声だった。
俺は振り返った。
そこには……
「やっぱり、ニアくんだ……」
見覚えのある、空色の髪の毛を持った、幼女がいた。
もちろん、幼女というのはカミーリャちゃんだ。
まさに、名前の通り冬の終わりに顔を覗かせる、椿の花弁のような笑顔を浮かべていた。
「ニアくん……今、暇?」
こてん、と小首をかしげて、不安そうにまつげの揺れるカミーリャちゃん。
いえ、全然暇です。
俺は、カミーリャちゃんと一緒に遊ぶ事にした。
☆
「わぁー!すごーい!」
俺は、カミーリャちゃんを、リリーさんに教えてもらった地下通路に案内して見た。
俺よりもこの“街”に住んでいるカミーリャちゃんに、俺が教えれる唯一のことだ。
「こっちへいくと、礼拝堂」
まぁ、流石にそれ以上を教えるつもりは無い。
おとなしいカミーリャのことだから大丈夫だと思うが、万が一にも一人で冒険……など起きたら流石にまずい。
「凄いね、ニアくん! こんなところ知ってるんだ! 」
と、暗いながらも俺に笑顔を向けてくるカミーリャちゃん。
俺の、3歩ほど先をゆくカミーリャの背中は酷く可愛らしい。
思わず、俺も頬を緩めた。
と、その時!
突然、カミーリャちゃんがこちらを振り向いて、俺の手をぎゅっと、握ってきた。
驚いてカミーリャちゃんの方を見る俺。
俺は、息を呑んだ。
「ねぇ……ニアくん、このことって、オリーブちゃんにも……言ってる?」
上目遣いで俺のことを見上げてくるカミーリャちゃん、
その目は心なしかうるんでいる。
上気した顔や、ふてくされた様に尖った唇は、幼いながらにも妖艶さを感じさせた。
どくり、と心臓が高鳴る。
暗いなかで……9歳とは言え、二人きり……だと?
いやいや、俺は中身を含めれば三十路だ、……うん。
「言って、ない」
俺は、緊張のあまり乾いた唇を舐めると、やっとそれだけを口にした。
瞬間、カミーリャちゃんの手が離された。
そっと、遠のく体温に、何故だか悲しいほど切ない気持ちになる。
「良かった……じゃあ、二人だけの秘密ね!」
作者「クリスマスに数学の補習 (泣き泣き泣き泣き泣き泣き)」
ニア「いいがん、どうせ予定とか入っとらんのだし」
作者「(殺意) 次回は、パンくんやプリムラ・スコティカちゃんかな?」




