「13話」 王子と対話!
作者「今回はタイトル通り!」
ニア「寧ろ今までタイトルに沿って無い話って有ったか?」
……現在、葉っぱ王子に連れられて聖堂の裏側に居るニアだよ!
……なんか幼いにも俺の事をギラギラと睨んでくる王子様。
さっきからずっとこの調子だ、もうそろそろ5分になるだろうか?
俺が何をしたって言うんだよぉ! なんだ! いつから可愛い弟を愛でる事は犯罪に成ったんだ⁉
と、俺が心中で荒ぶって居ると、遂に葉っぱ王子が口を開いた。
「あの結果、どう思う……?」
今だ険しい目付きながらも若干に柔らかく成った様に感じる。
と言ってもそこには親しみ易さはなかった。
「というと?」
……な、何故俺はカタコトしか喋れ無いんだ! 聖句はペラペラしゃべれるのに……!!
王子の眼が驚いた様に開かれた、夕焼け色の瞳がよく見える。
大方、俺の無愛想な返事に驚いて居るのだろう。 王位継承権第一位の王子様だ。 こんな風に返された事などないのだろう。
だけどお願いします、俺は喋るのが苦手なだけなんです!
だから「無礼者! 」 は無しの方向で。
「ーー……まぁ良い、つまり、あの聖句のコンクールだ。オレは納得がいかん」
憤然と腕を組んで、裏側からよく見える聖堂の窓を睨む王子。
……ただ、甘やかされて育ったわけじゃ無い。 自分で考える力を持って居るのか……
俺は、そう言う結論に至った。
どうやら俺もそこまで緊張する必要はなさそうだ。
ただ、俺は黙って王子の言葉を待った、 王子も俺が待って居る事を感じたのだろう、言葉を続けた。
「……オレは、本来だったら2位のはずだったろうな……」
自嘲する様に……吐き捨てる様に言葉を続ける王子。
俺たちの間に風が流れて、リーフの硬質的な髪を撫ぜる。
「いや、そもそも今回の事さえ、父上が仕組んだんだ…最初から、1位は決まって居た」
落として居た視線を上げ、
今度は真っ直ぐに俺の事を見つめてくるリーフ。
その瞳は強い意思を持って居たが、年相応の不安定さが見え隠れして居た。
「公正なジャッジを降すならお前が1位の筈だった……ニア・アウグスティヌス=アントニウス」
俺は、始めてこのリーフに子供らしさを感じた。
……いや、これは子供らしさでは無いかもしれない。
ただ、リーフが背負って居る“次期国王”や“継承権第一位”は、このリーフの小さな背には滑稽な程バランスが悪い……余りにも重すぎて、リーフは賢すぎる。
……そう、感じた。護ってあげたい……と。
そう思った俺の行動は限られて居た。
舌の足らない俺は言葉で慰める事は出来ないし、気の利いた贈り物も無い。
だから……
「……なっ! 何をする!」
普段、俺が弟に行っている様に……抱きついて、ハグをした。
俺よりも若干背の高いらしいリーフ……その吐息が耳に当たってくすぐったい。
「は……離せ……お、オレは王子……なんだぞ…!」
しかし、そう言っておきながらリーフは俺の事を拒むつもりは無い様で、両腕は力なく下におりて居る。
俺は、無責任な言葉でリーフを慰める事も、その場凌ぎの貢物を渡す事も出来ない。
俺がたった一つできるのは、
こうして、リーフの側に居る。ただそんな事だけ。
どれほどこうして居ただろうか?
聞こえる音はと言えばお互いの心臓の鼓動と、地面に生えて居る短い葦を揺らす風の音だけだった。
「 ……もう良い、離せ……」
今度のリーフの言葉は明確な拒絶だった、
リーフの小さな手の平が俺の胸を押す。
「そう……」
だけれど、その行動自体は否定されなかった。 心なしかリーフは最初に比べて優しげだ。
笑顔を浮かべるでもなく、
礼をするでもなく。 俺たちは再び見つめ有って居た。
そして、ふとその時、遠くの方で父が俺を呼ぶ声が聞こえた。
「行く……」
「……あぁ」
結局、最後に交わす会話としては侘しい物だった。
俺は、父の呼ぶ方向へと足を進めた。
さて、愛しの弟君の元へと帰りますかね? !
作者「一瞬本気で変な方へ持ってきかけた」
ニア「毎度の事ながら書いてる時に話を作るからだ、次回は?」
作者「うーん、ニアくんには研究機関の一つに入ってもらうつもり、後オリーブちゃんかな?」




