↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奴隷転生〜ここから国を創るまで〜  作者: thread
自由への第一歩
PR
10/10

奴隷脱却

翌朝。


 リヒトが食堂へ向かうと、エレナはすでに席についていた。


「座りなさい」


「はい」


 リヒトが向かいに座ると、エレナは飲み物を一口飲んでから口を開いた。


「昨日の話だけれど、あなたを解放することにしたわ」


「本当ですか?」


「ええ」


 リヒトは一瞬、言葉を失った。


「条件は?」


「特にないわ。三年間の働きと、あなたが提供してくれた情報。それに魔法を教えるという取引も、十分に成立していると判断したの」


「購入にかかった費用については?」


「それも含めて私が判断することよ。あなたが気にする必要はないわ」


 エレナは淡々と答えた。


「ただし、解放の手続きは必要になる。勝手に奴隷ではなくなったと言っても、周囲が認めるわけではないから」


「分かりました」


「手続きが終わるまでは、今まで通り行動しなさい」


「はい」


 その後、二人は奴隷契約の解除に必要な手続きを進めた。


 奴隷商人や関係する機関への確認を済ませ、正式に契約を解除する。


 手続きが終わったとき、リヒトはようやく自分の身分が変わったことを実感した。


 もう誰かの所有物ではない。


 自分の意思で行動できる。


「これで終わりね」


 エレナが書類を確認しながら言った。


「ありがとうございます、エレナさん」


「礼を言われるようなことではないわ。私が納得して決めたことよ」


「それでも、感謝しています」


 エレナは返事をせず、書類をしまった。


 その後、リヒトは冒険者ギルドへ向かった。


 冒険者として活動するための手続きを確認し、冒険者証を受け取る。


 この世界では、冒険者証を身分証明書として使うこともできる。


 これからは、この証明書が自分の身分を示すものになる。


 リヒトは冒険者証を手に取り、しばらく眺めていた。


「これからは自分の力で生きていくのね」


 隣に立つエレナが言った。


「はい。まずは冒険者として実力をつけるつもりです」


「無茶はしないこと。実力に合わない依頼を受ければ、命を落とすわ」


「肝に銘じておきます」


「それならいいわ」


 二人はギルドを出た。


 外には、いつもと変わらない街の景色が広がっている。


 けれど、リヒトにとっては違って見えた。


 三年前、この世界で目を覚ましたとき、彼は何も持っていなかった。


 家族も、故郷も、自由も失った。


 それでも、ここまで生きてきた。


 そして今、自分の人生を自分で決める権利を手に入れた。


「さて、これからどうするか……」


 リヒトは空を見上げた。


 まだ知らない土地がある。

 まだ知らない人々がいる。

 まだ知らない知識や技術もある。


 やるべきことはいくらでもあった。


 まずは冒険者として経験を積み、自分の力を高める。


 その先に何が待っているのかは分からない。


 だが、もう誰かに決められた道を歩く必要はない。


 リヒトは一歩を踏み出した。


 奴隷だった少年の、新しい人生が始まった。


【読者のみなさまへお願い】

もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の凄まじいモチベーションになります!

ブックマーク登録もぜひよろしくお願いいたします!

誤字脱字を見つけたら報告していただけると大変うれしいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。