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妹NPCのためならPKも辞さぬ ログアウト不能でも一向に構わない  作者: 一月三日 五郎


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第二十三話 後日談

デイリーダンジョンには、いくつか種類がある。

討伐、探索、採取。


今日は、探索だ。


宝探し。

難易度は高いが、報酬がいい。


宝の場所が記された地図を広げる。


「おにいちゃん、今日は宝探しだね」


「そうだな。今日もナビ頼むぞ」


「うん、任せといて」


ルナが俺の横で地図をのぞき込む。


だだっ広い草原に、

ぽつぽつと点在する木や岩。

遠くで風が草を揺らしている。


地図と周囲の様子を見比べ、

宝の場所を絞り込んでいく。


縮尺も、目印の大きさも、

あてにならない地図だ。

相手に、頭をひねらされる。


「あ、わかった」


ルナが顔を上げる。

得意そうに、指で一点を示した。


「こっちだよ」


目印の木に、

あたりをつけたらしい。


「この木の根元から、

 あっちの岩のほうに向かって……」


ぶつぶつと呟きながら、

先導してくれる。


まるで、名探偵だ。


ルナの後ろを歩くこと、数分。


たどり着いた場所には、

すでに何人かのプレイヤーが集まっていた。


「くそっ、この辺のはずなのに」

「おい、愚痴ってないで掘れよ」

「もう疲れたよ。少し休もうぜ」


どうやら、

まだ見つかっていないらしい。


「よし、掘るぞ」

「掘る!」


スコップを地面に突き立て、

穴を掘る。


一つ掘っては、ルナのため。

二つ掘っては、ルナのため。


…………

………

……


カツン。


しばらくして、

隣で掘っていたルナのほうから、

乾いた音がした。


「やった、宝箱だよ」


……まじか。


宝探しは、

スキルに関係なく、

運の要素が強い。


それでも――

どうやら俺は、

この手の運では、ルナに敵わないらしい。


「おい、待てよ」

「チートだろ、それ!」

「NPCに見つけさせるなんて、ずるいだろ」


宝箱を抱えるルナ。

一歩、前に出る俺。


「運がよかっただけだ。

 別に、インチキじゃない」


「運がいいとか、

 そんなので納得できるわけないだろ!」

「俺たちのほうが先に探してたんだ。

 俺たちのもんだろ!」


無茶苦茶な理屈だ。


だんだん、

腹が立ってくる。


「よこせよ、NPCのガキ!」


男が声を荒げ、

一歩、前に出た。


その手が、

ルナのほうへ伸びかける。


俺の大切な妹に、

何をするつもりだ。


「汚い手で触るな」


立ちふさがり、にらみつける。


「ちっ、かっこつけやがって」

「もう行こうぜ」


すごすごと去っていく背中を見送る。

もう絡んでくるなよ。

大事そうに宝箱を抱えたルナが、胸をなでおろす。


「おにいちゃん、ありがとう」


ルナが、にこりと笑う。


「気にすんな。

 それより宝箱だ。開けてみよう」


「うん」


高鳴る期待を胸に、

箱をゆっくりと開く。


中に入っていたのは――


……まあ、どうでもいい。


今日のデイリーは、

まだ続く。


俺の楽しいVR生活は、

今日も続いていく。


必要なのは、

ルナとの日常だけだ。


それで、十分だった。

本作を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

静かな物語でしたが、ここまで付き合ってくださったことを、心から感謝しています。


もし本作を楽しんでいただけたなら、こちらの完結作品も一気読みにおすすめです。


■ 意味不明なスキルから始まる、異世界ミステリー

『何も起きない異世界召喚 僕のスキルは、意味不明だった』

https://ncode.syosetu.com/n1139lp/


※全13話・完結済み


また、「莫大な資産」を巡る新連載もスタートしました。


■ 毎日1億円使っても、資産が減らない男の苦悩

『100京円持って死ぬ男』

https://ncode.syosetu.com/n6005lr/


※全10話の短期集中連載(予約投稿済み)


言葉の刃で戦う短編

『正論の何が悪い? 社会人は口で殴り合う』

も公開中です。


これからも、少し変わった切り口の物語を書いていきます。

またどこかで、お会いできたら嬉しいです。

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