第1話 入部
バスケをテーマにした青春ものですできるだけ甘酸っぱさ出していきたいです。
「なあ凌平、お前高校でもバスケ部入るの?」
この4月に入学した青稜学園高校の入学式が終わった帰り道で一緒に歩いていた中学からの友達、谷口恒哉がそう声をかけてきた。
「当たり前じゃん。」
俺、加藤凌平は当然と言わんばかり答えてやった。
「そっか…あのさ、お前まだ気づいてなさそうだけど…うちの高校で強いのはあくまで女子バスケ部だぞ。」
「へ?」
「やっぱりな。まあ、凌平っぽいっちゃあぽいな。」
嘘だろ?家から歩いて通える距離にバスケが強い高校があるって聞いて入学したのに…
「まあ、いいか。俺が強豪校にしてやるさ!」
俺は高々と宣言してやったさ。
隣で恒哉かなんかため息ついてるけどね。
そうと決まればできるだけ早めに部活見学とかもいかないとな。
〜3日後〜
今日は練習があるらしいからと恒哉と一緒に放課後、体育館を覗いてみた。もちろん見学だけじゃなくすぐに練習参加できるようにドラムバッグの中には練習用のウェアとバッシュは入れてきてある。
「……練習してなくね?」
体育館を見渡しても男子バスケ部は見当たらない。
バスケ用コート3面分という広い体育館内にはバドミントン部と男子バレー部、そして女子バスケ部がそれぞれアップを始めてた。
「新入生?見学?」
後ろから声をかけられた。
振り返ると…えっ!?俺より背がたけー!脚なげー!そして何よりめっちゃかわいい女子が少しキョトンとした顔で立っていた。
俺がたじろいでいるのに恒哉は物怖じせずにその女子に
「はい。男子バスケ部が今日から練習してるって聞いて」
と普通に話してやがる。こいつ、大物だな…
「ああ、男バスは屋外コートだよ。体育館使えるのは週2回だから…あたしたち女バスが毎日体育館一面使っちゃうからさ。」
ん?女子バスケ部ってことはこの超絶美少女は先輩なのか?
「何言ってんのよ、シズ!あたしらの方が実績あげてんだから当然よ!」
シズって呼ばれた人と同じぐらいの身長の多分同じ女バスの人がこちらに歩きながら声をかけてた。
どうやら恒哉の言った通りこの青稜は女子の方がバスケは強いらしい。
「マリってばそんなドヤらないでよ。君たち二人とも外のコートは場所わかる?」
「はい。昨日、校内の案内してもらってますので」
相変わらず恒哉は淡々と答えた。
「やっばり強豪校の女子となると背が高いんだな」
俺は恒哉と並んで男子バスケ部が練習しているという屋外コートを目指して歩いていた。
「お前が小さいだけだろ」
「なっ!?」
くそ!恒哉め…中一で知り合った頃は俺より背低かったくせにいつの間にか俺より10cmも高くなりやがって…
「にしても緊張したな。いきなりあんな有名人に声かけられるなんて…」
「何?さっきの人知ってるのか?」
「はぁ…お前って本当にNBAしか興味ないんだな…さっき最初に話しかけてくれた先輩は2年の鬼頭静香先輩。U17の日本代表のスタメンだよ。」
「日本代表!?ってことはオリンピックとか出ちゃうような?」
「本当に知らなさすぎだろ…U17、17歳以下…まあ高校生の代表みたいなもんだよ。まあ、とんでもなくすごい人ってこと。それで見ての通り美人だから結構、バスケ界隈じゃ青稜の鬼頭っていえば超がつくほど有名人なのよ…まあ、お前の親父さんほどでないにしてもな。」
「父さんは関係ないだろ…」
「…そうだったな。」
そんなやり取りをしてたら屋外コートについた。
屋外コートは二面あって全部で14人が各々アップをしていた。
「あの1年なんすけど練習参加していいですか?」
とりあえず人の良さそうな先輩にそうやって声をかける。
「ん?ああ、ちょっと3年の先輩に聞いてきてやるよ。」
予想通りいい人だった。
その先輩がキャプテンらしき人に駆け寄り話をつけてくれたらしい。
俺らを手招きしてくれてる。
駆け足で向かう。
「二人ともやる気まんまんだな。一応キャプテンさせてもらってる工藤だ。よろしくな。とりあえず部室で着替えてきてくれる?それから自己紹介してもらってそっから練習な。」
「「はい!」」
「じゃあ木村、二人を部室に連れてってやって」
俺らは最初に声をかけた先輩に連れられて部室に向かう。
「俺は2年の木村な。これでも今のチームではエースなんだぜ!」
「よろしくっす!俺は加藤凌平っていいます。」
「谷口恒哉です。」
木村先輩と自己紹介していると部室についた。
「外練は基本的に外用の靴を用意…は二人ともその靴で行けそうだな。一応、バッシュも持ってきておいて。」
練習用ウェアに着替えてる最中に説明してくれる。
「バッシュもですか?」
「ああ、その時になりゃわかるよ。」
着替え終えてまた3人で屋外コートに向かう。
そして3年と2年の先輩の前で恒哉と二人で自己紹介をした。
「加藤凌平です。身長は168cm、中学時代は主にガードやってました!よろしくお願いします!」
「谷口恒哉です。180cmでスモールフォワードからセンターまで色々やってました。
よろしくお願いします。」
恒哉のやつ、いつの間に180の大台になってやがったんだよ…クソ!
先輩たちも恒哉の180に興味津々みたいだ。
俺だって…高校生のうちには!
練習が始まって1時間ちょっと。
今は4チームにわかれて5対5のゲームをしている。
ちょうど俺と恒哉のチームは休憩中だ。
「なあ、女子の方が強いんじゃなかったっけ?先輩たちみんな普通にうまくねーか?」
「そりゃ実績的には女子の方が上だけど男子の先輩たちだって普通に県大会の3回戦ぐらいまで進んでるからなぁ…」
あの体力がある恒哉が肩で息してる…かくいう俺も1on1でここまで抑えられたの初めてかも。それに…
コートの中ではさっき俺達を部室に案内してくれたエースの木村先輩がミドルレンジからきれいなジャンプシュートを決めていた。
多分恒哉より低い175cmぐらいだろうけどオフェンスが多彩だ。
何よりあのディフェンスに定評のある恒哉が完全に手玉に取られてたしな。
「恒哉、高校でもバスケ楽しめそうだな。」
「うん…まあ、お前ほど楽観視はできないけどな。」
「なんで?」
「だって木村先輩にあんだけやられたらな…凌平みたいに俺、速くもなけりゃ跳べないし…お前はやっぱりすげーよ」
なんだ?珍しく俺を褒めてるのか?
悪い気はしないけど…
そんなタイミングでキャプテンの工藤先輩にちょっと大人びてるけどちっちゃい女子が駆け寄っていき、
「工藤、そろそろよろ〜」
そんなふうに声をかけてた。
「あいよ。じゃあ、お前ら行くぞ…三浦、新入生も出していい?」
「おっ!今年はやる気のある子がいるねぇ。もちろんいいよぉ。自信なくさないぐらいにはボコってしんぜよう!」
そんなやり取りを見て俺はコートサイドに戻ってきた木村先輩に声をかける。
「木村先輩、これからなんかあるんすか?」
「ああ、バッシュ使うって言ったろ…お強い女バス様の練習台として体育館にお呼ばれさ。」
「れんしゅうだい!?」
どういうこと?
不定期になると思いますがのんびりじっくり書いていきたいです。




