あとがき
物語作りは、うんうんうなりながら考えに考えて作るパターンと、キャラクターが勝手に動いて思わぬ展開になるパターンとありますが、この山姥の話は後者でした。巴は作者が動かさずとも、勝手に動いて勝手にぽんぽんしゃべってくれるキャラで、感情のままに突っ走る感じが書いていて爽快でした。それに刺激されて天翔丸たち鞍馬山の面々もやいのやいのと動き回り、書くのがとっても楽しかったです。
山姥山での巴や長老たちの暮らし、なぜ巌が巴に惚れたのかなどのエピソードもいつか書きたいな……ずっと先にはなりますが本編で巴も巌もまた登場する予定なので、書くのはそのときかな。二人が果たして無事に結婚できるのかどうか、お楽しみに。
次は、小話をアップしていきます。1ページで終わっているものや、3〜4ページで終わっているものなど、物語というより鞍馬山の日常をきりとったエピソード集といったものです。先日、ほこりだらけになっていた鞍天棚(作品ごとに資料やアイデアメモがつっこんである棚があります)を整理したら、以前ホームページで公開したものや、未公開のもの、いろいろ出てきました。それらを順次こちらで公開していきます。
でも4巻を早く書きたい!とも思っているので、小話アップが完了しないうちに4巻をはじめてしまうかも。あれこれと書き散らしてしまうかもしれませんが、鞍天は趣味なので、そのときに書きたいものを書くという方針でやっていきます。
とはいえ、この夏はまた脚本業が忙しくなりそうで……今月、アニメシリーズが一本終わって時間ができたので『山姥』を一気に更新できましたが、今週から新シリーズの執筆が始まるので、更新は滞りがちになるかも。仕事がいただけるのはありがたく仕事自体も面白いのですが、ただ鞍天執筆がなかなか進められないのがつらいところです。感想の返事もいつも遅くてごめんなさい。更新は亀の歩みとなってしまうと思いますが、ゆったりのんびり待っていただければ幸いです。それではまた。
2013年6月24日
成田良美