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第720話~ドワーフの国の巨大地下墳墓 秘密の部屋 後編 隠し部屋にて作戦会議をする~

 ネズ吉と配下の『偵察の十傑』が偵察から帰って来た。

 少し食事休憩をしてもらって落ち着いたところで偵察の結果を聞くことになった。


「では、そろそろ仕入れてきた情報を聞かせてくれよ」

「はい。それでは……」


 俺のその言葉を皮切りにネズ吉が偵察結果を話し始めた。


「まずは敵の戦力からお話します」

「ああ、頼む」

「敵の戦力の中心は闇の獅子『レグルス』でした」

「やはりルック王が言っていた敵の加勢というのはレグルスだったか」

「はい。話に聞いていた通りの姿形でしたし、『炎の獅子』や氷の獅子』といった獅子の魔物を二十体ほど引き連れていたので間違いないです。闇に堕ちたレグルスの眷属は獅子の魔物なのです」

「そうか。ネズ吉がそこまで言うのなら間違いないな。となると、こちらも心してかからないとな」


 偵察の結果、敵の加勢の正体がレグルスだと確定したので、俺は改めて慎重に行こうと決めたのだった。


 さて、レグルスの存在も確認できたことだし、次の情報を聞こうと思う。


「それで、レグルス以外の敵はどうなっている?」

「武装した戦士と魔法使いが二百人程。それに神官服を着た人間が二十人ほどいました」

「神官服か。それは神聖同盟の奴らで間違いないな」


 神聖同盟の連中のうち偉い人はプラトゥーンに仕える証なのか、いつも神官服を着ている。

 だからネズミたちが見たのも神聖同盟の偉いさんとその護衛だと考えて問題なさそうだった。


「で、神聖同盟の奴らの配置はどんな感じだったか?」

「闇の獅子もその眷属も人間たちも主に地下墳墓の横に造られた大きな部屋の中にいました。大きな部屋はとても大きく、縦、横に一キロ、高さも二百メートルくらいありました」

「大きな部屋?ああ、ルック王が言っていた神聖同盟が真上から掘り進めて造ったという大きな部屋のことか?」

「はい、その通りです」


 神聖同盟は真上から掘って行き地下墳墓の頂点部分の真横に大きな部屋を造り、その部屋と頂点の部屋を通路でつないで使っている。

 ルック王の言っていた通りの状況だ。


 で、連中はその大きな部屋の方で主に活動している。そういうことらしかった。


「神聖同盟の連中の活動場所が大きな部屋だというのはわかった。で、具体的にはどういった感じで配置され、活動しているんだ?」

「先程も言ったように連中のほとんどは大きな部屋の方にいてそこで活動していて、頂点の部屋の方には十人程度見張りがいるという配置でした。大きい部屋にはテントなどが置かれていたので、そこで生活しているみたいでした。それで、その大きい部屋の中心部にはミスリル製の扉が入り口になっているく下り階段があり、神官がいて階段を行き来し、その周辺をレグルスやその眷属、人間たちが守るという配置でした」

「下り階段?地下室があるのか?」

「そうですね。次はその辺りの話をしましょう」


 ここまでの話で敵の戦力と配置は大体わかったので、ネズ吉は次に神聖同盟の設備について話してくれた。


★★★


 ネズ吉が神聖同盟の設備について話してくれた。


「その地下室についてですが、さすがに中へは入れなかったので外から分かったことをお話します」

「ああ、頼む」

「まずその地下室からは魔力が生み出されているのが感じられました」

「魔力か。まさかそこで神聖同盟の結界用の魔力を作っているのか?」

「違うと思います。あの程度の魔力では噂に聞く本部結界の維持には足りません。それにその地下室のさらに下の方の温度が妙に高く、さらにはプシューという水が蒸発するような音が聞こえてきました。多分あれは地下室のさらに下に『地熱式発魔力炉』を設置し、それで作った魔力で他の場所と同じように地脈のエネルギーを魔力に変換するための装置を動かしているのだと思います」

「『地熱式発魔力炉』?」


 また知らない機械が出て来たな。

 そう思った俺だったが。


「それについては私が説明しましょう」


 と、ここでエリカが説明してくれると言ってくれたので、ありがたく聞くことにした。


★★★


 エリカの説明が始まったので大人しく聞くことにする。


「『地熱式発魔力炉』は地面の熱を利用して魔力を生み出す装置です」

「地面の熱を利用?」

「はい。地面の中って温度が高いじゃないですか。『地熱式発魔力炉』はその熱を集めて、水を沸かし、その水蒸気でタービンを回して魔力を発生させる魔力炉です。まあ、静かなる谷では水が落ちる力で、マウントオブスピリットでは風の力でそれぞれタービンを回していたのを熱の力で回すように変えた装置な訳です。そして、この装置を設置するのには広大なスペースが必要なので、縦横一キロという巨大な穴を掘り、下の方に魔力炉を置き、上の方に部屋を作って陣取ったのだと思います」

「なるほどなあ。横のでかい部屋は魔力炉設置の名残だったわけか。エリカの話は分かりやすい上に役に立つなあ」


 本当その通りでこうしてエリカにはいつも助けられている。

 ありがたい話だった。


 さて、『地熱式発魔力炉』についてわかったことだし、ネズ吉の話の続きを聞こうと思う。


★★★


 ネズ吉が話の続きを話し始めた。


「『地熱式魔力炉』で作られた魔力は通路の真下の地面を通って頂点の部屋に流れて行っていました。そして、頂点の部屋の下には莫大な地脈のエネルギーが集まっていました。これは地下墳墓の先端部分に地脈のエネルギー吸収用の魔法陣を刻み、送った魔力で動かし、地下深くにある地脈のエネルギーを集めているのだと思います」

「なるほどな。『地脈式魔力炉』で作った魔力を地下墳墓の先端に誘導し、そこで大量の地脈のエネルギーを集めているわけか。今までの二か所と同じ手法だな。で、その集めた地脈のエネルギの行き先はどこだ?」

「地脈のエネルギーは大きな部屋の上部の方に誘導されて、そこで魔力に変換されて、どこかに飛ばされていますね」

「つまりは大きな部屋の上部に地脈のエネルギーを会力に変換する装置と魔力の送信装置があるのか」

「はい、あるみたいです。拙者の部下の偵察の結果、大きい部屋には地下室の扉以外にも結構な数の見張りがいた扉があったそうなので、そこから行けるのではないかと」

「わかった。ありがとう」


 ネズ吉による戦力と設備の説明は以上だった。


 ということで、この情報を元に具体的な作戦を立てようと思う。


★★★


 しばらく考えた後、俺は大まかな作戦を考え、皆に伝えた。


「よし、具体的な作戦を言うぞ。まずはここの下り階段を降りて頂点の部屋に出る。そして、大きな部屋へと高速移動し敵襲をかけ、敵をせん滅すると同時に地下室並びに大きい部屋の上部にある魔力転送装置と地脈エネルギーの変換装置を制圧する。各自の担当は攻撃の直前にもう一度ネズ吉に偵察してもらって決める。以上だ。何か意見があったら言ってくれ」

「はい」


 と、ここでリネットが意見を出してきた。


「その手もいいと思うけど、それだったら敵が手薄な頂点の部屋の下にある地脈吸収用の魔法陣の破壊を狙うのもいいんじゃないのかな」


 と、別の手段を提案して来た。

 ただこの手は使えなかった。


「それはお勧めしないな。確かに敵の数は少ないが、どこにあるのかわからい魔法陣を探すのに手間取ってしまう。そうしたら絶対に大きい部屋から敵が来て戦うことになる。その場合、俺のプランと違って奇襲の効果なしで敵と戦うことになる。どうせ敵と戦うのならなるべく有利に戦いたい」

「そうだね。どっちみち敵とは戦うか。だったらユ有利に戦えた方がいいね。うん、ホルスト君の案の方が良さそうだ」


 俺の説明を聞いたリネットは自分の案をひっこめた。

 そして、リネット以外に意見を出す者はいなかった。

 ということで。


「それじゃあ、俺の作戦で行くぞ」


 俺の作戦で行くことに決まったのだった。


★★★


 作戦会議の後は明日までの休息タイムに入った。


 いくつかのチームに分かれ交代で見張りをすることになった。

 今日はヴィクトリアとの日だったので俺はヴィクトリアとペアを組むことになった。

 ただ見張りの順番としては最後なので、それまで寝ることにする。


「ネオアンダーグラウンドの町で評判のグッスリと寝られるようになるお茶ですよ」

「ありがとう」


 と、お茶を飲んでリラックスした後。


「ホルストさん、おやすみなさい」

「ああ、おやすみ」


 そうやってお休みの挨拶をかわして一緒に寝た。

 ヴィクトリアの温かい体温が伝わって来て、とても心地よくすぐに深い眠りへと入って行く。

 そうして眠りに入りながら俺は思った。


 さて、明日こそ神聖同盟を倒すぞ!


 そんなことを思ううちに俺は眠ってしまっていた。

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