フリスビーに鼓動を乗せて、ですの!
どれくらい歩いただろうか。広大なエビフライ草原は果てしなく続き、私たちの体力を奪っていった。
「そろそろ休憩が必要ですわね」
丁度いいベンチに腰掛ける。空を見上げると、無数のエビフライ、エビフライ、エビフライ。本当に異世界に来てしまった。
「…うっ…ぐすっ…」
ふと気がつくと、後輩が鼻をすすりながら泣いていた。
「どうしましたの?」
「なんだか…元の世界とあまりにも違くって…ぐすっ…寂しくって…うぅ…」
そうだ。後輩だって心細いのだ。彼女が頼れるのは私だけなのだ。私がいい先輩でなくてどうするというのだ。
「大丈夫ですのよ。心配なさらないでくださいまし。わたくしが必ずや新入生さまを元の世界へ送り届けて見せますわ。だって、先輩ですもの!」
「先輩…!ウチ、先輩がいれば大丈夫な気がしてきました!」
後輩を元気づけ、よき先輩となった。
それにしても、一体どうやって元の世界へ帰ればいいというのだろう。送り届けて見せると言ってしまったが、方法は何もわからない。というかこの草原から抜け出す方法すらわからない。
「そうだ!新入生さま、これからまたしばらく暇でしょうし、遊びをしませんこと?」
現実逃避も大切だろう。現実ばかり見て狂ってしまっては元も子もない。
「遊び…?どんな遊びをするんですか?」
この原っぱでできる遊び…それは…
「花かんむり、ですの!」
シロツメクサをたくさん摘んで、編んでいく。そこにシロツメクサさえあればできる遊びだ。
「でも、ウチ不器用だからうまくできるかな…」
「大丈夫ですの!わたくしが丁寧に教えて差し上げますわ!」
※シロツメクサの花かんむり※
①左が下、右が上でばってんにする
②右の茎をくるっと後ろにまわし、花と花の間を通して左の茎と合わせる
③右に上から新しくばってんにする
①〜③を繰り返す
④最後はよく分かんないけどいい感じにして完成!
「慣れてくると脳死でもできますのよ」
「わかりやすいです!できました!」
彼女が初めて作ったそれは、不格好ながらもとても可愛らしいものだった。
「先輩が教えてくれたから、これ、先輩にあげます」
「まあ…いいんですの?ありがとうございます」
心臓の音しか、聞こえなかった。
これ以上聞いていたら、いい先輩でいられなくなる気がして――
「あ、あー、次はなんの遊びをしましょうかしら!あ!わたくしフリスビーが趣味なんですの!丁度ポッケにフリスビーが!フリスビーをやりませんこと?」
「多趣味…なんですね!」
「え、ええ、そうですわ/////」