友と永遠たれ
「なぜこのようなことを思うのだろう?」
「どうして、こんなにも今日遊んだことが嬉
しくて涙が出てくるのだろう?」
颯斗は本当に悩んでいた。
いや考えていたのかもしれない。
しかしそのようなことに対する答えは、これ
くらいだということは颯斗は分かっていた。
単純に嬉しかっただけでなく、もう、遊ぶこ
とが不可能になるかもしれないという気持ち
が含まれていた…。
これ以外に涙が出てくる理由などあり得ない
のだ。
友と遊ぶ時間…それはもう限られている。
受験が終われば少しは時間が取れるかもしれ
ない。
しかしながら、おそらく忙しくなるだろう。
さらに社会人になれば本当に6人や7人で遊ぶ
ことなんてできなくなってしまう。
今しかできない。
それが体で直感的に分かったから涙が出てき
たのだ。
しかしくよくよしていても仕方がない。
今はとにかく受験に成功してもう一度あいつ
らと友と会うこと。
あいつらとの友情は永遠に続くと信じたい。
颯斗はそんな風に思っていた。
もう夏も終わる。
センター対策、二次対策。
着々と受験に向けて準備は進んでいた。
これで落ちたら出ましたら、あいつらのいい
笑い物だ。
笑われたくない。
いや、あいつらと喜びを分かち合いたい。
全員が一番いい結果で…。
俺らにはそれができる。
颯斗は信じていたいや…確信をしていた!
なぜならあいつらが合格するといったから。
約束を破ったことのない友達だから。




