第33話 3日後バトります。
「おい雑用係。危うく俺の貞操が失われるとこだったんだが。どうしてくれる」
ユナイテッドと同盟を結んだ翌日、俺は暇なので雑用係を問い詰めていた。
「いや、言ったじゃん。あいつ面食いだから、お前も狙われるかもしれないって言ったじゃん」
「まさかあそこまで変態的だとは思わなったんだよ!」
あの女マジなんなの?初対面の俺を組み伏せようとしてきたんだけど。誘われるかもなーとは思ってたけど、襲われるとは流石に思ってなかったんだけど。
「知らねえよそんな事。ま、俺としてはあいつに狙われる仲間ができて良かったぜ?これで今度からお前を生贄に出来る!」
「は?ふざけんなテメェ。誰が生贄なんかになるか!そうだ、いい事思いついた・・・。よし、雑用係。ボス命令だ、ミディルアーテの玩具になってこい」
「誰がそんな命令聞くか!テメェを半殺しにして、ミディルアーテにプレゼントしてやるよ!」
「あ?上等だゴルァ!返り討ちにしてって危ねぇぇぇぇぇ!?」
「痛ッてぇぇぇぇぇ!?」
なんかいきなり剣が目の前を通り過ぎた。何事!?
「喧嘩するなら外にしなさい。屋内で暴れないで」
システィアが剣を投げて来たようだ。雑用係も殴られて、床でのたうち回っている。
「あの、システィアさん・・・。投剣ってシャレにならないんですけど・・・」
「どうせ当たらないから良いじゃない」
「いや、そうかもしれないけどさ・・・」
当たらないから別に良いだろ、って思われながら攻撃されると逆に当たる可能性が高まるので止めて欲しい。そうでなくても、システィアは何故か分かんないけど、俺のスキルの効果がレベル差の割には薄いのに・・・
「おーい雑用係、大丈夫か?」
さっきから悶絶している雑用係に話しかける。システィア、結構本気で殴ってたみたいだけど・・・
「大丈夫じゃない・・・。一瞬意識飛んだ・・・」
一発KOされた様子。よし、
「今の内にミディルアーテの所に運ぼう」
「お前は鬼か!?」
雑用係が跳ね起きた。なんだ大丈夫じゃないか。期待させやがって。
「・・・それにしても暇だなー。やる事ない」
今はブレイカーと戦うための準備をしているのだが、そういうのは全部大量にいる部下達がやっているので、俺は果てしなく暇だった。
「アキラ、暇なら手伝って」
システィアが何か言ってきた。システィアは健気にも準備を手伝っているのだ。立派だね。
「いや、そういうのはボスの仕事じゃないじゃん?」
「それでも手伝って」
えー、面倒だなあ・・・。
俺が露骨に嫌そうな顔をしていると、
「はあ・・・。じゃあ、なんでも良いから出来ることをやって」
なにそれ。俺がわがままばかり言う面倒臭い子みたいじゃないか。
「んー、じゃあどうしようかなあ・・・。そうだ、ブレイカーに宣戦布告してこよう!」
宣戦布告しに行こうとすると、
「待ちなさい」
システィアに止められた。なにゆえ?
「どうしたシスティア。何故止める」
「今なにしに行こうとしたのかしら?」
「え、ブレイカーに宣戦布告しにだけど・・・ダメ?」
「ダメに決まってるじゃない。まだ物資の用意や住民の避難、作戦の決定、部隊の編成、なにも終わってないんだから」
「えー・・・じゃあ良いよ。明日宣戦布告しに行くから」
本当は今すぐにでも行きたいのだが・・・我慢してやろう。
「明日でもダメよ。どう考えても早過ぎるわ」
「いや、でもさ。ブレイカーの連中もこっちの動きに気付いたみたいで、戦いの準備してるんだよね。あっちにも準備されちゃうと、こっちが不利だろ?」
残念な事に地力では負けているのだ。あっちも準備が終わって条件が同じになると、こっちがかなり不利だ。そうなると俺が頑張らなくちゃいけなくなるので、ブレイカーの準備が整う前にさっさと攻め込みたい。
「確かにそうだけど・・・。分かったわ。3日後、宣戦布告しましょう。それで良いわね?」
「ああ、それなら大丈夫だろ。おい、雑用係!」
氷で殴られていた部分を冷やしていた雑用係を呼び出す。
「何だよ。今忙しいんだけど」
「嘘つくな。雑用係、3日後にブレイカーに宣戦布告する事にした。部下達に伝えてくれ」
「3日後?随分急だな」
「戦略的に考えた結果そうなった。3日後って決めたのはシスティアだし、俺もそれに賛成だ。俺はミディルアーテに伝えるから、お前はさっさと部下達に伝えてこい」
「分かった。ミディルアーテの餌になってこい」
なに言ってんのこいつ・・・3日後ブレイカーと戦うって言ってんのに。神経図太いなこいつ。
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「あらアキラ、貴方から来てくれるなんて・・・昨日のは照れ隠しだったのね」
「いや照れ隠しでも何でもないし俺襲われる趣味なんて無いし近寄んな!そして胸をはだけるのは止めろ!残念そうな顔をするな!ユイスさんも止めてくれ!」
マジなんなのこの人。こういうタイプの人と出会うのは初めてなので、どう対処すれば良いのか分からない。
なんでこうなったんだろう・・・。最初は俺が優位だったはずなのに・・・。こういう女らしさを全面的にに出してくる人ホント苦手。
「つれないわねぇ」
「ミディルアーテ様、ここは一旦引いて焦らしましょう。そしてら相手から襲いかかってもらうようにしましょう」
「そうねぇ。私からするのも良いけど、アキラからされるのも良いかもしれないわね。でも、アキラみたいに私が誘っても断る人ってなかなかいないし、そういう人に無理やりしてみたいのよねぇ」
何言ってんのこの痴女。
「じゃあ雑用係は!エイラをやったらどうだ?」
「エイラね・・・。最初はなかなか好みだったけど・・・」
「けど?」
「エイラはシスコンじゃない?変態はちょっと・・・」
くそ、あのシスコンが!ズルいぞあいつだけ!俺もシスコンになろうかな。あ、姉も妹も居ないから駄目じゃん。
「というわけでアキラ、ヤッても良い?いや、ヤるわ」
「ミディルアーテ様、その時は私もさせてもらって良いですか?」
「何言ってんのユイスさん!?」
「実はアキラ様は好みのタイプなんですよね。どうせなら私もご相伴させて頂ければと」
「クールキャラがそんなこと言ったら駄目だろ!」
「でもほら、私サキュバスですし。問題ありませんよ」
「そうねぇユイス。一緒にやりましょうか」
どうしよう、ここに俺の仲間がいない。システィア連れてくれば良かった・・・
「システィアが、システィアが居れば、お前らの好きになんてさせないのに・・・」
「その時にはシスティアさんにも混ざっていただきますが」
「システィアはそんな事しない!」
システィアさんを舐めるなよ。アイツ、俺がちょっとエロいこと言うだけで冷めた目で見てくるんだからな。
「確かにシスティアさんはそういう事に疎いようですが、それでも若い女です。そういった事には興味津々でしょう。スキルを使えば簡単にその気になると思いますよ」
「スキル使うのは卑怯だ」
そんな事したら誰だってその気になる。レベル高い奴は別だが。
「とにかく!俺は用があってここに来たんだ!決してエロいことをしに来たんじゃない!」
「え、違うの?」
違うに決まってんだろミディルアーテ。俺はそんな事は・・・多分しない!
「3日後、ブレイカーに宣戦布告をする事にした。戦いを手伝ってくれとは言わないが、何かしら対策はしておいてくれ」
「3日後?随分急ね」
「ブレイカーの連中にはあまり戦いの準備をさせたくないからな。早く攻める事にしたんだ」
「なるほどねぇ。分かったわ。ま、何かしらアキラに利があるように動く事にするわ」
「助かる。じゃ、俺帰るから」
回れ右してさっさと帰る。
「アキラ、私は報酬として、アキラの身体が欲しいわ」
「駄目です。さようなら!」
ダッシュで逃げ帰る。俺の無駄に高いレベルの所為で、矢鱈と極まった逃げ足に追いつけると思うなよ!
3日後、遂に戦いだ。ブレイカーに勝つだけではなく、奴隷にされた者達の奪還もしなくてはならない。
さて、どうしようかな・・・?




