第11話 罠師の強さ
遂に無双です
「魔法が通用しない・・・!」
私、桐生雪菜は焦っていた。
ドラゴンに何度も魔法を撃っているが、ダメージというダメージを与えられていない。
折角水瀬君とダンジョンに来て、いいところ見せたかったのに。これでは全滅の恐れすらある。水瀬君は私が守るって決めたのに。
「あれ?そういえば水瀬君は?」
気が付けば、後ろにいたはずの水瀬君がいない。まさか、やられてしまったの?
いや、倒れている人たちの中にはいない。じゃあ、一体どこに・・・?
「桐生さん危ない!」
佐藤君に言われて前を向くと、ドラゴンが目の前でこっちに突撃しようとしている。
「しまっーーーーー」
だが、
「ギャアアアアアア!??」
突然ドラゴンの足下が爆発し、ドラゴンが倒れた。そして、そのまま動かなくなった。
「え・・・?」
一体どういうこと?ドラゴンは死んだの?
パニックになる。それは周りの皆も一緒みたいだ。が、
「なんだ一撃か。大したことなかったな」
そんな声が上がった。そちらを見ると、
「水瀬君・・・?」
水瀬君がいた。
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「なんだ一撃か。大したことなかったな」
いやまあ、相手が弱いのは殺る前に分かってたんだけどね?実際は一撃ってわけじゃないし。
「水瀬君・・・?」
ん、ああ雪菜か。
「どうかしたか雪菜」
もの凄く顔色悪いぞ?心配になる。
「あの、今のは水瀬君が?」
ん、察しがいいな。
「ああ、俺がやったけど?」
もしかしてフラグ立った?ピンチを助けてフラグ立った?
「本当に?一体どうやってやったの?」
「それは悪いけど教えられない」
俺の生命線だからな。俺手の内は隠す主義なんで。
「そっか。でも凄いね。あんなドラゴンを一発で倒すなんて」
雪菜が言う。
「へぇ。俺がやったって信じるのか?」
俺みたいな非戦闘職が言ったことをか?
「私は水瀬君のこと信じてるから」
雪菜が微笑む。
え、何この状況。なんかいい感じになってるんだけど。なに?俺がここで告ればいいの?
「待ってくれ!」
なんか聞きたくない声(ランキング暫定1位の声)が聞こえた。
「んだよ白河なんか用か?」
無いならさっさと戻って女子に「僕が守る!」とかって言ってて欲しいんだけど。
「君は一体何をした!君がドラゴンを倒すなんてあり得ない!あと桐生さんから離れろ!」
よしスルーだな。
「いやー俺頑張って強くなったんだよー褒めてー」
「無視するな!」
煩いな。俺の鼓膜がそろそろ限界なんだけど。
「煩い黙ってろ。文句あるならかかって来い」
全力で痛めつけてやるから。
「馬鹿にしやがって!ならそうさせてもらおう!」
うわマジで来たよ最近の若者怖いわー。これだから今時の子は・・・
「喰らえ!」
おお、無詠唱で火の魔法を撃ってきた。が、
「なっ!?」
はい外れました。
「おいおいどうした白河。もっとよく狙って撃ったらどうだ?」
まあどうせ当たらないけどな。
「クソっ!なんで当たらないんだ!」
何度も魔法を撃ってくるが、かすりもしない。まあ、俺が当たらないようにしてるんだけど。
「クソっ!なら!」
剣で攻撃してきた。だが、
「なんで当たらないんだ!」
それでも当たらない。まあ俺がそうしてるんだけど。
さて、そろそろ反撃するかな。
「喰らえ」
「ガハッ!?」
割と憎しみを込めて蹴ってやると、簡単に吹っ飛んでいく。まあ、レベルが違い過ぎるからなぁ。
あ、動かなくなった。死んでないよね?一応殺すのは控えたいんだけど。
「よし、公開処刑完了」
そして、辺りを見回すと、
「あれ?なんだこの状況」
周りを囲まれて、今にも攻撃されそうになっていた。あれぇ?
投稿スピード遅くしようと思います




