第37話 Sweet CANDY
女は、袋を開けて、
買ったばかりの下着を取り出した。
ほとんど紐ばかりで、生地は目に入らないほどで、どこから足を入れて履いたら良いのか、そのパンツを広げないと、分からない様な、そんなデザインだった。
その下着を指でつまむと、
目の前でぶらぶらと揺らしてみた。
地味なパンツを脱ぎ捨てると、
そのセクシーなパンツを履いてみた。
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女は先日ランジェリーショップで買ったおニューの下着を試しに着てみて、姿鏡の前に立って自分の姿を見つめていた。
久しく感じていなかった高揚感を感じていた。
旦那との夜は、すべては義務だった。
甘い夜などなかった。
つまらない日々にウンザリしていた。
女は強く思った。
──誰かにこの下着の姿を見せたいと ───
子宮の当たりが熱くなった。
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柳林「本間、そぃでぇ、音瀬愛美香のバックから出てきた下着の件だが、 音瀬愛美香がどこで購入したのか。どこで、あの下着は販売しているのか、わかったか?」
本間「はい。ランジェリードリームのハワイ工場の商品を扱う販売店は、いくつかあるようで、まずは、ショッピングセンター、ららぼーとのSweet CANDYという下着の販売店があります。今から聞き込みに行ってきます。」
柳林「わかった。これから、地道な調査になりそうだな。。」
本間「はい。」
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本間は、柳林に「そのパンツ販売されてるところを洗ってくれ!」と言われ、複合施設に入ってるららぼーとの下着販売店に来ていた。
本間がランジェリーショップ、Sweet CANDYの入口に着くと、仕事だと分かっていても、男一人でここに入るのは何となく、人目を気にしてしまう、、。
もう刑事になって5年も経とうとしているのに、まだプロ意識がぬるい、ナイーブ精神を持つ本間なのだった。もし沙織だったら、そしてもし沙織が男だとしても、自分が行く!と率先して行っているであろう。本間に沙織の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。
本間が入りずらそうに入口に立ちチラチラと店内を覗くと、この店の店長らしき人物が、接客しているのが見えた。金髪に近い明るい色のパーマの長い髪の女が、ブラックの総レースのタイトなワンピースに、ゴールド色の見せブラがレースの内側から顔をのぞかせていて、何ともセクシーなオーラを漂わせていた。 8cmはあると思われるブラックのピンヒールを履いていて、本間は、あんなの履いて足くじいた時は、捻挫じゃっ。と、じっと珍しそうにその女の靴を見つめていた。
お客「実は私、結婚してから、つまらない日々で。恥ずかしい話だけど、えっちも旦那ともう4年してないんです。。」
女店長「あら?これがオススメですよ。旦那様との甘い夜を楽しんでね♡♡」
女が接客が終わったようで、店の入口に、ぼーっと立っている本間に気づいた。
女店長 「いらっしゃいませ。どのようなものをお探しですか? 奥様にプレゼントかしら?」
本間「えっ? あっ? あのぉ.... 」
本間が刑事らしからぬドギマギした態度をしている。下着の店の三件手前の雑貨屋で買い物を終えた沙織が、店から出てきて、ランジェリーショップの前にいる本間に気づいた。
沙織「本間さぁーーーーーん」
沙織が下着の店の入口まで早歩きでやってきた。
女店長「 あら? 奥様ですね。よかったです。ご主人様、うちに用事があるご様子だけれど、なんだか、困っていらっしゃったから。」
沙織「お、奥様( *´﹀`* )汗」
本間「よかったです、沙織さん来てくれて。汗」
本間が安堵した表情をする。
女店長「よかったですね。これで、落ち着いて、好みの下着をお選びに慣れますね。」
沙織「あっ、違うんです.... 汗 その、私達、、下着を購入しにきたんではないんです。」
このカップル?ご夫婦?は何をしに、うちにきたのかしら?と不思議そうな表情をして、固まる女店長。
本間が警察手帳を見せる。
本間「私は、静岡県警の刑事部の本間典建と申します。こちらに納品されているランジェリーの下着について、少しお伺いしたいのです。」
女店長「..........刑事さん? 」
女店長は戸惑った。
沙織がうなずき、一礼する。
本間は真面目な表情を保ったまま
真っ直ぐに女店長を見つめていた。
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女店長「これで全てです。」
店の裏の休憩室のテーブルに、大量のパンツが並べられた。
女店長「 これが、ランジェリードリームからうちに納品されている下着の全てです。」
本間「 先日、大胡田修輔さんが、羽田空港の検問で、所持品の中に薬物反応がありました。」
女店長「 え?
大胡田さん?ランジェリードリームのあのイグジクティブディレクターの大胡田ですよね? 今はハワイ研究所でご活躍されてますけど、数年前までは、ここのエリアのセールス担当で、よくここにも、来てたんですよ。先日、久々に帰国したって、こちらに立ち寄ってくれたんです。」
本間「 えぇ、そうです。それで、見つかったのがですね、こちらにも納品されているスミレ色のパンツの繊維の中から、覚せい剤が見つかったんです。」
女店長「 え? 」
女店長がまだ話を呑み込めずに、困惑と驚きを隠せないでいた。
本間「 はい。」
沙織がバックから、ビニール袋に入ったすみれ色のおパンティを、取り出した。
沙織「 これです」
女店長「 あぁー、確かにうちに納品されてるものと同じだわ。 先日、大胡田さんがこちらに来た時に、試着会のお客様に、これを勧めたいって、だから、一枚社用伝票切って、持ってっていいかって言われて。それで、私、『いいですよ』って、一枚、大胡田さんに渡したんです。あいにくsサイズしか無かったんですが。」
本間「 なるほど。それが、羽田空港の検問で引っかかったものですね。」
本間がスーツの内ポケットから令状を取り出し、女店長に広げ見せた。
本間「 突然で申し訳ありませんが、こちらのお店のランジェリードリームの全ての商品を回収致します。そして、薬物検査をさせて頂きます。」
女店長「 は、はい。なんだか、まだ信じられなくて。。」
本間「 そうですよね、こんな身近に、薬物が存在してるなんて思いませんもね。無理もありませんよ。」
女店長「 はい。。すみません、なんだかオロオロしてきちゃいました。わたし、、。
刑事さん、私は、お客様に下着を通じて、生活が豊かに楽しんで貰えるように、サポートしたいという気持ちで働いています。
このままでは不安だわ....
ぜひ、事件を解決してこの不安を早く取り除いて欲しいです。お願いします。」
本間「わかりました」
女店長「ほんとに、、、。お客様が、この麻薬のおパンツを履かれて、生活していたことを想像しただけで、わたし、、お客様になんて謝罪したらいいか、、謝っても謝りきれないわ! うちの商品のせいで、お客様の健康が害される可能性が高くなるなんて、、、考えただけで、震えが止まんないわ、、、、。」
女店長が、ショックで、ふらつき始めたので、
沙織が女店長に寄り添うように、女店長の肩に手を充てて、支えた。
沙織「安心してくださいね。もうここまで見つかっていれば、これ以上は、お客さんのところに届くことはないです。あとは、製造元を突き止めれば、犯人を捕まえられますので。わたしたちも、全力で犯人逮捕に、挑み取り組みます。」
店長「はい........ お願いします..... 私もできる限り、協力します。」
本間「店長さんお名前をお伺いしておいてよろしいですか? 」
店長「 はい。黒田和美です。」
続く




