みなさんこんばんは〜。 わー
プライベートではいろんなことがあったが仕事は順調に進んでいる。 十月に起こった事件から心絆さんに会いに行っても会うことができなかったり、連絡も取れない。 多分もう僕のことを彼氏とも思っていないんだろうな。 自然消滅っていうのかな。 はっきり言って初めは僕にはなんの非もないと思っていたし、すぐに元の調子に戻るだろうと思っていたので頻繁に連絡も何もしなかったのが原因だったのかなって最近は思っているけど。 会いたいな。
「何暗い顔してるの? 今日は今まで以上に明るい顔ししてないとお客さんを楽しめせられないよ。 プライベートで何あったかは知らないし聞く気もないけど、仕事モードに切り替えなよ」
いのっちゃんからの激励をもらった。 そうだ、今はこのイベントを成功させなくては。
「それじゃあ行くよ」
あたりが一気に暗くなった。
ステージの上に僕らは指定の定位置に立ち会場が明るくなり、曲が流れるのを待っている。
『ウォォォォオオオオオオオオオ』
『いのっちゃーん』
『たくっちゃーん』
横浜スタジアムにはスカイスターズが試合をするよりもたくさんのお客さんが入っている。
スカイスターズが不人気なんじゃないよ。 『いのたくwithスカイスターズ』のラジオでいのっちゃんが言った通りスカイスターズは若い女性にも人気な球団で満員御礼と電光掲示板に何十回も表示されるくらい人気の球団だからね。 何年か前までは弱小球団だったんだけど最近は強くなって二年連続Aクラスに入るくらい強くなったな。 まあそれだけでファンが増えたってわけじゃないけど。
今回のイベントは、外野グラウンドは立ち見席になっていたりしてるからいつもよりもお客さんが入るだけだ。 スタンドには三百六十度(電光掲示板の下は入れないので実質三百六十度ではないが)、外野グラウンド全体にもお客さんが待っている。 ステージからは三百六十度お客さんが見えるので今回のイベントは大変。 どこを向いていればいいのかわからないや。
なんでイベントをやってるかって?
昨年の六月二十三日にラジオ『いのたく』存続をかけたバトルが行われたじゃん。
それから『いのたくwithスカイスターズ』が始まってから一年が経ったある日。
「そういえばこのラジオって大きなイベントってやってないよね?」
と石川さんの一言により始まった企画なんだ。
石川さんってこのラジオのディレクターで初めて地上波のラジオに出演した時にお世話になった人だ。 懐かしいな『吉乃と小春のレディーオ!』久しぶりに出たいな。
話は逸れたけど、石川さんの提案から数ヶ月が過ぎ今日は十二月三十一日。 年末。
今日は『いのたくwithスカイスターズ』初のイベント。 年末年越しイベントの真っ最中である。
そしてこの話の冒頭に戻るわけだが・・・・。
いのちゃんへの歓声が大きく僕への歓声の声が少ないのは悲しいが今日のお客さんの割合を考えると当たり前だよね。
イントロが流れライトアップをされると歓声が沸き起こった。
「みなさ〜ん。 こんばんはー」
『わー』
「水輝伊乃です。 そしてそして」
「みなさんこんばんはー」
『わー』
「水橋拓真です。 よろしくお願いします」
よかった。 僕だけ返しが小さかったら泣いてたわ。
軽い挨拶を終えて一応ラジオのイベントも兼ねてのライブなのでラジオのコーナーを何個か行った。 その中の一つがこの横浜スタジアムだから出来るこのコーナー。 スカイスターズのマフラータオルを掲げタイトルを叫ぶ。
『I☆S.S』
これがヒーローインタビューだったらこの後に球団歌や花火が発射されるんだけど今回は野太い歓声だけで少し物足りない気がするな。
「I☆S.Sってなにやるの?」
I☆S.Sとはスカイスターズのヒーローインタビューの時に選手とファンが一体になってコールするファンなら誰もが一度は言ったことがあることば。 それ以外にもこの言葉に意味はあるが今回は関係ないので割愛させてもらう。
それで、どんなことをするコーナーなのかというと・・・・。 なにやるコーナーだっけ?
「どんなコーナーなのか私たちが説明しよう」
舞台袖から現れたのは僕がよく知る先輩方。
「しゃぁ〜! どうも皆さんこんばんは青星声のココナッツと」「ソラトだ」
解散? してから一度も会っていなかった二人との再会がまさかこの場所になるとは思わなかったな。 吉野先輩も帰ってきてたんだ。 帰ってきていたなら連絡くれればよかったのに。 でもまあ、今の状況少し気まずいな。
「ナッツさんにソラトさん。 どうしたんですか?」
「いや、なんか石川さんにお金積まれちゃってさ〜」
生々しいなあおい。 でも、人前だから・・・・ライブ中だからかもしれないが何もなかったかのように話しているのはパフォーマーとしては当たり前だが、すごくモヤモヤするな。
「まあ冗談は置いておいて、どんなコーナーなのか私たちが説明します」
冗談なのかい。 ナッツさんの場合冗談じゃなさそうだけど・・・・まあいいや。
「このコーナーは簡単にいうとクイズコーナーです。 この番組のスポンサーであるスカイスターズの『I☆S.S』コールをタイトルとして使用していますがなんの関係もありません」
まさかのタイトル詐欺コーナーですか!?
「本当にただのクイズコーナーなはずです」
ごめんなさい。 そんな自信がなくなったような言い方しないでください。
「私たち四人を二グループに分けて行っていきます」
ということはお二人もクイズに参加するんだ。
「はい。 参加させていただきます。 どうやって分けていくかというと、『いのたく』『青星声』それぞれ一人ずつのグループに分けてと書いているんですが、男女チームにするか男女別チームにするかどっちがいいですか?」
お客さんから男女という声が大きかったので男女チーム(水輝・ソラトチームVS水橋・ココナッツチーム)に別れることになった。
「このコーナー先に四ポイント獲得したチームの勝利となります。 このクイズコーナーで負けたグループ(声優だけ)はメディアで話していない秘密を話してもらいます」
「ちょっとまって、もしも僕たちのチームが負けた場合僕だけが秘密を暴露しなくちゃいけないの? 台本見せてください」
ナッツさん。 そうだけど? じゃないですよ。 台本にそんなこと書いてないじゃないですか。 人差し指を口に当て首を傾けてとぼけた顔してるけどダメですよそういうの。
しゃぁ〜! どうも皆さんこんにちは作者のわ→たく。です。
前回の話で青星声は解散?したりして拓真の心もぐちゃぐちゃになっているかもしれませんが、そんな中でも表舞台に立つ人々は明るい顔でステージに立たなくてはならない。大変という一言でまとめてはいくないとは思いますが大変という感想が一番に出てきますよね。
それではまた明日も読んでください!




