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YouTuber 青星声ver.1 ~水橋拓真は選ぶ~  作者: わ→たく。
【事務所に入りました】
30/50

悠城心絆

※ここから少しキャラクターの視点が変わります。

 私は拓真(たくま)の決意を聞いてからすぐに空翔(そらと)の家を出た。

 拓真がどこの事務所に入ろうが私に止める権利はない。

 欲を言えば一緒に同じ事務所でYouTuberをやってほしかった。

 いつからだろう。 こんなに独占欲が強くなったのは。 子供の頃は他人なんかに興味なく一人で過ごすことの方が多かった。 友達なんてめんどくさいだけ。 女の子ってネチネチしていてめんどくさいし。 かと言って男の子と遊ぼうとも思わなかった。 そのせいで幼稚園の先生を困らせていた。 小学校に上がっても同じことを思っていた。 高学年になるといじめの頻繁に起こるクラスに入ってしまった。 私はこういう性格をしていたからいじめられることもなかった。 いや、誰も私に関わらなかったこと自体がいじめだったのかもしれない。 でも、私はそう捉えていなかった。

 中学に上がって、初めて告白された。 面倒だとは思っていたが、母親が友達のいない私を心配していたので告白を承諾した。 学校ではすごい噂になり、私の周りには人が多く集まるようになった。 今まで誰とも付き合いをしなかった子がいきなり彼氏を作ったんだから。 彼氏のことを好きだった子にはいろんな嫌がらせをされた。 別にその子にも彼氏にも興味のなかった私は特に対抗することもなく過ごしていた。 たまに彼氏からデートの誘われた。 断るのもめんどくさいし毎回彼氏について行っていた。 その頃の写真を見るとどの写真も目が死んだ魚のようになっている。 高校進学とともに彼氏とも別れた。

 中学では部活に入っていなかったので、高校でも入る気は無かったし、この性格も直そうとも思っていなかった。

 だから夏休みまでは親に嘘をついて卓球部に入ったと言っていた。 三者面談があり、部活に入っていないことがバレた。 その夜私はすごく怒られ渋々次の日に入部届けを出した。

 卓球は個人競技と思っていたが、意外にも団体競技っぽかった。 入部したのなら真面目にやりたかったので毎日部活には参加したが積極的に人と関わろうとはせず一人で練習をしていた。

 そんなある日私を心配してくれた顧問の先生が私と似たような子を連れてきた。 その子の名前は吉野空翔。 初めのうちは無言が続いていたが、打っているうちにお互いだんだんと話すようになって言った。 そんな私はクラスでも友人ができるようになった。 普通なら空翔に恋をするのがセオリーかもしれないが、性格が変わった私のタイプでは無かった。 昔の性格であってもタイプではないが。 二年生に進級して部活にも四人の後輩が入ってきた。 その中の一人にビビッときた。 帰る方向も一緒だったので一緒に帰りたかったがさすがに二人は恥ずかしかったので空翔を誘って三人で部活帰りに寄り道しながら帰った。 楽しかった。 その子が元俳優だったからビビっときたのかなってその子の過去を知った時に思ったが、違かった。 この子は優しい。 知らない人でも助けてしまうくらいお人好しで人気者。 人は自分にないものがある人に惹かれるというがその通りだと思った。

 その日から私はもっと自分を変えようと思ってゲーム実況を始めた。 結構見てくれなくて悩んだ時期もあったが、最終的には五百人弱の人に見てもらえた。 一般的に言って多いか少ないかと言ったら少ないと思う。 けれど、私は五百人弱でも見てくてる人がいるのは嬉しかった。 そこで私は満足しなかった。 もっと私を見て欲しいと思った。 私に足りないピースがあればそれは完成できると思った。 だから彼、拓真を誘おうと決めた。 いつも三人で遊んでいるのに仲間はずれはよくないと思って空翔も誘って『青星声(せいせいせい)』としてYouTuberになった。 私の選択は間違っていなかった。 チャンネル登録者数はどんどん増えて言った。 企画は私だけではなくみんなで考えて作った。 拓真がいきなり小説を書いてきたときはびっくりした。 それでもこのYouTuberの活動のために一人で頑張ってくれていたことが嬉しかった。 個人的にはあまり好きじゃないジャンルの作品だったが、スラスラ読めた。 だって拓真が書いた小説だから。 しかし、その小説が書籍化するし企画は拓真が考えた企画が上位に上がるしこのチャンネルが乗っ取られたと思い込んでしまった。 だから私は拓真と勝負をしたかった。 このチャンネルは私という駒がなくてもいいのかと思ったから。

 そして、サブチャンネルに拓真がもらった賞金で面白い動画を週に一本作れと命令した。

 拓真は全然面白い動画を作ることができずにいた。 それが嬉しかった。 結局拓真も私も一人じゃ何もできないと思ったから。 でもこのままだとかわいそうだと思い野球デートに誘った。 その野球デートで、ってわけでは無かったがYouTubeで『ラジオ』をやると考え実行したのは面白かった。 今では私もリスナーの一人としてお便りも送ったりしている。

 そのおかげでチャンネル登録者数もうなぎ上りで年明けには約四万五千人の視聴者が登録してくれた。 メインチャンネルよりも早く五万人を突破しそうなのは悔しいがそれは声優さんのお陰と思っておくことにした。 そう思っていないと私から拓真はどんどん遠い存在になっていきそうだったか。

 その予想は的中し、拓真は一人声優になる道を選んだ。 別に拓真を私の手のひらの上に置いておきたかったわけではない。 自分になかったものを取り入れるために始めたYouTuberの活動だったが何もかも拓真に奪われたのが悔しかった。 だから今私は空翔の家の近くの公園で泣いているのだろう。


しゃぁ〜! どうも皆さんこんにちは作者のわ→たく。です。

今回は心絆の裏の顔。 ブラック心絆が出てきました。 青星声に対しての心絆の思い。 醜いこと思った人もいるかもしれませんが人間みんなそんなもんですよね?

それではまた明日も読んでください!

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