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異世界転生で理想の生活を  作者: かおりん@
6章

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奴隷商にて

◆奴隷商にて


 モルガンのダンジョンを制覇して、アルスターに戻ったオレは休日を満喫している。


 毎日が休日みたいなもんだが、これまでは大変だったのだ。


 基本的に冒険者なので、二日に一日は冒険者として活動していた。


 最初のランクGの頃は、ほぼ毎日森に薬草採取だったからな。


 いまの不労所得を得た身分とは天地の差がある。


 とはいえ、エミリアに指摘された通りに、たまに冒険に出ないと身体がなまる。


 まあ、いまの身分的にはほどほどに、というところだ。


 今日は冒険は休みなので、デデンさんを訪ねる。


 王都で得た交流で知った技術などを議論するためだ。


 デデンさんは技術者寄りのひとではなく、研究者寄りのひとなので、こちらの提供する情報への食いつきがいい。


 魔術回路に関しても研究しているので、そのうち研究結果を論文としてまとめて発表するのだろう。


 オレは魔術回路に関して発表する気はないが、デデンさんが研究して自身の成果として発表するのを邪魔する気もない。


 情報は提供するし、研究協力もするけど、技術を発展させるのは、この世界のひとであるデデンさんだ。オレじゃない。


 ちなみに、魔石駆動型のマッサージ機のパテントで、そこそこお金が入るようになり、デデンさんも肩身の狭い思いから脱したとか。


 そこはガガンさん、デデンさんの兄弟から感謝された。


 なんでも、王都の方まで広まっているとか。


 …ウチの奴隷たちには不評だったが、新しい楽しみとして根付いたようでなによりだ。


 デデンさんのところには、エミリアはついてきたが、ラージャはサンマル号でどっか行った。


 基本的にラージャは自由にしているので、恐らく街に買い物にでも行っているのだろう。


 サンマル号の曲乗りで、子供たちにも人気と聞いたことがある。


 ラージャの身体能力だと、いろんな技が出せるからなあ。


 サンマル号も、そろそろ一度メンテナンスするか。


 そういや、デデンさんにも、貴族さまのパトロンが付きそうとのこと。


 トウガラシ号の件を耳にしたのかも知れない。


 実質、基礎を作ったのはデデンさんだからな。改造したのオレだけど。


 オレの知識がなければ、トウガラシ号と同じものは作れない。


 デデンさんでも作れないことはないが、トウガラシ号ほどの効率の良い魔術回路は組めないだろう。


 そこは今後の研究しだいかな。頑張れ、デデンさん。


「そういえば、ベルンベルト伯爵から後援の話が来ているんだよ。

 まとまれば奴隷を買おうかと思ってるんだ」


「回転石の魔石駆動の件ですか?

 奴隷?」


「私らドワーフは、手先は器用だが、怪力というわけでもない。

 馬車の部品なんかを扱うのにちから自慢の奴隷でも、と思ったんだよ。

 戦闘奴隷でも金貨10枚程度だからね。

 ダンジョンで使い潰すような使い方をするわけでもないから、奴隷も喜ぶんじゃないかな」


「戦闘奴隷で金貨10枚なんですか?

 その辺、もっと詳しく」


「なんだい、イソ君、奴隷に興味があるのかい?

 というか君、二人も奴隷を連れてるじゃないか。

 それなのに相場を知らないんだ?」


「ラージャは廃棄品を買っただけですし、エミリアはロリソンさんから直接購入しましたからね。

 奴隷商に知り合いがいるわけでもないですし」


「そういうことなら行ってみればいいじゃないか、奴隷商に。

 アルスターにも奴隷商は何人かいるし。

 兄貴に紹介して貰えば?

 兄貴のとこでも下働きは奴隷だからね」


 なるほど。鍛冶仕事の下働きは大変な作業だ。


 工房にいるのは弟子かと思ってたけど、奴隷だったか。


 そういうことならガガンさんに紹介してもらおう。


 ◇◇◇


 というわけで、ガガンさんに紹介してもらったダリオ奴隷商会に来ている。


 いまのところは、とくに購入希望があるわけではなく、奴隷の相場感と奴隷にはどんなのがいるのか見物程度の気持ちだ。


 奴隷商会は、アルスターの街の中央からはやや外れた場所にあり、スラム街とほど近い場所にあった。


 つまり、ラージャの家の近くだな。


 かなり立派な建物で、部屋数も多かろうと思われる。


 住んでる人数が多い、つまり、それだけの数の奴隷を取り扱っているのだろう。


 門を潜ろうとしたら止められた。


「小僧が来るような場所じゃないぞ」


 屈強な門番が槍を構える。見た目で判断されたなあ。


 アルスターではオレも有名人だった気がしたが、そうでもないようだ。


 草食系のイソといえば、冒険者なら知らないものがいないくらいの有名人なのだが。


 こういうこともあろうかと、ガガンさんに紹介状を書いてもらっている。


 黙って紹介状を門番に渡した。


「これは。

 失礼しました。お客様でしたか。基本うちのような商売だと一見さんお断りなもので」


 門番は槍を下ろし、頭を下げた。首輪が確認できた。このひとも奴隷なのだな。


 まあ、そうか。奴隷商なんだから、護衛には奴隷を使うか。


「どうぞおはいりください」


 門番が脇にのける。ありがとう、と会釈しながらオレとエミリアは敷地内に入った。


 扉をノックすると、中から開けられた。


 初老の執事っぽいひとが出てくる。


「おや、草食系のイソ様ではありませんか。

 ダリオ奴隷商会へようこそ。

 本日はどのようなご用件で?」


 門番には知られてなかったが従業員には知られていたらしい。


 上の立場の者ほど情報には精通しているということなんだろう。


「デデンさんから話を聞いてね。

 ちょっと興味を持ったんで見せてもらおうかと」


「デデン様ですか? はて? うちの顧客ではなかったと思いますが」


「紹介はガガンさんから。これなら大丈夫?」


「ガガン様からの紹介ですか。なるほど」


 身振りで奥へと招いてくれる。


 応接室に通されて、お高そうなソファに座る。もちろんエミリアも座る。


 ちなみにラージャは呼んでない。


 仮に新しい奴隷を買っても、ラージャはうまくやるだろ。


「私は本商会のモーリスと申します。商会長のダリオは、所用で不在にしておりまして、私が用件を承りましょう」


 執事風のひとはモーリスというらしい。このひとは奴隷じゃないな。商会の雇われということかな?


「して、イソ様は本日はどのようなご用件で?」


「用件ってほどのものではないんですけどね。

 奴隷についていろいろと教えてもらおうかと。

 場合によってはパーティーメンバーの補充も考えています」


「イソ様は奴隷でパーティーを?」


 珍しい話ではないはずだ。


 信頼できる仲間がいるならともかく、分け前などで揉めるくらいなら、奴隷をパーティーに加えた方がいいし、場合によって奴隷だけで冒険に行かせて上前をはねるなんてマネもできる。


 実際、オレはそんな感じになってるわけだが。奴隷パーティーじゃなかったらダンジョン踏破の権利とか揉めたに違いない。


 リルルのとこは、その辺どうなってるんだろうな。


「まあ、そうですね。ウチは奴隷パーティーなので、基本的に他のひとをメンバーに加えるのは難しいと考えているんですよ。

 それと奴隷の基本も知らないので教えてもらえると助かりますね」


 モーリスはひとつ頷くと、口を開いた。


「ひとくくりに奴隷といっても、借金奴隷、犯罪奴隷、戦争奴隷の三つに分けられます。

 借金奴隷はそのまま借金が返済できなくなって奴隷に落ちたもの。

 ああ、農家から買い取った奴隷なども借金奴隷になります。

 基本的に借金分を返済するか、自身の金額分を労働で返済することにより、奴隷から解放されます。

 なお、奴隷の賃金は奴隷主が自由に決めていいことになっています。お互いの同意があれば無給でも問題ありません。

 無給の借金奴隷は解放されることがない、ということですね」


 エミリアとラージャには給料を払ってない。無給の借金奴隷ということになるな。


 知らんかった。まあ、ふたりとも解放される気はないみたいだから、それはそれでいいのかも知れないけど。いいのか? いいのだ。


「次が犯罪奴隷ですが、犯罪者が罪に応じた期間、奴隷とされるものです。

 とはいえ、軽い罪で奴隷化することはないので、10年単位での奴隷期間がほとんどです。

 犯罪奴隷の場合は、罪にもよりますが、購入されたとしても鉱山労働などの過酷な環境に送られることが多いですね。辺境開発とか。

 死んでも構わない労働力として扱われるのが多いのが犯罪奴隷です。

 犯罪を犯して奴隷落ちというのは、実質的な死刑と同じなのです。

 死刑から減一等して奴隷落ち、という形でしょうか。

 ああ、たまに貴族家の権力争いなどで、犯罪奴隷落ちされる方がいます。

 謀略に巻き込まれて、無実の罪をなすり付けられた場合などですね。

 あるいは連座で巻き込まれた方々などが犯罪奴隷となる場合があります」


 犯罪奴隷もいろいろということか。


 減一等ということなら、重犯罪だろうしな。犯罪者を手元に置くのはやっぱり怖いよな。


「最後に戦争奴隷ですが、領地間で紛争があった場合に、捕虜を取る場合があります。捕虜は通常身代金で解放されるのですが、身代金を払えないものがいます。

 その場合は戦争奴隷として奴隷にされるのです。

 借金奴隷同様に身代金分を稼ぐと奴隷から解放されます。

 奴隷になった経緯が違うだけの借金奴隷と思っていただければ」


 領地間の紛争なんてあんのかよ。王様仕事しろよ。


 とか言っても、治水の問題で揉めたりした場合は、領地間の問題か。


 紛争まで発展することがあるのか。今度リルルに聞いてみよ。


 領軍って、そんなことにも使われるのね。戦争するなら騎士団は必要か。


「すべての奴隷に言えることですが、奴隷の生命は保証されなければなりません。

 最低限の衣食住を保証できない場合、ルールによって、奴隷主が厳しく罰せられます。

 たとえば、奴隷に食事を与えず延々と働かせたりすると、奴隷主に病の呪いが降りかかります。奴隷の待遇を改善されるまで、病から解放されることはありません。

 ギルドルールなので、自動的に適用されるため、誰かに監視されてるということではなく、誰が病の呪いを掛けるのかもわかっていません。

 ルールなので守ってくださいとしか言えません」


 でたよ、ギルドルール。なんなんだよ。


 まあ、奴隷を守るというルールなんだから、そこに異を唱えるつもりはないけど、世界の謎であることは間違いない。


「奴隷を虐げるとダメということですか?」


「そうですね。虐げることがダメなのではなく、生命維持が不可能なことをさせるのがダメということです。

 イソ様が考えているパーティーメンバーの場合ですと、レベル差があるダンジョンに潜るのは黙認されています。死の危険があるのに。

 しかし、装備を与えずにパーティーメンバーとして活動させるのはNGとされるようです。

 明確に、このまま放置すると死ぬ、というあたりが線引きになっているようで、鉱山で過酷な労働を強いるのは、ギルドルールに違反しません」


 違反しないんだ。


「謎ですね」


「謎です。私たちも、どの辺がギリギリなのか探ってはいるのです。明確になっている部分は共有できますが、皆様、手探りでルールの際(きわ)を探っておられるようです」


 労働力のコストは極力抑えたいのが使役者の本音か。


 とくに鉱山みたいな大量の労働力を使ってるとこなんかは、ギリギリのところで維持したいだろうな。


 まあ、オレには関係のない話だ。


 仮にオレが買うとしたら、その辺のところは保証できるし。


 買った奴隷を放置して死ぬ、なんて状態にはしないよ。


 でも戦闘奴隷だから死ぬ危険はあると思うんだけど、その辺は大丈夫なんだ。


「奴隷解放はしないとダメなんですか?」


「本人の希望によりますな。

 本人が奴隷解放を希望しているなら、最低賃金は保証してあげてください。

 その辺は奴隷自身との交渉になります。

 実のところを申しますと、待遇がよい奴隷の場合は解放を望まない場合が多いのです。とくに農家から売られてきた借金奴隷などは、解放されても、その後の身の立て方がありません。

 手に職を付けて解放を望むものもいますが、多くはよい主人の元で安定した生活ができる方が望ましいと考えています。

 もっともよい主人かどうかは買われるまでわからないのが本当のところですが」


 まあ、そらそうか。実際に働いてみるまでは労働環境はわからんわな。


「戦闘奴隷で金貨10枚と聞いたんですけど」


「価格は本当にさまざまです。

 戦闘奴隷で金貨10枚というと、かなり戦えるレベルだと思ってください。

 ランクCに届くレベルです。

 ほとんどがダンジョンなどでケガをして、その治療費が払えなくて奴隷落ちした方々です。

 戦闘奴隷でなくていいなら、金貨1枚というものもいます。

 農村から買い上げたものなどですが。

 ほとんどが容姿は整っているので、そちらの用途を考えているなら、本人と交渉ですね」


 ああ、性奴隷ってことね。金貨1枚なんだ。安っ!


 エミリア100回と考えると安くもないか?


 娼婦通りに通うことを考えると、一年ガマンして性奴隷を買った方が長い目で見ると安い気はする。


 以前酒場で聞いた冒険者が引退するとき、若い嫁さん貰って田舎に引き籠るって、もしかしてこれのことかな?


 金貨1枚なら引退前の冒険者なら余裕だろうしなあ。


「基本はお話させていただきました。

 細かい条件は奴隷本人と詰めていただくのが当店の方針となっております。

 価格に反映される場合もあれば、そのままの場合もありますが、基本料金は変わりません」


「ちょっと見せてもらってもいいですか?」


「ええ、構いませんよ。見ずに購入されるものでもありませんからね。

 もちろん条件を言っていただければ、こちらで見繕うことも可能です」


 とくに条件はない。


 奴隷の常識を知りに来たのと、興味で見に来ただけだし。


「ではこちらへ。

 借金奴隷から見ていただきましょう」


 そう言ってモーリスは立ち上がると、オレたちを2階へと招いた。


 2階へ上がると、両脇に部屋のある長い廊下へと続いている。


 特徴的なのが、壁じゃなくて鉄格子になっていることだろうか。


「閉じ込めている、という形になりますので、鉄格子越しに見ていただくことになります。

 気になったものがおりましたら、後ほど伝えていただければ、個別面談となります」


 鉄格子はショーウィンドウの代わりのようだな。一部屋当たり8人ほどが同室のようだ。部屋の広さは十分だろう。


 部屋の中では、奴隷たちがこちらに気が付いたのか、無視するもの、アピールするものと別れた。話しかけるのは禁止されているのか、アピールするものも、基本的にはこちらに向けてポーズを取るなどで、騒がしくなったりはしない。


 部屋は綺麗だし、奴隷たちの元気もいいようだ。


 これなら商品としては文句のないところだろう。


 鑑定しながら歩く。


 レベル20程度はゴロゴロいる。この辺が金貨10枚ということかな?


 年齢は二十歳前後。まあ、レベル20なら妥当なところか。


 たまに若いのがいて、レベルも低い。


 こういうのは、運悪くケガをして借金奴隷になったんだろうな。


 そういう若いのは、あまりアピールしてこない。まだ割り切れていない感じなのかな。


 ひととおり借金奴隷を見て、犯罪奴隷を見せてもらう。


 犯罪奴隷は数が少ないようだ。男女で4人づつ。


「犯罪奴隷は、本来扱いたくないのですが、国の定めで奴隷商は必ず扱わなければなりません。

 こちらにいるのは、すべて盗賊です。

 同じ盗賊団で、まとめて摘発されたものたちです」


 盗賊団か。なるほど。そら犯罪者だ。


 天啓(スキル)で縛っても盗賊団とはご一緒したくないなあ。


「没落貴族をお求めなら、王都の奴隷商で多く取り扱っております。

 必要なら紹介状をお出しすることもできますが」


 学のある奴隷が欲しいならお貴族さまは手っ取り早いか。心が折れてないと扱いづらいかも知れんけど。


「幸い、といいますか、最近は戦争がありませんでしたので、戦争奴隷の在庫はありません」


 最奥に向かう前にモーリスは立ち止った。


 本来はもっと奥に戦争奴隷がいるのだろう。


 しかし。


「まだ奥にいるみたいだけど?」


「ああ…先日入荷したばかりの借金奴隷なのですが…見ますか?」


 奴隷教育が済んでないから見せられないということなのだろうか?


 よくわからないままうなずくとモーリスがつかつかと歩き始める。


 …臭うな。


 これだけ清潔な奴隷娼館で臭う?


「こちらは処分が決まった廃棄奴隷になります。

 先日入荷の際に、魔物に馬車が襲われまして、奮闘しましたが、7人が死亡。

 3人が負傷しました。

 単純な負傷なら、私どもの方で治療をしなければならないのですが、欠損となると、売価にも反映しなければならず、やむなく廃棄を決定したところです。

 商会長のダリオが席を外しているのも、奴隷の廃棄を神殿に願い出ているためなのです」


 ラージャを買ったときに聞いた。


 奴隷廃棄には商人ギルドと神殿の許可が必要だった。


 3人は、それぞれ、両腕、右腕右足、左腕左足と欠損部位が2か所であり、ひとり金貨100枚の治療費が掛かる。


 これはギルドも廃棄を承諾しないわけにはいかないだろう。


「ちょっと見せてもらっても?」


「構いませんが。多少見てくれはいいかもしれませんが、ただの村娘です。

 イソ様のお求めの戦闘奴隷ではありませんよ?」


 見てくれ? ああ、確かに3人とも顔はいい。15歳くらいかな。身体つきは…これからに期待というところだろうか。


 許可も得たことだし、3人を鑑定する。ラージャの前例もある。変わった天啓(スキル)を持っているかも知れない。


一人目。


名前:ミーナ(奴隷)

年齢:15

Lv:1

体力:12(12)

魔力:6(6)

筋力:13(13)

知恵:7(7)

敏捷:10(10)

器用:10(10)

幸運:5(5)

スキル:


職業:

 農民Lv1

 剣聖Lv1(未使用)


 は?


二人目


名前:リーナ(奴隷)

年齢:15

Lv:1

体力:8(10)

魔力:15(15)

筋力:10(12)

知恵:12(12)

敏捷:10(10)

器用:10(10)

幸運:9(9)

スキル:


職業:

 農民Lv1

 聖女Lv1(未使用)


 んん?


三人目


名前:サーラ(奴隷)

年齢:15

Lv:1

体力:8(10)

魔力:15(15)

筋力:6(7)

知恵:15(15)

敏捷:8(8)

器用:10(10)

幸運:7(7)

スキル:


職業:

 農民Lv1

 魔導王Lv1(未使用)


 なるほど。


 勇者こそいないものの、勇者パーティーご一行だ。


 これは買いでしょう。


「3人まとめてもらいましょうか」


「え?」


 モーリスが驚いた顔をする。


 そらそうか。廃棄決定の奴隷だもんな。


「松葉杖くらいはあるんですよね?」


「ありますが…」


「ああ、歩けないか。配送は可能ですか?」


「…可能です。本気なのですか?」


「はい。幾らになりますか? 瑕疵物件ということでお安くなったりは?」


「処分代が掛かるところだったのです。値引きいたします。

 3人まとめてで金貨1枚と銀貨50枚でいかがですか?」


 ひとり銀貨50枚か。仕入れ値くらいかな? まあいいか。


「いいでしょう。オレの屋敷はわかりますか?」


「存じ上げております。そちらまで配送すればよろしいですか?」


「お願いします」


 いったん応接室に戻り、金貨を払う。銀貨50枚のお釣りをもらって、書類を確認した。


 三人は運搬中の三ない状態なので、運ぶのも楽だろう。完全に荷物扱いだな。


 また三人のところに戻り、モーリス立ち合いの元、奴隷紋の書き換えを行う。


 これで、三人はオレの奴隷になった。


 育成計画はまた考えるとして、ひとまず家に帰るかあ。


 ◇◇◇


 エミリアとイチャイチャしながら街をぶらついて、夕方になった頃、アマネさんの屋敷に帰る。


 ラージャも基本的にアマネさんの屋敷に帰ってくるが、ラージャの家に泊ることもある。何をしているのかは知らないけど、たぶん料理の研究。


 ラージャの家に泊った翌日に新作料理が披露されることが多いから。


 料理はラージャの趣味なのかも知れんな。


「イソ君、なんか包みが三つ届いてるけど」


 ヴァネッサさんが箒を持って近付いてきた。


 基本、「戦乙女」のメンバーは屋敷にいるときはメイド扱いだ。


「ああ、届いてますか。オレの寝室に運んでもらえますか?」


「構わないよ」


 完全にモノ扱いだ。どうやら、ひざを抱える姿勢で包まれているらしい。


 ひとりはオレが持った。


 寝室に運び入れて、エミリアだけ残ってもらう。


 ベッドの上で荷ほどきすると、貫頭衣姿の三人が、予想通り膝を抱えた姿で現れる。


 まずは治療しちゃいますかー。


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