数学
「――さぁて、ラピスや」
ゴブリンの森を出て、普通の(?)草原フィールドに戻ってから、サニーはにんまりと口元を歪めた。
アンバーもアンバーでサニーの様子で次の言葉を察したのか、サニーのそれと良く似た嫌らしい笑みを浮かべている。
ボス戦中はずっと放置していただけに、ちょっと気になってコメント欄に視線を向ける。
向けないほうが良いのはなんとなく分かってるんだけどね。
『おや、サニーの様子が……』
『罰ゲームですね』
『何すんだ?』
『歌』
『止めたげてよぉ』
……うん、止めたほうが良いと分かっていたんだから、止めときゃよかったよ。
そして、大正解、罰ゲームですね!! こん畜生め。
「……で、罰ゲームは何? 流石に実現可能な範囲でね」
「じゃあ、歌っ」
「――歌は駄目だよ?」
あ、こら! サニーめ、舌打ちしやがった。
ついでにアンバーも残念そうなの、本当なんなの……?
「久々にお姉の生歌聴きたかった…………」
「却下。生き地獄じゃん」
私の歌唱力とアンバーの家事力は同レベル帯だ。
要は、あれだ。絶望的と言うやつだ。
「もう視聴者さんに決めてもらう?」
二人に任せるよりは、ましな結果になるはず。
多分、6割位の確率で。
…………そうなると良いなぁ。
「まあ、いいでしょ。……流石に宿題代わりにやってとかは出来ないし」
当たり前です。
そんなこんなで意見を募ったは良いものの……、
「腕立て伏せ、スクワット、課題終わるまでゲーム禁止、黒歴史暴露、…………碌なの無いね?」
「そう言ってやるな、ラピスよ。運動系をVRで提案するのはどうかと思うが」
いや、何かもうちょっと無いの?
私たちが思いつかなかったから聞いたんだけどさ。
「お姉、これで良くない?」
ふいにアンバーが一つのコメントを指差す。
ええっと……
「超面倒くさい数学の問題を一問解く…………?」
超面倒くさいって、どれくらい?
まあ、数学は得意だけど。
「それにしよう。ちょいまち、問題考える」
サニーがまた悪巧みしてるよ。
凄い悪い顔してるね。
「お姉、ちゃんと途中の計算の説明までしてね?」
「そりゃ必要だろうしね。……説明得意じゃないけど」
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「2進数にて、110000(2進数)時間の秒数を求めよ」
サニーが二分くらい考えて出した問題がそれだ。
いや、うん。ぬるいね。
「ガッとして48時間、その後ググッとすれば出来るね。101,010,001,100,000,000。10進法で言うなら172800秒」
所要時間2秒、すぐさま答えが出る。そして、答える。
その瞬間、コメント欄が完全に停止した。
ついでに、二人からは生温かい視線が向けられた。
お読み頂きありがとうございます。
今後も読んでくださると幸いです。
ラピスの高速暗算。
因みに私は2分掛かりましたとさ。
ラピス=60作者。
ラピスは思考速度が早いだけじゃないんですよ……相応に並列処理も出来るんで。
一体誰ですかね、こんなぶっ壊れ性能のキャラ用意したの。(作者の所業)
ぶっちゃけ後先考えなければ、数学のテストで『思考加速』を使えば、3分で全ての問題終わるんですよね、この子。
まあ、気絶が待ってますが。




