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和ロリな少女は異世界を旅する  作者: ほずみ
本編
6/48

05 この世界を知ろう(その2)

 いま私がいる場所についても教わった。

 クリスのアトリエがあるこの森はミンタカの森と言い、良質な薬草、特にキュアグラスがよく取れる事で有名になっているそう。

 また、森の浅い場所には私が見たゴブリンと、ウルフと言う四足歩行の魔物が潜んでいる。特に森の深い場所はゴブリンやウルフに加え、オークと言う二足歩行の豚のような魔物も出るため危険だ。

 ちなみにオークはどんな魔物か聞いてみたら、真っ先に『性欲の塊』だとクリスは言った。

 女性を捕まえてきては、ただひたすら犯し続ける。オークの子を孕ませたとしても、その行為は止まることはないらしい。

 ちなみにオークに連れ去れて、戻ってきた女性はいないそうだ。


 ……最初に私が落ちてきた場所が浅い場所でよかった。深い場所に落ちて、身動きが取れなかったら、オークの餌になっていたかもしれない。


 話が逸れたが、クリスの説明は続く。

 ミンタカの森と呼ばれる由来は、この森自体がミンタカと言う街の西側にあることから、その名で呼ばれている。

 ミンタカの街はプレアデス王国に所属しており、街の東側はアルニラム山脈がそびえ、西側は私たちがいるミンタカの森が広がっている。

 ミンタカの街を南北に貫くように街道が走っており、北はベラトの街へ、南はリゲルの街へと続いている。

 ちなみにプレアデス王国の王都はベテルといい、この世界でも大きな街の一つだという。


「……周辺情報についてはこの程度で十分ですか?」

「あ、うん。大丈夫よ」


 ひと段落したので、気を抜いた時だった。ぐぅーっとお腹のなる音がした……私の。


「…………ごめんなさい……」


 もう恥ずかしいやら、なんやらで苦笑いするしかなかった。


「……すぐにお食事の準備しますね。それともう暗いので、今日はここに泊まっていってください。外は危険ですから」

「……じゃあ……お言葉に甘えさせてもらうね」

「はい。こんな場所ですが、くつろいでくださいね」


 危険だと言われて、外へ出るつもりはないし、私もリドちゃんからもらった説明書を読みたい。


 それにしても、包丁……いや、ナイフ以外に調理器具と言えるようなものが見当たらない。どうやって料理するのだろうと思って見ていたら、刻まれたお肉や野菜といった食材を、大きな錬金術の釜に入れ始めた。

 次に釜の中に調味料と思われるものを入れていく。それらを入れ終わると今度は杖を取りだし、杖を使って中をかき混ぜる。


 私はそんなクリスを眺めながら、大人しくしている。

 やがてご飯が出来上がる。

 出来上がったメニューはハンバーグのような物をメインに、パンとスープだ。


「のぞみさん、お待たせしました……って、どうしたんですか?」

「……錬金術って凄いね」

「そうですよ。錬金術は凄いんです!錬金術は……」


 私が零した言葉にクリスが過剰に反応し、錬金術について語り始めてしまった。

 錬金術とはなにか、から始まり、調合の話になり、どんなものが作れるかという話になっていく。

 この話の中で、クリスの錬金術の腕についても知ることができた。クリスはまだ難しいものは作れず、基本的な薬しか作れないそうだ。

 基本的な薬というのが、私がさっき飲んだ回復薬ポーションで、種類は下級、中級、上級とあるが、クリスが作れるのは下級回復薬(ポーション)だけとなる。

 やがてクリスの師匠の話になり、師匠がやった偉業について聞かされる。

 師匠は、砂漠に雨を降らせ、雪原の雪をすべて解かし、果ては擬似生命を生み出したりもしたそう。


 締めくくりの言葉は『錬金術に不可能はありません』だった。


 とりあえず、わかったことは1つ。クリスの前で錬金術を侮辱したりしたら、大変な事になる。と言うことだ。

 ちなみに錬金術で作られたご飯は美味しかった。



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