04 この世界を知ろう(その1)
進展しなくてすみません
クリスは錬金術師だった。
アニメやゲームでしか見たことのない職業……それが錬金術師。
クリスの錬金術は、手を合わせて錬金術を行使するものではなく、大きな釜を使うものだと思われる。
まだ見たわけでは無いけれど。
それはともかく、錬金術がどういうものなのか、気になる。
「クリスの錬金術ってどういうものなの?」
私が聞いてみると、少し考えてから教えてくれた。
「……そうですね……異なるものを組み合わせて、1つのものを作り出す技術ですね。例えば、先ほど使った回復薬なんかも作れます。本来回復薬と言うのは……」
クリスの錬金術講座が始まってしまった。
回復薬の作り方は、『水』と『キュアグラス』と言う草を磨り潰したものを用意し、釜にまとめて投入する。
そして、魔力を込めながらひたすらゆっくりかき混ぜる。しばらくかき混ぜていると、釜に入った水の色が青色に変わる。
その青色の液体の上部分が、出来上がった回復薬らしい。あとはその上部だけを瓶に詰めれば完成とのこと。
ちなみに『水』と『キュアグラス』以外にも、追加で素材を投入することで、追加効果が得られるそうだ。
……魔力って異世界から来た私にもあるのだろうか。
「……と、いうことですので……のぞみさん、やってみましょう!」
「……え?」
おもわず聞き返してしまった。
やってみるって、錬金術を?
「錬金術に興味あるんですよね?」
ずいっと、距離を詰めるクリスさん。
「……はい」
クリスの迫力に負けて、差し出された棒を受け取る。
私の傍らには、いつ用意したのか、回復薬の材料が準備されていた。
「のぞみさん頑張ってくださいね」
なにをどう頑張るのか、よくわからないが、クリスはなんだか楽しそうだ。
とにかく、挑戦してみる事にした。
その結果……。
「……なにも起きないんだけど……」
釜の中は最初と変わらず、磨り潰した『キュアグラス』が浮いているだけだった。
「私にはできなかったみたい……」
なにも反応がないのは少し落ち込む。
「……すみません」
「謝ることないから……クリス以外の錬金術師っていないの?」
「私が知る限りでは、行方不明になったお師匠様くらいです。国に仕えている方もいるかもしれませんが……」
錬金術師ってかなり貴重な存在なのではないかと思う。
もし、私が錬金術を使えたのならば、『のぞみのアトリエ』とか作っていたかも知れない。
「それに錬金術師になるためには、生まれ持った素質が必要になります。口で説明する事は難しいので、このあたりについてははご勘弁ください」
素質かぁ……。私には錬金術の素質がなかったって事よね。できなかったし……。
錬金術もそうだけど、この世界についてまだ知らないことだらけだから、この際全部聞いてみよう。主にお金とか、季節とか……。
リドちゃんから貰った説明書見たらいい気がするけれど、やっぱり現地の人から聞きたい。
ということで、クリスに聞いてみた。
「この世界について、ですか?」
「私ってほら……ね?」
異世界から来ている事を話しているため、クリスは察したようだ。
まず1日の長さは24時間。これは前に居た世界と同じだった。
時間を知る方法はそういった魔道具があるそうだ。ちなみに個人で持っているものは、貴族くらいらしい。
次に1年の長さだ。360日となっていた。
続いては季節。春夏秋冬とあるが呼び方が違っていた。春は風、夏は火、秋は土、冬は水と呼び、今は風の季節だそう。
そして、お金はと言うと……全て硬貨であり、紙幣はない。単位はGであり、食事処のご飯とスープとおかずのセットで50Gとの事。
前の世界の物価と比べると、十分の一という感覚でいいと思う。
硬貨は一番下から、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、虹金貨の六種類があり、鉄貨1枚で1Gとなり、鉄貨10枚で銅貨1枚というように、10枚単位で硬貨は豪華になっていく。
つまりはこうなる。
鉄貨1枚1G
銅貨1枚10G
銀貨1枚100G
金貨1枚1,000G
白金貨1枚10,000G
虹金貨1枚100,000G
クリス曰く、白金貨以上は商人か貴族くらいしか持っていないそう。
白金貨とか見てみたい気もするけれど、そんな高価な物持ち歩きたくないね、うん。
さて、次は地理についてかな。




