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43:入浴シーンェ……

 りくの入浴を二人に任せたのは正解だったようで、特に嫌がることも無く、湯に浸かりながら眠ってしまった。金持ちやから慣れてる?いやまだ子供やし。風呂久しぶりで気持ちよかったんやろなあ。

 順番に風呂の湯を入れ替えてやり、れいかとすてが入浴を終える。あおいさんととつかさんを呼びに行ってもらい、本堂に明かりをお願いする。ついでに布団(筵)を敷いてもらう。あおいさんは縁の外にこの盥を置いて、そこに。とつかさんはその側の本堂の中で。俺は庫裏の一番広い部屋に、りくはれいかとすての部屋に。

 とつかさんは風呂に入ったことが無いので、あおいさんと一緒に風呂の方に行ってもらう。俺はついたての外からシャワー係や。なんせとつかさんの腹部が大きすぎて盥に肩まで入らない。ということで、あおいさんに指示してもらいつつ、雨のように湯を降らせる。とつかさんは気持ちよかったらしく、しきりに感心している。二人でキャッキャウフフのガールズトークェ……。

「文明開化とか新文化とか街や都で言われとるらしいが、風呂というのは好いのう。」

 ……文明開化?新文化って何それ。っていうか、いや今2017年位よね、狐?諭吉先生?

「わしもよくわからんのだが、行商のおっさんの姿が毎年えらく変わっていくんじゃ。聞いてみたら、そんなことを言っておった。炭団とか電気とか、便利ではあるな。」

 電気!電気!電気ってなんや、灯りか!懐中電灯か何かか!びっくりや。

 まあ、この世界がどうなんかまだ全くわかっとらんけど、アメさんがあかんでも、基本的に日本に西洋文明を持ってきたのはイギリスオランダスペインやし。ヨーロッパがどこまでどうなってるかによって、日本も変革するやろうし。そもそも、最初の死体の格好からして、日本的では無いんやし。だからこそれいかの着物に逆に驚いたんやし……。ちゅうことはやね。この辺、この村とか、とつかさんの村とか、時代にそぐわん地域ってことか。

 いや、とつかさんのとこは、どうかんがえても土蜘蛛イコール飛鳥以前の主流に逆らって搾取というか差別食らってる系?ちゃうんか?着物も柿色やしどう考えてもリアルでこの姿はそうとしか思えん。実際自分らの頃には地名だけで土蜘蛛なんてヘビーな人達はいなかったとは思うけど……。当麻の蹴速とか、普通に観光化されてるし……。でもこの世界やと現実に影響を及ぼして具体化するとしたら、やっぱり人間ベースの魔物外観と、獣ベースの妖怪で人間外観のと二種類は居るということやんな、無機物ベースの残留思念もあったし……。「私もずっと下の村で電気を見ましたよ、凄く明るいですね。夜でも夕暮れ前みたいでした。後、オートっていう鉄の荷車みたいなのも見ましたよ。凄く臭くてうるさかったです。」

 オートって、自動車!?オートモービルかオート三輪か……。富国強兵が行われなくても、明治維新が無くても、ヨーロッパから技術が入ってくれば、当然発達するわなあ。ということは、やっぱりこの村はかなり特殊な村やなあ。すると、アンジェリークみたいな普通の人間の外見が、やっぱり主流なんやろか。

「りくちゃんは都人ですよね?耳が少しとがってましたし、そんな話し方でしたし。」

「わしもそう思うな、あの着物も、おっさんが見せてくれた本に載ってたのと似てるしな。耳も少しとがっているしな。」

 耳とがってる!?気付かへんかった、何それエルフ?っていうか、京都弁ぽかったから、やっぱり京都が都?いや、都というと京都、江戸は江戸ってか?エルフが身分の高い人なんか、身分が高いからエルフなんか、いや、エルフとは限らんぞ、耳がとがっていると言えば悪魔のアイコンやったはず、昔の日本では。いやそれは戦後やな、そもそも耳がとがってるとか、微妙な話やな……。まさか、地域によって人間の外観も違うんやろか?東男に京女とか秋田小町とか隼人に九州男児……。ありそうやな……。

 あおいさんは甲羅背負ってるし、どう考えても河童なんやけど、大きな村まで出張るんか?結構活動的やな。ああ、竜神て言うてはったけど、まだ居はるんやろか?地力が失われてるとか明春様は言ってはったけど、そうなると、この二人はどうなるんや?いや、この強力な呪いみたいな世界で、その根本的な力とちゃうんか?元は皆人間か動物かなんかやろ、例外はおるけど。これ、どうなるんや?大体何で地力が減ってるんや?氏神様や天狗がリアルに存在して、そういう神秘や怪異を維持してきた力、これは4つの力で説明できるんか?……まあ、できんことはないんやろうけど……。

「かねかつら様、終わります。ありがとうございました。」

「いや、気持ちよかった。お手数じゃった、ありがとう。」

「あ。いえいえ。それは良かったです。では本堂に入って待っていてください。ちょっと用意しますので。」

 俺は尚も考え続ける。どうしよう。俺はどうするのが良い?あおいさんに、とつかさんに、れいかに、すてに、この村に。せじろはまあいい。りくは、届ける。何らかの警察機構が有るだろうから、そこに引き渡すのが良いんやろうけど。でないと誘拐犯になりそうやけど。けだものは、まあ、なんとかなるやろうけど、な。

 大桶を洗いながら、ふと空を見上げる。雲が少し出ている。月が強い。ああ、ほんま。どうしょうか。

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