1話 眠るたび、世界は変わる
どこにでもいる普通の高校生、朝比奈透。しかし彼はある出来事をきっかけに、自分の無力さを痛感し、引きこもりになってしまった。そんなある日、眠りについた彼は、見知らぬ世界で目を覚ます。魔力、魔法などが存在するその場所で、、もう一人の世界の自分として存在していた。
それは夢なのか、それとも現実なのか。確かめるすべもないまま、彼は寝ている間、その世界で過ごすことになる。
やがて彼は知っていく。その世界はただの夢ではなく、自分の選択が確かに、その世界での何かを変えていくことができる場所であることを。
過去は変えられない。だが、自分の選択は変えられる。
これは、僕が、何度でもやり直しながら、人として前に進み、成長していく物語。
「はあ。」
自分の部屋の天井を見ながら、俺はため息をついた。
今日も一日、何もしなかった。
いや、正確に言えば、何もやりたいこともなく、何かやろうという気すら起きない。
部屋の中は静かで、時間だけがゆっくりと流れている。やっぱ、なんもしてないと、余計時間って遅く感じるよなーー。
ーーーーー《朝比奈 透。(あさひな とおる)》ーーーーーーーー
それが俺の名前だ。どこにでもいるごくごく平凡な高校生、、、だった。
もう今の俺は外にも出てない。
学校にも行ってない。
人とも全然話していない。まあ、それはもともとか、、、
まあ、今みんなが思っていることを当ててあげよう。
(ただの引きこもりじゃん。)
ふっふふ。その通りだ。現在進行形で引きこもり中の高校生だ。毎日ゲームしたり、アニメ見たり、見事に現代の子供たちの闇にどっぷり浸かっている。
母親がドアの向こうから声をかけてきた。
「透、、、、、ご飯、ドアの前に置いておくからね、、」
「、、、ん」
短く返事をする。会話はそれだけ。
母親が持ってきたご飯を食べ終わり、またいつものようにベッドに寝ころびながらスマホを見る。
画面には今人気沸騰中の異世界アニメランキング。
「またこれかよ。最近人気やなあー。」
異世界アニメと言ったら、異世界転生、チート能力、最強主人公どれも夢物語だ。
「いいよなあー。こういう世界に登場するアニメのキャラたちは。大体、ハッピーエンドかハーレムエンドとかだもんなあ。まあこういうのが、現代の俺たちの世代には流行るんだろうけど。」
「現実じゃ、何もできないやつでも、」
「別の世界ならやり直すことができる、、」
ーーその言葉に、少しだけ胸が痛んだ。
、、やめよう。
考えたくない。
「寝るか、、。」
スマホを置き、目を閉じる。
ーーーーそして、
「、、、、うぇ?」
見知らぬ青空。風の音。草のにおい。
「、、いやいやいやいや」
体を起こす。完全に知らない場所だった。
「まてまてまて。。」
深呼吸をする。
「なんだ、夢か、」
そう、夢。じゃないと説明がつかなくなる。
「、、、いや、ちょっと待てよ?」
もし夢なら。「ちょっとくらい、ねー。」
「すううううううう、、、ステータス、オープン!!」
、、、、、、あれ?なんも反応ないな。
「アバダケダブラ!」
、、、、何もおこらないのかよ。
まあ、状況から察するにこれが俗にいう明晰夢?てやつだろう。
ま、まあ!?せっかく意識あんなら、乗るしかないでしょ!このビッグウェーブに!
そして、歩いているうちに、城壁のようなものを発見し、門をくぐった。
石造りの街。よく異世界では見る、お決まりのドワーフや獣人、エルフ、などさまざまな種族が街に行きかっている。「完全に異世界やなーーー。」
「夢にしては作りこみの再現高ーー。」
露店を歩いていると、パンがあった。「うまそう、って夢なのにおなかすくのかよ。」
「まあ夢ならただで食えんだろ。」
取ろうとすると、「おい、」と店主に言われた。
「え!?まじかnpcとかも動くの!?」
店主が言った。「お前何言ってんだ?買うならとっとと買え」
「え?見ての通り無一文っすよ?」
「じゃあね?坊や?ここに来るんじゃねえよ!」
んーーー。初回夢の中でも大ピンチってどういうことだよ!?ーーーーーーー
はぁ!、、目が覚めると寝室にいた。なんだやっぱ夢かよつまんねー。
て、まだ朝の2時かよ、、もう一回寝よ。
「また見れるかな、、」
軽くそう思った。ーーこの時はまだ知る由もなかった。
この夢が、、ただの夢ではないことを。、、、
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この作品は、「もしあの時、違う選択ができていたら、」という後悔をテーマにしています。
誰しも一度は、「あの時こうしておけばよかった、、と思ったことがあるのではないのでしょうか。
この物語の主人公は何もできなかった自分を少しずつでも変えていくために、選択する重み、それでも前に進もうとするその過程を大切に書いていきたいと思ってます。悩みながら、失敗しながら、それでも、成長していこうという物語です。
少しでもこの物語が読んでくださった方の心に残ればうれしいです。今後の展開もぜひ楽しんでいただけると幸いです。




