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50階層

 45層でバジリスクを討伐し、俺達は50階層に到着した。

 まだ入り口ではあるが特に変わった所はなく、他の階層と同じ雰囲気だ。

 ただ、爆速で進んだせいかアルブス達騎士団はずっと困惑したご様子。


「も、もう50階層って……あんたとんでもない奴らと知り合ったのね……」


「いや……私だって驚いてるよ。まさかこれほどとは……」


「出発から休憩なしでここまで来られるとは……」


「前に来た時と比べたら天地の差ですね……」


 ちょっとペースを上げ過ぎたか?

 多分1階層突破するのに今までの半分ぐらいの速さだったかな。

 まあそれはいいとして、ようやく問題の50階層に到達だ。

 

 アルブス達による事前情報だと色々な罠に、出てくる魔物も毎回違うらしい。

 50階層の地形は四角い部屋の四方に一本道が続いていて、その先はまた四角い部屋なのが無数に繰り返されている。

 印になるような物がないから、地図アプリがなかったら迷ってしまいそうだ。

 まずは地図アプリで見える範囲を広げるために進んでいると、魔物の反応が3つ表示された。


「おっ、さっそく魔物の反応があるな」


「ここは徘徊する魔物はランダムなのでありますよね? どんな魔物が出てくるのでありましょうか」


「クックック、枷を解かれた僕の力ならどんな魔物だろうと屠ってみせよう」


「マルティナちゃんカッコいいんだよー!」


 マルティナの奴決めポーズまでして完全に調子に乗ってるな。

 実際高速探索するのに彼女のゴーストによる偵察に、デバフをばら撒いて魔物を一気に殲滅するのに重宝した。

 今回もゴーストを先行させ視界共有をしてもらうと、そこには見覚えのある銀色のスライムの姿が。

 まさかとは思いつつも向かいステータスを確認してみた。


 ――――――

●スチールスライム 種族:スライム

 レベル:50

 HP:4000

 MP:0

 攻撃力:2400

 防御力:2万

 敏捷:60

 魔法耐性:0

 固有能力 なし

 スキル 変形

――――――


「おいおい……スチールスライムが出てきたぞ。しかも3体もいるぞ」


「あれって5階層の中ボスですよね。その辺を徘徊していていい魔物じゃありませんよ」


「中ボスまでランダムに出てくるのね。とりあえず、えいっ」


 エステルが掛け声と共に広域に炎をまき散らすと、スチールスライムは避ける暇さえなく消滅した。

 5階層の中ボスだからもう脅威ではないが、この迷宮の中ボスが雑魚敵として出てきたのが問題だ。

 しかも複数体同時って……。


「アルブスさん、こういうことって前もあったんですか?」


「……いえ、中ボス級が徘徊してるのはこれが初めてよ。戻れなくなったのと同じように、ここを徘徊する魔物も異常が起きていそうだわ」


「スチールスライムならまだいいけど、他の中ボス級もいるなら油断できないね。まあ、君達が一緒だからそこまで心配しなくてもよさそうだけどね」


「信頼して貰えるのは嬉しいですけど、私達も何でもできる訳じゃないので警戒はしましょう」


 そう、レビィーリアさんが言ってるように俺の懸念も他の中ボスが出てくるじゃないかってことだ。

 まだスチールスライムだったからいいけど、これがコボルトロードやスマイターになると厄介度が増す。

 スマイターが複数同時に出てきたらゾッとするぞ。

 それから更に何体かスチールスライムを倒しつつ、一本道を進んでいるとフリージアが声を上げた。


「平八、この先行き止まりなんだよ!」


「えっ、おかしいな。地図アプリだと敵はいるけど行き止まりじゃないんだけどな。マルティナ、またゴーストで確認してくれ」


「僕にお任せあれ!」


 まだ俺には視認できないが、フリージアには道の先がどうなっているか見えているようだ。

 地図アプリにも赤い点が映っているから何かしらいるのは間違いない。

 マルティナにゴースト偵察をしてもらうと、何とも言えない表情をしていた。


「これは……」


「どうかしたのか?」


「うん、実際に見た方が早いんじゃないかな。危険はないと思う……多分」


 随分と歯切れの悪い反応だな。

 危険がないって言うなら問題なさそうだが、一体この先に何がいるのか。

 問題の地点まで進んでみると、マルティナが何故あんな反応をしていたのかわかった。

 黄金に輝く物体が道を隙間なく埋め尽くしている。

 地図アプリには敵の反応があり、あれが魔物だと示している。

 まさかと思いステータスアプリで確認すると、結果は予想通りだった。


――――――

●アウルムスライム 種族:スライム

 レベル:60

 HP:20万

 MP:0

 攻撃力:4500

 防御力:3000

 敏捷:20

 魔法耐性:30

 固有能力 黄金の輝き

 スキル 威張り散らす

――――――


「まさかボスまでいるとは……しかも道に詰まってやがる」


「ふむ、動かないなら都合がいい」


「あそこで湧いたけど大き過ぎて詰まったのかしら。えいっ!」


 エステルが頬に片手を添えて困り顔をしながら杖を振ると、光線が放たれてアウルムスライムは消滅した。

 道に詰まっていたせいでモロに直撃食らったようだな……。

 その後も道に詰まったアウルムスライムを数体発見し、エステルに瞬殺してもらいながら進んだ。

 ドロップ品である黄金のスライムボールなどが落ちたから、これはこれで美味しい狩場な気がするぞ。

 ちょっとウキウキ気分になっていたが、レビィーリアさん達は深刻そうな表情をしていた。


「異変にしてもこれはちょっと笑えないね……。ボス級がその辺に湧いてるって異常過ぎるよ」


「普段より魔物の数は減ってるのだけは救いね。というか、あんた達が強すぎてむしろ楽。ボス級すら瞬殺するってその魔導師の火力どうなってるのよ」


「あら、まだまだ本気じゃないから安心して」


「あれで本気じゃない!? エステル様、探索が無事終わったら是非教えを賜りたいのですが……」


「軽くなら構わないわよ」


 うーむ、雑魚が少ない代わりに湧く魔物がボスモンスターに置き換わっているのだろうか。

 まだ入り口付近だからスライム系ばかりだが、奥に進んだらどうなるのか。

 50階層、無事に攻略できるといいのだが……。

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― 新着の感想 ―
みんなレベルが上がるといいですねー
最後のエステルに聞いてるのリンフィア? 誰だろう? と、思い過去の更新を読み返したよ┐(´ー`;)┌
エステル先生は伝説の大魔導師として名を残しそう(笑)
2025/10/27 03:00 にゃんこ聖拳
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