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49話:【輪廻】
終わりは始まり、いつしか、そんなことを、師匠に言われた。
いつか終わる幻想と、終わらせたくない欲望を持つのが、人間。でも、終わりは始まり。だから、終わらせる勇気を持つことで、人は、力を手に出来る。
突如、目の前が歪む。俺は、あまりの眩しさに目を細めた。
「九重、か」
【黒減】が呟く。
「どうも~、三縞九重っすぅ~」
随分とテンションの高い女だ。
「ようこそ、【輪廻のセカイ】へ!」
【輪廻のセカイ】?
「と、言うわけで、あんたには、世界の主軸を廻す権利が降りた。そういうことだから、いつまで遡りたい?」
遡る?
……!そうか、輪廻とは、そういうことか。つまりは、俺は、世界を巻き戻る権利を得たわけか。
「ただし、龍輝と私、そこに居る【炎魔】と【雷帝】。あと、みんみんにやられたスピナリアは、因果の修正の所為で連れて行くことになるけどね」
分かった。そうだとしたら、俺が、遡らなくていけないのは、あの頃に、決まっている。
眩い光と共に、このセカイが塗り変った。




