表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雪夜の魔法  作者: 桃姫
雷の魔法――A beautiful ogre retains the intense thunder――
30/51

30話:雷の乱心

 整頓された部屋に、俺は少々戸惑う。

「はい、お紅茶です」

「あ、ありがとう」

 湯気を出す紅茶が俺の前に置かれる。

「まずは、そうですね。わたくしの昔話にでもお付き合いいただけませんか」

「おっ、おう。いいぞ」

 とりあえず、脈絡も無いが、彼女の昔話に付き合うことにした。

「そうですね。かつて、お母様がまだ、【帝華】と呼ばれる前、【第五鬼人種】や【吸血鬼】と呼ばれていたころまで話が遡ります。

 お父様が【雷帝】と名乗る前。二人は、出会いました。そして、対立をし、離れ離れになります。

 それから、数十年後、わたくしが生まれ、二人は婚約を果たしました。

 その後、わたくしが七つのころまでに、お父様は、わたくしに呪印と魔法に関する全てを教え、亡くなりました。

 その後は、わたくしは、一人で暮らし続けました。

 そんな或る日、お母様が帰宅なされました。

 そのとき、言われたのです。『いつか許婚がやってくるから、そいつと結婚しろ』と。衝撃でした。そして、そのときわたくしは、これが、お母様から貰う、最後のプレゼントなのかもしれない、と思ったのです

 許婚。わたくしは、それがどんな方なのか、ずっと悩んでおりました。

 でも、やっと出会えましたわ。篠宮翔希様。貴方が、わたくしの許婚で間違いありませんわよね?」

 許婚、か。そういえば、言っていたような気がする。「そうね。じゃあ、あの子と貴方は、許婚と言うことにしましょう」とか、何とか。

「ああ、間違いないとは思うけど」

「どうかなされましたか?」

「いや、あんな口約束も同然の話だし、断りたかったら、断ってもいいんだぜ」

 実際、俺は、ただ、勝手に宣言されただけだし。

「いえ!断りません。わたくし、翔希様とご結婚いたしますわ」

 何か、すっごい盛りあがってる。

「い、いや、俺は、別に結婚する気は……」

「無いのですか?」

 上目遣いで俺を覗き込むウィンディアは、とても可憐だった。

「い、いや、どちらとも言えないっていうか……」

「好きな方が居られるのですか?」

 す、好きな奴?

「い、いないけど、たぶん」

「たぶんでございますか?」

 な、涙目になってる。何故に、どうして、一体何故?

「翔希様。少し出かけてきてもよろしいでしょうか」

 こ、この流れで、きゅ、急に?

「ど、どこに行くんだ?」

「少し、翔希様と関係の深い女性を皆殺……親睦を深めようかと」

 今物騒な単語が!

「お、おい、ちょっと、そんなことするなよ」

「むぅ~、ですが!ですけど!わ、わたくしは、許せません!翔希様をわたくしから奪おうとする女がおられることを!」

 変なスイッチが入ってしまっているらしい。

 どうすりゃいいんだよ……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ