31話:雷のパートナー
結局、ウィンディアが落ち着いたのは、それから数時間後だった。時計を見ると、丁度学校が終わるころあいだった。
そろそろ帰るかな。
と、そこまで思って、一つ抱いていた疑問を解消することにする。
「そういえば、ウィンディアのパートナーは誰なんだ?」
「え?翔希様では、ないのですか?」
え?何言ってる。俺のパートナーはユキネだ。
「私のパートナーは、推薦状に【ノーネーム】【氷夢】と書いてありますよ。これは、名前不明、【氷夢】の魔法使い、と言う意味ですよね」
確かにそう書いてある。しかし、その右下に、
「推薦人【氷河の乙女】って、これ、完全にあの人じゃねぇか」
【氷の女王】の他にもあの人が名乗っていた名がいくつかある(勝手につけられたものもあるが)、【氷河の乙女】はそのうちの一つだ。他にも【帝華】、【氷上の妖精】、【冷徹の悪魔】、【一門】、【氷神】など。
「どうやら、俺が二つ使えるのをいいことに、一人で二人分として推薦しやがったな」
溜息をつく。
「まあ、いいか。いざと言うときは、よろしくな。パートナーなんだし」
「いざと言うときと言わずいつでもよろしくしてくださって結構ですよ」
ガシッと手を握られた。しかも両方とも。
「お、おう。でも、俺、普段学校にいるし」
「そ、そうですか。それでは、いつでも遊びに来てくださいね」
いい加減離して欲しいのだが。
「ああ、分かった。じゃ、じゃあ、俺、帰るから」
「も、もう、行ってしまわれるのですか?」
潤んだ瞳をこちらに向ける。
「用事があるんだ」
無論、嘘だ。
「そ、そうでございますか。では、また来られる日を心待ちにしております」
そう言って、見送りに出てくれた。
俺が見えなくなるまで手を振り続けたウィンディア。
な、なんだ?




