27話:日常
俺は気付いたら寝ていた。リビングのソファーで、しなのと二人で。しかも、無意識のうちに、何があったのか、しなのは俺の上にいた。しかも、俺は、二つの豊満な物体を押し付けられ、窒息しかけている。
「くっ、くるし…」
しなのはすっかり元気になってくれた様で、嬉しい限りだが、このままだと、俺のほうが元気になりそうなので(どこがとは言わないが)、早く退いて欲しい。しかも、このままの状態で、ユキネが降りてきたら、鬼神となるだろう。
そんな、悪い考えばかり当たるようで、タッタッと不規則な(寝ぼけているのだろう)足音が聞こえてきた。
「おい、しなの、起きっ……」
言葉が途中で、遮られた。しなのが、思いっきり抱きついたのだ。ギブッアップだ。
「ショウ、キ?」
ユキネの声が聞こえた。今にも潰されんばかりの勢いで、声も出ない俺に近づいてくるユキネ。コレは、チェックメイトだな。
「なに、やっているの?」
声でない。と身振り手振りで伝えるが、無駄なようで。
「ふん!」
ゴスッという音で、ソファーを蹴っ飛ばしたのだと認識した。しなのと俺は、見事綺麗に転げ落ち、解放された。
「死ぬかと、思った」
「何があったの?馬鹿なの?死ぬの?」
こ、怖いっす。ユキネさん。
「ぅん。ん~」
のびるしなの。ようやく起きたようだ。
「ん?冬海ユキネ?」
や、やばいかもしれない。いろいろと。
「ショウキくん♪」
ぎゅっと俺に抱きつくしなの。それを見た瞬間鬼神とかしたユキネ。コレはもう、死ぬな……。




