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雪夜の魔法  作者: 桃姫
雪の魔法――The snow of the silver melts calmly――
14/51

14話:記憶の断片

 寒い。本当に寒い。ただ、寒い。

 どこか分からない。気がつけばここに居た。

 足元には、深々と降り積もった雪。一面に雪が積もり、今も尚降り続けるそれは、光に反射して、美しく幻想的だった。

 ふと顔を上げると、紫に輝く「瞳」と紫色に煌く「髪」。白雪のように白い肌。二十代くらいだろうか。彼女は、幻想的な背景よりも美しかった。

 さながら雪の精のような女性。

「誰、だ?」

 かすれるような声で聞く。その声に、女性は、透き通る声で言った。

「貴方は、私に逢う権利があったの。だから、貴方はここに居て、私もここに居る」

 言葉の意味が理解できない。権利とはどう言う意味だろうか。

「貴方は、心に九つの華を持っているわ。それが逢う、資格であり、権利」

 九つの、華?そんなもの、持っていない。

 寒さでボーっとする頭で、言葉の意味を考える。

「さあ、【夜】の坊や」

 彼女は、温かい声で言う。

「私と一緒に行きましょう」

 行く?どこへ……?

「全ての【始まり】にして、起源へと通ずる場所へ」

 始まり……?「起源」?

「今はまだ、わからなくてもいいわ。だけれどね、いつか、きっと分かる日が来るわよ」

 分かる日が来る?

「さあ、咲かせましょう。貴方の中に眠る九つの華を」

 咲かせる?

「目醒めなさい【白銀雪夢】」


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