15話:記憶の断片Ⅱ
眩しい朝日で意識が覚醒する。ただ、まだ眠い。
眩しさから、背くように、布団を被りなおし、再度、眠気に身を委ねた。
さあ、夢の続きを見よう。
目の前に居る女性は、なんとも不思議な女性だった。
見た目は二十代でも、口調や落ち着きは、とても高齢に思える。
見た目が正しいのか、それとも印象が正しいのか。それは、なんとも言えない。ただ、その美しさが、見るもの全てを魅了することは分かる。
「【夜】の坊や。貴方は、全ての【始まり】を見たことは、ある?」
全ての始まり?
「そう。全ての始まり。ジャンヌ=ダルクが、【最初の魔女】になったときを」
それは昔のことだろ?う~んと昔。
「ええ、昔のこと」
だったら知らない。見たことは無い。
「だったら全ての【終わり】は?」
終わり……?
「【終焉の魔法使い】よ」
終焉の魔法使い?それは、アイツ?
「そう、貴方は、知っているのね」
ああ、知ってる。
「【夜】の坊や。貴方は、【夜】の魔法使い?」
そうだけど?
「そうね。貴方は【夜】。だけどね、貴方はもう一つ、力があるわ」
もう一つ?そんなわけない。魔法使いは、一つしか魔法が使えないから。
「ええ、そうね。でも、貴方の心には【雪】が降っていたわ」
心に雪?
「さあ、貴方に私の証をあげるわ」
証?それは一体?
「さあ、手を出して」
左手を差し出す。
左手に、九つの華が咲いた。透通るような、水色と白銀の交じり合った華が。




