SS 光のダンジョンに向かった二人の旅は適材適所
ご無沙汰しております。またボチボチと更新を再開出来たらと思います。よろしくお願いしますm(_ _)m
「カリス。お前さ、身一つで顔パスってなんなの。普段なにしてんの」
「将来治めるかもしれない国を実際に見て回るのに、何か特別な理由がいるのかな?」
両頬に傷薬を貼ったにも関わらず、カリスは道中の幾つもの関所を名乗りと顔だけで通っていた。その事にユニタスは呆れている。
国内で顔が知られているだけでは、その慣れた手際の説明がつかないからだ。
「俺が、俺が通る時なんて冒険者ギルド証使って、犯罪歴まで調べられて時間かけて通るっていうのに!!」
「そう言うなら、高位まで登り詰めたら良いじゃないか。高位は冒険者ギルド証のネームタグで顔パスだろう?」
「それ、ランクA以降だからな! もれなく有名人の! 何年掛かると思ってる。やっと外の依頼に出れる子どもに向かって!」
「馬を駆けてもこれだけ話せるなら、随分と成長したと思うけどね」
「俺は身体強化してるけど、お前は素だろ!」
涼しい顔をしているカリスに、ユニタスはくわっと噛みつく。王族と庶民との差が、ありありと現れていた。けれど、二人の間にはとても気安い空気が流れている。
「しかも、夜営時の見張りをイージスで全カットだと? ふざけやがって、魔力量どうなってんだよ、本当……」
馬のたてがみに軽く顔を埋めて、恨めしそうにユニタスはボヤいた。すぐに顔を上げて前方を見据えながら、再び口を開く。
「俺でも分かるほど、魔力量減らしてんのは、無茶じゃなくて理由があるよな? まだ言えねぇのか」
「最近はかなり使い込んでいたからね。元々減っていた。ついでだから、それを維持しているだけだよ。最低限は残しているからね」
「ホントお前らって、揃いも揃って規格外だわ……」
ユニタスの言葉に、カリスはただ苦笑する。大層な理由など無く、ただアディを迎えに行くに辺り、人畜無害を演じようとしているだけだ。
――ダンジョンに辿り着くまでの間に、思いつく限りの方法で、一般人に近づけようとしているだけなんだが。
カリスなりに苦労している。だが、それを分かる者はこの場にはいない。
フィデスに殴られて、かなり思考が毒されているのかもしれない。




