1、30秒の3分
.....。
この世の中にはバカッターと呼ばれるものがある。
それは何かといえばSNSに信じられない動画を投稿する事。
例えばバイトがアイスのショーケースに入ったりとか。
その反面、バカッターに関しては30秒という時間は運命の時間だ。
全ての運命が決まる時間である。
偶然に動画を30秒以内に発見したその後輩のバカッターらしき動画を観た俺、角野俊樹は愕然とする。
青年顔の黒縁メガネの黒髪の平凡な男の俺が可愛い後輩と付き合えたと思ったのがバカだったのか。
本気でバカな事をすれば人生が変わってしまう事を実感した。
まさか、と思ってしまう。
「.....」
山口桃。
俺の後輩に当たり俺の現在の彼女に当たる人物だが。
約3分の動画の中で見知らぬ.....というか誰か別の男と性行為に及んでいた。
気持ちが悪い、と思いながら見ていたのだが。
マジか、という印象が近い。
何故それが桃と気が付いたか。
それは桃の足首の傷を見た事があったから。
映った傷の大きさといい。
それでまあ桃だと気が付いた。
だけどまさかこんな事をしているとはな。
思いながら俺は額に手を添える。
そしてだがこの3分の動画。
約30秒で消えた。
俺が観た時点で多分消えるまで10秒ぐらいしか無かった。
あっという間の事で保存する暇が無かったのが問題だ。
悩んでいたのもあって。
「.....」
俺はグラグラする頭を何とか支えつつ。
そのまま立ち上がる。
それからパソコンを閉じてからそのままベッドに寝転がる。
困ったな、と思いながら。
そして俺は幼馴染の猪口兎の連絡先を開く。
(すまん。兎)
(ハロハロー。どうしたの)
(桃が浮気した。.....多分)
(.....へ.....え!?)
(気持ち悪いが桃が誰かと性行為に及んでいる動画があった)
(.....え.....それって本当に?!)
マジだな、と言いながら俺は打つ。
すると兎は暫く考え込む様にしてから、.....事実だとしたら最低だね、と怒りのメッセージを送ってくる。
俺は、ああ。何というか性格が良かったから残念だ、と溜息を吐く。
そして起き上がる。
と同時に電話が掛かって来た。
『まあでもスッキリしたかな。桃.....やっぱり信用出来なかったね』
「.....まあ何か怪しいとは思った。ここ最近の動きが。.....お前の予想通りだったな」
『.....外道だね。.....本当に』
「性格が良かった分最悪だわ。取り合えず別れる.....」
『待って』
「.....え?」
俺の言葉に静止してくる。
そして、このまま終わらせるのは良くない。.....復讐ってかリベンジだよ、と言ってくる。
その言葉に俺は、?!、を浮かべる。
それから、桃ちゃんに復讐しないと、と言ってくる。
俺は、待て待て、と静止をかける。
「リベンジって。.....それはダメだろ」
『何でダメなの?寧ろどっちが悪いのかな。これで考えるなら。裏切られた分は返してもらわないと』
「具体的に何をするんだ」
『私が今思い付くのは後悔するデジタルタトゥーだね』
「.....つまり誰か分かったら動画をどっかに公開するのか」
『そうでもしないと気が済まないんだけど』
私の腹の虫が収まらないんだけど、と言う。
コイツ俺以上にかなり怒ってんな、と思いながら話す。
具体的に動画はどうするんだ、と聞く。
すると、証拠を掴んだら動画をどうにかこさえよう。何か.....それぐらいの事は出来ると思うから、と言ってくる。
「.....でもプライバシーの侵害じゃないかこれ?」
『だから証拠を全て掴むの。.....動画をこさえる為にね』
「.....そうか」
『許さない。絶対に』
「.....何でお前はそこまで怒ってくれているんだ?」
『それは.....まあこっちにも色々あるからね』
まあそれは今は良いとして。
そして、桃のSNSを観たの?、と聞いてくる。
俺はその言葉に頷きながら、そうだな。
SNSを観ていたら偶然な、と言葉を発する。
『信じられないね。.....有り得ない』
「.....取り敢えず対策を立てるか?」
『そうだね。どうにかしようとは思う』
取り敢えず今から時間ある?、と聞いてくる兎。
どうする気だ、と聞くと。
近所の噴水に集合、と言ってきた。
俺は、ああ。成程な、と返事をしてから。
そして集合する事にした。
.....。




