新入生交流試合
学校生活自体は特筆するようなこともなく、
わりかし平穏に、淡々と、着々と進んでいる。
入学式から約3〜4日ほどは、物珍しいからだろう、
いろんなヤツにジロジロと見られ、
いささか本当に俺はこの学校に入学して良かったのか?と思い始めたくらいだったが、
いざ、その環境に慣れてみると、みなそれなり且つ普通に接してくれた。
最初こそ遠慮して声をかけてこなかった人たちも、気兼ねなく話をしてくれる様になったわけで、
その「遠慮」の正体が…
「アラタ様、喉は渇いていたりしませんか?」
「いや…ちっとも…」
「あら、そうなんですの?
なら、お腹は空いておりませんか?
わたくし、本日お弁当を持ってまいりましたのよ!」
「いや、まだ午前中だし…」
「そんなぁ!腕によりをかけて作ったのですよ!メイドのジゼルが」
「メイドがかよ!!」
やたらと着いてまわって来るマカロン先輩である。
本人曰く、
「何はともあれ、勝負は勝負!負けた時の条件「在学中はアラタ様の僕となる」を完遂致しますわ!」
とかなんとか…。
なんか、出した条件が捻じれてる気がするんだけど…。
1つ上の先輩が付きまとっているとなりゃ、
まぁ遠慮も生まれますわな…。
〜〜〜
昼休み。
俺、ターニャ、ニャルは、クラスが同じでもあり、毎朝俺が弁当を作っているため、特に学食に行ったりはせずに、教室で昼飯を食べるのが常になっていた。
付け加えるなら、
そこにマカロン先輩が来るのと、たまに早弁した桜さんが来るくらいだ。
てか、教師のくせに早弁って…。
「それで!貴女がたはもう新入生交流試合については考えていまして?」
新入生交流試合。
この学校の生徒は、5月に新入生のみで、交流を兼ねたバトルを行うのだ。
基本的には5人1組で、
バトルフェスタの様々なルールの下、各チームが任意で選んだルール戦で戦う。
バトルフェスタは基本ルール6種と人数を組み合わせたものとなっている
1vs1だと
決闘方式の「モノバトル」
2vs2からは
勝ち抜き戦の「アライブ」
総当たり戦の「ホープ」
3vs3から
相手を全滅させる「デストロイ」
相手チームリーダーを倒す「リーダークラッシュ」
そして5vs5以上からは
拠点防衛戦の「フォートレスガード」が加わる
ちなみに
「ホープ」と「デストロイ」の違いだが、
基本的には変わらないが「ホープ」のみ、味方が倒された際の「降伏」が認められる。
つまり「デストロイ」の場合は3vs1などの過酷な状況であっても、戦い続けなければならないのである。
話を戻すとして…
新入生が5人1組になるのは、この6種のルールの内どのルールでも戦えるようにである。
さらに加えるならば新入生交流試合の特別ルールとして「ポイント制」があるのだ。
3日間の内に様々なルールでできるだけ戦い、より多くのポイントを獲得する。
チームとなった5人がそれぞれモノバトルに出ても良いし、
2vs2のツインズと、3vs3のトリオに出ても良い。
しっかりと5vs5のチームバトルを行うのも良いのだ。
チームである5人で最大限にポイントを稼ぐ。
そしてそのポイントによって様々な特典を得る事が出来るのだ!!
新入生交流試合でみんなが目指しているのはこの特典であり、
良心的な事に、これは上位チームのみが得られる、とかではなく「獲得ポイント数によって」特典が変わるのだ。
そりゃみんな張り切る。
「それに関してはまだなんとも言えません」
マカロン先輩の問いに答えたのはニャルだった。
「ウチとターニャとアラタで組むとして、
アラタはそもそも戦えないのでアシスト確実です。
なので今からあと3人ほどチームに勧誘しないといけないのです」
「そーだよねー?アタシもクラスの子に声かけた方が良いのかなぁ?」
「かけろよ。」
相変わらずマイペースだな、この赤髪は…。
「まぁ…そろそろ俺からも声をかけてみようかな。
男子だからってみんななんか遠慮してるみたいだったから、声はかけて無かったんだが…」
「そうですね。よろしくお願いします」
「よろしく〜」
「ターニャ、お前も声かけろよ。」
「りょうかーい!」
ということで、
俺らの当面の目標は3人の新たなチームメイトを探すことに決まった。




