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第43話 バジーニ崩壊後…

バジーニ崩壊後の話です。

今回は、まさかの人物が仲間になります。

酒場バジーニの関係者が全員、自警団に捕まった次の日

セイラスの僕達は貸家の中で、この後どうするかを話し合った。


「まあ、これで目的は果たした…。 後はどうするかだね。」


「うん…まあ、奴隷の人達は解放された訳だからな。」


「これで一件落着、ですね。」


「んー…。」


ミュラとリオさんが安堵の言葉を口にしてる中、マシューだけは何故か浮かない顔をしていた。

多分、考えている事は僕と一緒だろう…。

僕は、マシューに聞く。


「マシュー、もしかして…ラウネさんの事考えてるんだろう?」


「え、まあ…はい。」


実際に聞いたら、やはりその通りだった。

僕達とラウネさんの関係は深い関係になってるからな、気になるのも分かる。

彼女の目的は果たせた訳だし、この後どうするのか…。

奴隷売買が無くなったし、彼女のやってる仕事、"逃がし屋"をやる意味なんてもう無いだろう…。

そうなったら彼女は…?


「確かに。」


「まあ、僕達に関しては残りの半月はバイトをして、更に充実させようかと思ってる。」


「そうか。」


「まあ私達目標の金額はもう超えてますからね。」


リオさんの言う様に資金に関しては今、88万7300ロドあるからね。

残りの期間バイトして稼げば、資金100万はいけるだろう。

それもタイラーさんから貰った60万ロドが影響してる。

これならライべリットを出た後の旅は順風満帆になるだろうな。


「ただ…問題は…その後だな…。」


僕達がテーブルで考え事をしてると、突然ドアをノックする音が。


コンコン


「ん? 誰だ?」


「私が対応します。」


と言って、マシューは訪問者の対応の為、席を外すことに。


すると、玄関先で対応してるマシューが


「ええっ、そうなんですか!? ちょっと待っててください!」


大声を出して何やら驚いてるみたいだ。

すると、急ぎでマシューが僕達の元へ戻ってくる、すると戻ってきたマシューは、興奮した状態でいた。


「ベベベ…ベルさん!! あの…お客さんを中に招き入れても良いでしょうか?」


余程のお客さんなのか、マシューの興奮は相当な物だ。


「まあ、君がそこまで興奮してる訳だからね。 招き入れても良いよ。」


特に断る理由も無い為、僕は招き入れる様に指示を送る。

ミュラもリオさんも、僕と同様に気になるのか2人も特に断る気も無かった。

するとマシュー、それを聞いて大いに喜んでその訪問者を迎えいれる為、再び玄関へ向かう。


「どうぞー!!」


マシューの一言で、訪問者はどうやら中に入ったみたいだ。

徐々に徐々に足音が近づいて、その正体がついに明かされる。


「どうも。」


「あー、なる程ね! そりゃ驚くよマシュー!」


「確かに驚くわこりゃ。」


「でもまさか…来てくれるなんて…。」


その正体に僕達もマシューが驚いた事に納得。

むしろ、僕達の誰かが対(・)応(・)し(・)て(・)も(・)驚(・)く(・)で(・)あ(・)ろ(・)う(・)人(・)物(・)だ。


「そうなんですよ、まさかラ(・)ウ(・)ネ(・)さ(・)ん(・)がここに来てくれるとは!!」


何とラウネさん本人が僕達の貸家にやってきたのだ。

まさかの出来事に…僕達は動揺が隠せない。

何せ、これからどうするのかと話した本人だからね。


「さ、さ、どうぞ。 こちらへ。」


僕は席に立つと、ラウネさんをテーブルの席に座るように誘導する。

ラウネさんが座ると、また改めて皆で歓迎する。

歓迎される側の彼女は、少し恥ずかしそうな顔だった。


「では、改めて…何の御用で来たのでしょうか?」


僕は彼女に対して、直球に聞く。

それを聞いた彼女はしんみりとした顔に変わり…黙り込んでしまう…。

これに対して小声でミュラとリオさんが僕に苦言を呈する…。

やはり…難しい質問だったか…。


「あー…ラウネさん…あの失礼…。」


「実は…!」


お詫びを申し上げる寸前に彼女が言葉を発する。

そして続け様に…


「私、お伝えしたい事が2(・)つ(・)有りまして。」


どうやら僕達に伝えたい事が2つあるみたいだ。

何を伝えたいのか本当に気になる。


「実は、まず1つ目…私、逃がし屋の仕事を辞(・)め(・)る(・)んです。」


1つ目に伝えたのは、彼女の仕事でもある[逃がし屋]を辞める事の様だ。

まあ、これは予想ついてた事だからあまり驚かなかったけど、ただこれで彼女が裏の仕事をしなくて済むと思うとほっとした。

僕達は、「そうなんですか」と一言言って終わらせた。


「次に2つ目何ですが…。」


そして、問題の2つ目…もしかすれば、新しく仕事をする事が出来た報告にでも来たのかと予想していた。

しかし…


「私…実はいつも一人ぼっちで寂しく過ごしてきたので…何か、心から信じあえる仲間と一緒にいたいと思った事が有るんです…。」


いきなりラウネさんは何かつぶやく…。

どういう意味なのかは聞いた当初では意味が分からなかったが…

次の言葉で言いたい意味が分かった。


「私を、仲(・)間(・)に(・)入(・)れ(・)て(・)く(・)れ(・)ま(・)せ(・)ん(・)?」


そう…つまり、ラウネさんは僕達と一(・)緒(・)に(・)旅(・)が(・)し(・)た(・)い(・)との事だ。

これには、全員が驚く…。

まだ出会ってそんなに日が経って無いのにも関わらず、その上彼女の方から申してくるなんて信じられないだろう。

だが実際に、彼女の方から頼み込んで来てる。


「あの…どうなんですか?」


それに対して僕達の答えはもはや一つだった。


「そりゃ…勿論…。」


「「「「大歓迎!!」」」」


断る理由なんて無かった。

むしろ、彼女が居てくれるなら大歓迎だ!!

すると彼女は突然…


「やったあ!! これでボ(・)ク(・)も仲間だぁ!!」


「ん?」


一瞬僕の聞き違いかと思った。

そう彼女の喋り方が突然変わったのだ…。

丁寧な口調から…一気に砕けた口調に…その上、一人称も私からボクへ…。

どうなってるんだ?

しかも彼女、さっきのでヤバいと思ったのか急に顔を赤らめる始末…。


「えーと…ラウネさん…?」


「あ…いや、その…ボ…いや…わた…あぁ、もう!! 正直に話します、実はこう見えて自分の事をボクと言ってしまうんです。」


彼女は、直ぐに修正を図ろうとしたが言いづらそうにし…訳が分からなくなったのかもう吹っ切れたかのように一人称をボクに変えて話し始めた。

どうやらこれが本来の彼女なのだろう。

人前で女性らしい一人称で過ごしたのは、ただ単に恥ずかしいのと、相手に対する配慮とかの為らしい。


「あの…もしですけど、変な感じでしたら…ボクと言うのを止めるように努力します…。」


彼女は僕達に気を使って、一人称を変える努力を試みると言うが…


「いや、逆に直さなくて良いよ、むしろラウネさんの本当の姿を知れたから良かったと思います。」


「まあ、最初はビックリしたけど、でも案外良いんじゃないかな?」


「驚きです…まさか、こんな方とは…でも、私はキライじゃないですね、何か可愛らしくて良いです。」


「無理に直す必要は無いですよ、心を開いてくれた証ですからね。」


思いがけないラウネさんの姿で、驚きはしたが僕を含めて全員好感触の為、無理に直す必要は無いと言った。


「え…あの…そのありがとうございます。」


「じゃあ、改めまして…自己紹介をしますか!!」


僕達は、軽く自己紹介を済ませて、最後はラウネさんの番。


「はい!! ボクは、ラウネ、姓はノランロド!! ノランロド家の令嬢だった人間です。 この度、皆様の所でパーティーの一員として頑張りますのでよろしくお願いします!! えー…得意なスキルは…ボク、調合と遠距離系が得意です!!」


「そうなんだ、調合も得意なのか!!」


「また一段と楽しくなりますね!! ベルさん!!」


「そうだね、リオさん!!」


こうして、僕達のパーティーに[ラウネ・ノランロド]さんが加入した。


まさかのラウネが仲間に!!!

しかも、ラウネが突然一人称を"ボク"と言い始めたのです!!

と言うよりは、彼女の本当の一人称は"ボク"なのです。

まさかのギャップ…皆さんはどんな反応でしょうか…?


そして次回…またもや…?

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