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ゾンビ瓶造さんの隣。

 携帯から異臭がした。これは故障ではなくて瓶造さんからの着信臭である。

「他に会っていた女性とお別れして来ました。これで、本命の朱奈さん一本に絞れます!」

 えええ? これは、これはどう……なんだろう、どうしよう。

 いつの間にか本命になってしまっていた……!

 申し訳なさでいっぱいになった私は、「話があります」と声を落として言った。

 瓶造さんの呼吸から、緊張が伝わる。私は意を決して、ノノヰへの未練がそれこそゾンビのように私に付きまとっていることを告白した。瓶造さんがため息をついた。

「仕方ないですね……それでは」

 振られると思った、しかし。

「これから頑張って朱奈さんをデロデロに……、いや、メロメロにしていくしかありませんね!」

 おおう、めげないゾンビだなぁ。ちょっと感心。


 そうして……、私と瓶造さんは正式に付き合うことになった。

 瓶造さんはゾンビなだけあって異世界の変わった生き物の死体に長けており、それを調理してどんどん私に振る舞ってくれた。それに、私と付き合いだしてからアフロからサラサラ髪に変わったし、死に化粧も上手くなった……と思う。

 さて、今日は一緒に同棲するアパートを探しに行くところ――。

「着いたよ、朱奈さん」

 さぁ、新居候補はどんなところかな?

 見晴らしのいい坂道に立ち並ぶ小さな灰色のたくさんの建物がぽつぽつ……。

「ってここは墓地じゃないですか!」

「アクセスもいいしよく永眠できそうだしいいところだと思うけどなー」

「……」

 私は生きてる。

 やっぱり異世界人って感覚が違うよねぇ……と呆れつつ。笑顔で目玉を零れ落としそうな瓶造さんを見て、ふと思った。

 異世界婚活、色々あったけど――、魔法にかかっていた時ほどの異様な一時の高揚はないれけど……新しい幸せのかけらをゆっくり育てていくことは出来そうだ、と。

後書きに代えて、弁明と言い訳


 この小説は作者の実体験を一部元ネタにしております……。

 よって、魔術師ノノヰ・竜人RUITO・ゾンビ瓶造にはそれぞれモデル男性が存在するわけです。

 魔術師のモデルの男性との間には、本当に事実は小説より奇なりな大事件が発生しまして……、本当に既婚者疑惑の時には寿命の縮む思いをしたし振られた時には病んだ……。

 このある意味傍目から見れば面白いだろう体験を、振られてしまった時病みながらどう生かすか? と思ったのが、この小説を書こうと思ったモチベーションなのです。(あと当時長文タイトルを書いてみたかったというのもあって、こんな恨み全開なタイトルを思いつきました。)

 また、魔術師モデルの男性のことは、彼氏としてよりも、自分にとって最も面白いキャラクターを人生から失ってしまったというショックが大きかったので、小説のキャラとして作り変えたかったのです。だからバランス的に振られるにも関わらず尺を取ってしまったし読み直すのも気が乗らないので文章的にごちゃついている、ってことです……。

 竜人のモデル男性に関してはストーリー上の都合で終わり方などを多少改変しましたが、今は良い女性を見つけていることを祈っています。

 そして、ゾンビのモデルに関して――。

 彼のモデル男性とは結婚しました……。つまり旦那です……。

 なろう小説も時々読んでいるらしい彼に、もしこの小説が発見された時に備えまして、

……ゾンビ扱いしてすいませんでした! いやでも出会った頃の年齢差があってピンと来なかった感じ、をゾンビとして置き換えただけなので……今は好きなので……あとエピソードをしっかり書くとリアルに繋がってしまって恥ずかしいので……、結構実際とはかけ離れたゾンビになってしまったことを逆にお詫びします。

 最後に、リアルの婚活~結婚を見守ってくれた方々、ネットであれこれ愚痴を受け止めてくれた方々、そしてこの小説を読んでくれた皆様、ありがとうございました!

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