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土地神ライフ  作者: KUMA
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第54話 ヒノモト村奪還作戦開始


 皆さんお久しぶりです、マコトです。

 現在私は神社にて結界の修復と強化を(おこな)っています、元・土地神さんから襲撃を受けましたからね……結果から言えばヒノモト村は物の怪にほぼ占領されてしまいました。

 シロとクロ、八頭さん、スサノさん、璃狐さん、枯狸さん、シズクさん……彼女たちの助けもあって村人は神社へ避難させる事が出来ましたが、安否は不明です。

 一緒に逃げてきたクロが偵察に行ってくれてますので、今は待つことしかできないのですよ。


「クロ、大丈夫かな? 」

『何度も言うが今は待つしかない、クロを信じろ』

「華ちゃん……」

『それと少し休め、お前が倒れたら誰が村人を守るんだ? 』


 華ちゃんがいるととても心強い、クロが偵察に行ってからずっとソワソワと落ち着かない私へ喝を入れてくれたんですよ。”自分のやるべき事をやれ”ってね、それから周囲に結界を張ったり、境内の見回りをしながらクロの帰りを待っていました……気づけば休憩の事もすっかり忘れていましたね。


 一旦家に戻ってお茶を飲むとしましょう。


「マコト様、ただいま戻りました! 」

「クロ!? 良かった……怪我とかしてない? 」

「大丈夫です、それよりもヒノモト村の現状をお伝えしたいのですが……」

「あ、そうですね。村の人達に聞かせる訳にもいかないから家で話しましょう」


             ※※※


 クロを家に入れてまずは互いにお茶を一杯……落ち着いたところで村の現状を聞きました。

 神社を除いてほぼ全ての区域が占領されてしまったようです、村人たちの住む長屋集合地、神使の宿などの多くの店が並ぶ商売通り、新規開拓予定だった廃れた武家屋敷、全て物の怪達の手に落ちてしまいました。

 村に残って戦っていた彼女たちも瘴気によって本来の力を発揮できず、物の怪達に捕まっている……華ちゃんが言うには私を誘い出すための餌だそうです。


「う~ん……状況が良くないですね」

「助け出すとすればまずは一番瘴気の薄い場所から……氷山シズクからですね、僕たちの宿に捕らえられてるのを見つけました」

「周りの警備は? 」

「餓鬼が数体とその上位個体が1体です、しかし瘴気の中で動こうとするのであれば必ず障害が伴います」


 クロの言う障害と言うのは身体が重くなることを言っています、以前体験したのですが両手首、足首辺りに重りを着けて動き回る様な感覚でした。瘴気が濃くなるほどその障害は重く、辛いモノになっていくそうです。動きの制限だけでなく、視覚、聴覚などにも影響が出てきます……厄介ですね。


「単体ならなんとかなるのですが、数が多いとなると僕だけでは……」

『しかしマコトも俺も此処を離れる訳にはいかん、クソッ、人手が足りなすぎる』

「……私が行きます」

「は? 」『は? 』

「私なら瘴気を中和しながら戦えます、クロと華ちゃんで神社を守ってください」


 この反応に二人は猛反対、でもこの条件下でまともに動けるのって私しかいないんだもん。クロは瘴気の中和ができなくて影響を直に受けるし、華ちゃんは単体では戦えない、そして奪われたら更に不利になる。

 私は瘴気の治療を行っている過程でいつの間にか耐性みたいのも付いちゃいましたし、瘴気の影響もあまり受けない。蓄積してきたら隠れて中和すれば何とかなる……役立てるなら今しかないと思うんです。

 

 説得の結果、華ちゃんの分霊を宿し、危険を感じたら強制退避する事を条件にシズクさんの救出に向かう事を許してくれました。


「では行ってきますね」

『良いか? 絶対に無茶をするんじゃないぞ! 』

「マコト様、どうかお気をつけて……! 」


             ※※※


 さてさて、茂みや物陰に隠れながらなんとか目的地に到着しました。不意打ちと言うのはなんとも心苦しい戦い方なんですが、今はそんな事を言ってる場合ではありません。一体ずつ、確実に倒していきましょう。


「む……」


『腹減ッタ……』

『ギャギャ、喰ウ、喰ッチマオウ! 』

『コッソリ喰ウ! ギャギャギャ! 』


 クロの情報通り、此処には餓鬼と言う物の怪が多いですね。結構な頻度で出現しますが、私が初めて戦ったのは神社に降りたあの時だったかな……陽光さんから落とされて、物の怪の真上に着地したんだっけ、懐かしいなぁ。


 おっと、今はそんな事を振り返っている時ではないですね。

 それにしても……”喰う”と言ってましたね、まさかシズクさんを? でもクロ達の宿屋はまだ先ですし、もしかしたら逃げ遅れた人がいるのかもしれません、後を追ってみましょう。


 物の怪達はある建物の前で立ち止まりました、何処かのお店の倉庫……かな?


『ギャッ! 喰ウ! 』

『喰ウ! 飯ダ! オ前見張ッテロ! 』

『ヤダ! 俺喰ウ、オ前ヤレ! 』


 おや、喧嘩が始まりましたね。

 運が良い事に私の存在には気づいていないようですし、まとめて片付けちゃいましょう。

 使うお札は四枚、張り付けると一瞬で燃える【火の札】三枚と周囲に結界を張る【結界の札】一枚です。


「行きますよ……てぇい! 」


 飛び出してお札を投げる……火の札はそれぞれ物の怪に向かって真っすぐ飛んでいき、無事貼り付ける事が出来ました。そして結界の札は三体の中央付近の地面へ貼り付きました……失敗じゃないですよ? これで良いんです。


 少し離れてお札を起動させると、物の怪達の身体は一瞬で燃え上がりました。まぁ火を消そうと暴れますよね、そこで結界の札の効果が発揮されます。その場から動こうとしていますが、視えない壁に阻まれて動けないようですね……フフフ、結界は物の怪の侵入を阻むものなんです。外からも内からも、ね。


「よし! 上手くいきました! 」


 私の予想通り、物の怪達は結界の外に出る事も出来ないようです。範囲もギリギリにしてますからね、火の勢いは更に激しくなり、そして物の怪の身体を焼きつくしてしまいました。

 周囲の安全を確認した後、倉庫に入りました。そこには忍者親子が……えっと久しぶりの登場ですので、軽く説明しましょう。大分前に村の調査に来た忍者親子のお母さんとその息子の風丸君です、お話で言うと30話あたりで登場してたかな? ……コホン、色々あってヒノモト村に移住し、万事屋【鈍輝訪手(どんきほうて)】を経営しています。


「風丸大丈夫だ、母が守ってやるからな! 」

「うぅ……あ、マコトさまだ! 」

「来るなら来い物の怪――え? ま、マコト様?! 」

「どもです、無事でよかった……怪我はしてませんか? 」


 事情を聴いたところ、うん、見事に逃げ遅れたようです。物の怪の襲撃があったのは知っていたみたいですが、倉庫整理の途中に扉が閉まってしまい、出られなくなったと……そんなに重いのかな、この扉? あ、試しに片方だけ閉めてみましたが、内側からだとビクともしない。


「泥棒対策の仕掛けですか? 」

「は、はいぃ……何者かから閉められてしまって、閉じ込められたんです! 」 

「ん? 何者か、ですか? 」

「僕見たよ、閉まる直前だったけど……隙間から白い羽織みたいなのが見えた」


 白い羽織? まさかシロが……でも目の前で捕まってたし、それは無いか。

 話を聞きたいのは山々ですが、まずは避難してもらいましょう。この【姿消しの札】を貼っておけば大丈夫。札の効果を説明した後、安全な道を教え、神社まで行くように指示を出しました。


 私はシズクさんの救出作戦を続行します、あまり時間を掛けてると本当に食べられちゃいますからね。

あっという間に6月になってしまいました、某ウイルスの騒ぎも落ち着きつつありますが、まだ油断するべきではないかなァ……と思っています。

ど~も、KUMAです。


タイトルの通り、今回から奪還作戦が始まります。

まさかの大将自らの出撃に猛反対の刀霊と神使……まぁそうだよね、私もそこに居合わせたら反対します。

とは言っても、状況的に障害をほぼ無効化するのはマコトしかいないのも事実、彼女が行くしかなかったんです。

そしてやはりいました、逃げ遅れた村人。一度だけしか登場してない忍者親子、白い羽織を着た誰かに閉じ込められたと言っていましたが、まぁこれは話が進めば解明されるでしょう。


さてさて、短いですが今回はこれ位にしましょう。

また次の機会に……ではでは~

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