表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/177

階層主(フロアボス)2―1

不定期中です。


なぜだ!なぜ【戦いたい!!】を投稿しているのにこっちの方がブクマが増えているんだ!

全然嬉しいです有難うございます!


それでは、どうぞ!


そこには赤い、強靭な鱗を持ち、力強く空を飛ぶための翼を持ち、火を吹く─


「さすがにコレは【理不尽】極まりねェだろ」


ソレは、天空の覇者とも呼ばれ、怒りの象徴ともされ、知らぬ者などいない──


「──『解析』」


------------------------------------------------------------

なし Lv102 Age 2538

種族:炎竜フレイムドラゴン[魔物]


------------------------------------------------------------



──竜であった。



「Lv100超えとか始めて見たぞ…」


(硬い鱗で全身が覆われて──いや、腹に鱗はねェがぶ厚い皮膚があるのか。喉元に逆鱗があって、その奥に魔力を変換するための器官があるのか)


『解析』という技能スキルは本来、『ステータス』を見るという技能スキルではない。

対象の特徴などを『解析』することによって『ステータス』がわかるというだけなのである。


だからこそ、零刀は『ステータス』よりも炎竜フレイムドラゴンの特徴や弱点などを『解析』していく。


「グオオォォ!」


すると、観察するかのような視線に腹が立ったのか、炎竜フレイムドラゴンが炎の吐息ブレスを吐いた。


零刀は『解析』している中で、喉元の器官に魔力が集中してきているのに気がついていたので【土壁ウォール】で防ごうとするが


「ウソだろ!?」


炎竜フレイムドラゴンの吐いた吐息ブレスが【土壁ウォール】を溶かし始めた。


「クッ、マズっ───」


辺りを覆う炎が消えた時には、溶けた【土壁ウォール】の残骸のみしか残っていなかった。



「グルァア!?」



が、突然炎竜フレイムドラゴンは飛び立った。


炎竜フレイムドラゴンが先ほどまでいた場所には


「チッ!気づかれたか」


【黒炎】を纏った剣を振り切った体勢の零刀の姿があった。


零刀は【土壁ウォール】が溶かされる寸前、【落とし穴ピットフォール】を使って地中に回避していたのだ。


そしてそのまま『錬成』で地面を掘り進めて炎竜フレイムドラゴンの真下から出てきたというわけだ。


「ッ!かすっただけでコレかよ…」


零刀は左腕は炭化し、ところどころ火傷もしている。


(炭化してはいるが『生体魔素』として残っているから修復は容易にできるな。ったく、これだけのダメージのわりに合わねェが、まあ──)


「グルルウゥゥ!」


炎竜フレイムドラゴンの腹から血が噴き出し、零刀を赤く染める。


口の周りに付いていた血を舐め取り、ニタリと口角を上げて


「まずは、一撃ってなァ」


と言った。


「だがまァ、そこまで深くはいかなかったか。しかもこの感じ、『再生系統』の『技能スキル』持ちかよ」


傷口を見ると、徐々にではあるが治っていくのがわかる。


「『黒き炎は刃を成し、我が敵を切り裂くが為に天を駆ける』【破黒飛炎斬】!」


黒炎の刃を飛ばすが、普通に躱され、そのまま【火球】を放ってくる。


「…まァ、躱せるよな。アッチの攻撃は届くクセにコッチの攻撃は当たンねェ……めんどくせェなァ」


迫り来る【火球】を『瞬動』も使いながら躱していく。


(このままだとヤベェかもな…向こうの魔力切れでも狙うか?……いや、たぶんコッチが先に尽きるな。かと言って攻撃が当たるわけでもねェしな──っと、『解析』が終わったか。血を取り込んだから『解析』の効率はだいぶ良くなってるハズなんだがな…)


「『ステータス』の解析結界を開示」



------------------------------------------------------------

なし Lv102 Age 2538

種族:炎竜フレイムドラゴン[魔物]

称号 炎の支配者

体力 50000/50000

魔力量 46000/48000

魔力 32000

筋力 60000

敏捷 10000

耐性 50000

魔耐性 12000


固有技能ユニークスキル〉:炎熱耐性 炎支配 竜鱗


技能スキル〉:火属性魔法Lv10 自己修復Lv3


------------------------------------------------------------



そこには明確なまでに、それこそ【理不尽】と言える差があった。


(クソッ!どうすればいい!?)


零刀が『瞬動』を使えば地面を【火球】が溶かす。


(相手の攻撃は当たりどころが悪けりゃ一撃死も有り得る)


なかなか当たらないことに不満を持った炎竜フレイムドラゴンは自ら接近し、至近距離で炎の吐息ブレスを放つ。


それを『瞬動』で前に出ることで躱す。


「【破黒炎纏】!ハッ!」


黒剣で斬りつけるが金属同士をぶつけたような音をだして弾かれる。


ビキリ、という音とともに鱗にヒビが入った。


(それどころかコッチの攻撃は鱗一枚にヒビを入れるので精一杯──)


すれ違いざまに炎竜フレイムドラゴンの尾に薙ぎ払われ、吹き飛ばされる。


(──どう、すれば──、っ!マズイ!)


炎竜フレイムドラゴンは鱗を砕かれたことに怒り、零刀が今まで見たことが無いレベルの魔力を喉元に集め【火属性】に変換していく。


それは炎竜フレイムドラゴンの全力での攻撃である。


「『我が眼前にあるは護るべきものを護るための、脅かすものを否定する堅牢なる壁』、『錬成』【堅牢なる城壁フォートレス】」


零刀の目の前に巨大な、それこそ【城壁】のような壁が現れる。


しかし、炎竜フレイムドラゴンの全力での吐息ブレスを防げるかと言われれば


(まだ、たりねェ!なら──)


再び、紡ぐ。


「『我が眼前の城壁は土色でもなく、鈍色や銀色の輝きを放つわけでもない。それはただただ、黒の耀きを放っていた』──『変異』【黒耀石オブシディアン】──」


「グオオオオ!」


炎竜フレイムドラゴンが炎の吐息ブレスを放つと同時に


「──『変異錬成』!【黒耀の城壁オブシディアン・フォートレス】!!」


城壁が黒い輝きを放つ。


それと同時に、炎竜フレイムドラゴン吐息ブレスがぶつかる。


(コレなら大丈夫だな。黒耀石に『変異』できるかは不安だったが……案外上手く行くもんだな。黒耀石を『解析』しておいて良かったぜ)


黒耀石の城壁は吐息ブレスの魔力を【吸収】し、自らを強化している。


それはまるで──


「──俺みたいだって思わねェか?」


そんなことを言って口角を上げる。


(まあ、防御はこれでいいが、攻撃がなァ……ちまちまやったところで回復されるし、何より魔力が持たねェだろうしなァ)


そして左手を持ち上げ──


「仕方ねェ、不確定要素が多すぎるが、死ぬよりは、何より【理不尽】に屈するよりはマシだ」


──左眼の眼帯を取り払った。



「さァて【理不尽】、文字通り死力を尽くしてテメェを【否定】してやる」



紅と紫の瞳が獰猛な耀きを放った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【『ハズレ』と言われた生産職でも戦いたい!!】
並行して書いているものです。

【ココロミタシテ】
何となくで書いた詩です。
これらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ