その日は突然やってきた
2001年1月3日,運命の歯車が狂った。
「お母さん!お母さん!」
一人の男の子が泣き叫ぶ。
「お母さん,生き返るよね?」
もう一人,女の子が父に問う。
父は無言で首を横に振った。そう,私の母は亡くなった。突然の出来事だった。
「子ども2人を残して先に逝くなんてあんまりだよ。」
由利おばさんが泣きながら弟である父に言った。
ここは病院の待合室。どれほどの時間が経ったのか分からないが,母は家に帰り白い布団の中で眠っていた。顔に白い布を被せたまま…
父と母の親戚が集まる。大勢の大人の中に小学5年と小学2年の兄妹がいた。
「みどりちゃん,大丈夫?」
「う,うん。」
友香おばさんに話しかけられた私はとっさにそう答えた。
「慎ちゃんは無理そうだけどね。」
兄の慎太郎は突然の母の死でぐったりしており,大人たちが看病している。
翌日,通夜が行われた。兄と私のクラスメイトとその保護者全員が弔問に訪れた。大人達はみんな黒い服を着ている。クラスメイト達は暗い色の私服を着ている。
通夜が終わると私は葬儀屋の女性とお線香の話をした。
「この大きいお線香は何時間持つの?」
「大きいのは2時間半!」
「すごーい!これなら少しの間寝ていられるね!」
亡くなった人を火葬するまではお線香を切らせてはいけないと大人達から教わったので,私から話を切り出した。母親を失って間もないというのに楽しく話せている。変な奴だ。
そして告別式を行い,母は火葬された。ピンクのワンピースを着て分厚く白い布を頭に被っている。それが母の最期の姿となった。
その後,父が1人で家に残り私と兄は父の姉である由利おばさんの家へ居候することが決まった。




