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ワールドリファイン  作者: 春ノ嶺
そのセイギは誰が為に?
27/106

3-9

思いっきり助走をつけてドアを蹴り壊す、吹っ飛んだ先で何かにぶつかり、減速して綺麗に壁へ立てかかった


余った勢いで廊下に踊り出て敵を目視、左に2人、右に1人。MG36のトリガー引きっぱなしで回転行動を行い強引に黙らせて、最後にドアへ何発か発砲、裏から大量の血


「ハイダーに切り換えて!サプレッサーは貴重品だから!」


ルカへ言いながら次を索敵する、左の階段から騒音が聞こえてきたのでそっちに向かって牽制した。遮蔽物がない、出てこられたらまずい状態になる


「よし行こう!」


ルカが明梨を連れて出てきた。総書記の気配は無い、呻いているのか気絶したのかは知らないが


脱出行動開始、まずフラググレネードを取り出して階段に投げ入れる


『ヒナからシグへ。敵部隊を発見、私の位置から北東に300メートル、大通りの信号のあたり』


『了解、砲撃開始』


一瞬悲鳴がしたがすぐ爆発でかき消えた、そっちとは反対側の階段に走って、全力で地上目掛け駆け降りる。敵の排除をサボってしまったためか一階毎に妨害を受けるも出会い頭に瞬殺、2階に達するまで足が止まる事はなかった。問題はここからだ、広場が酷い事になっている


「この増援はどこから!?」


『早かったわとにかく早かった!何人か階段に向かってく!防御体勢!』


廊下に遮蔽物無し、ルカが明梨を手近な部屋に押し込める。観葉植物のそばでうつ伏せになって、まず飛び出してきた1人にルカがフラッシュライトを照射、流れるように蜂の巣にした、そうすると後続はビビってしまって、適度に牽制するだけで抑え込む事に成功


「ネアちゃん達の位置と敵人数は?」


『ネアは玄関で暴れてる、正宗はここからじゃ見えないけど近くにはいるはず。人数は…少なくとも10』


これ以上面倒な事になる前に最低限合流はしなければならない、少々厳しいが仕掛けるなら今すぐ


『いける?』


「いくよ、10秒。下の2人にも伝えて」


窓を開けて下を確認、敵兵2人が花壇に隠れて射撃中。ルカに目配せしてこれからやる事を伝える、頷き、フラググレネードのピンを抜いた


「5、4、3…」


ルカがグレネードを階下に落とし


「2、1、しゃぁぁぁぁぁぁッ!!」


窓から飛んだ


落下を開始する前にMG36を真下に向け花壇にいた2人へ掃射を見舞う、片付けたのち縦に半回転、1階の窓に向かってドラムマガジンの中身すべてを放出した。いくつか血の花が咲いて、階段付近でグレネードが爆発、もう半回転して花壇の影に着地する


建物左側を完全に制圧、右側といえば、ネアが発射したらしき40ミリグレネードが爆発した所。そこからはまったくシンプルに、飛び出したネアと正宗が敵兵全員の頭を1発も外さず撃ち抜いた


『地上階制圧を確認!ヒナ、狙撃支援!』


ラファールが言い、ルカが正面玄関から飛び出してくる。まだ終わりではない、広場にも敵がいる。とりあえず後顧の憂いは断とう、そう思ってリモートスイッチをギュッと握り


爆発、建物1階がまるごと吹っ飛んだ


「これで後ろは気にしなくていいよね!」


「個人的には…あと2秒待って欲しかったかな…」


爆風に煽られつつルカと明梨も遮蔽物まで到着、急ぎ突破にかかる


『シグ!合図したらあたり一帯にありったけぶち込んで!どさくさに紛れて逃げる!』


『デンジャークロスだぞ、いいのか?』


MG36のマガジンを交換、制圧射撃を始める。正宗も建物内から出てきて花壇に張り付いた


「ネアちゃんは!?」


「個人的に思う事があるそうだ、あの人外なら放っておいても大丈夫だろう」


言ってすぐ飛び出し敵兵を片っ端から撃ち抜いていく、正宗を狙ってきたのはヒナが狙撃。問題ない、ルカが明梨を前進させる



『あ、まずい、装甲車きた』


と、ヒナがぽつりと呟いた


『走れーーーッ!!』


けたたましいエンジン音を立ててBTRが出現、重機関銃に火を噴かせ始める。隠れても無駄だ、レンガなんか粉々にしてしまう


『シグ!』


『いいのか!?やるぞ!?やっちまうぞ!?』


弾ける石材に追われながらとにかく疾走、やがて空でヒュルルルと砲弾が鳴き


『対ショック防御!!』



視界が炎で埋め尽くされた























「づ…くそ…!」


砲撃継続時間約1分、撃ち込んだ数は15、そのすべてが寸分違わず本庁舎敷地内に着弾している。広場中央では大破したBTRがくすぶっており、朝鮮兵が地獄を見ている間に部隊は撤退、影も形もなくなった。まぁ、ここに1人残っている訳だが


「奴らふざけた真似を…!づぅ…!」


風通しの良くなった部屋に豚1匹、G36Cをその場に落としてゆっくり歩み寄る。ガシャンという落下音でこちらの存在にようやく気付き、短く小さな悲鳴を上げた


「おま…お前らは!成すべき事など何一つ無いだろう!私にはある!金を貰って人殺しを請け負うお前らとは違う!」


負傷したらしき右足を引きずって後ずさり、すぐに壁にぶつかった。あと3メートル


「私は正義だ!あの腐りきった資本主義のクズどもを地球上から一掃し!私の手で新たな秩序を創り上げる!僅かな犠牲などに構っていられるか!」


1メートル。怯えきった表情を見て逆に引きつった笑みを浮かべ


「クズどもをすべて握り潰し!私がすべてを…が…!!」



お望み通り握り潰してやろうと思った


肥えた太い首を右手で掴み持ち上げる、頭ひとつ分ほど浮き上がって、醜い呻き声を出し始めた



「オマエの言うセイギとは何だ?いったい何次元の話をしてる?」


「ッ…!がぁ…ぎ…!!」


ギリギリと首が鳴る毎にひどい表情が更にひどくなっていく。それがまたおかしくて、もっとひどくしようと力を強め


「妄想をさらけ出すのが使命?死人を無視して自分だけ肥え太るのが秩序?見事なお気楽脳だな、小学生を見ている気分だ」


やがて硬いものが割れる音が混じり出す


「その作文がオマエのすべてか?笑わせるな、そんなくだらないモノがオマエの正義だと言うのなら」


最後に、全力で握り締めて


「一生地獄で、喚いていろ…!」



ゴキリと


それ以降、その豚はまったく動かなくなった



「……」


手を離して捨てる。やりたい事は済んだ、G36Cを拾い、切っていた通信機の電源を入れ直して周波数を調整



『…ア……ネア!もう全員脱出地点に集合してる!聞こえてるなら合流して!』


「はいはーい!今すぐ向かいますよー!」

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