13-5
シオンが超笑顔で去っていく
「やあ」
「え、あ、うん」
とりあえずシオンの誤解は後で解かねばなるまい。わざわざ車で迎えに来させ、何かと思えば遊園地に行けと言われ、行ってみれば現地でルカが何をするでなく突っ立っていたが、待ち合わせしていた訳では決してないと
「……ストレス発散?」
確かに女子が遊園地に現れる理由なんぞそれかデートだけだろう。だがルカよ、ぼっちでジェットコースターに乗りに来るクソ度胸なんて大和撫子は持ち合わせていない
「うーん…遊びに来たんじゃなくて…かといって他に用があった訳でもなく……」
オレンジに行けと言われたからと説明する訳にもいかず、こうなる事を恐らく予想していただろうクソアマを心の中で呪う。しどろもどろになっていると、ふむとルカは一人で納得し、体を反転させつつ遊園地入口を指差した
「入ろうか」
「えっ」
唖然としている間にルカはチケット売り場に向かってしまった。いや別段アトラクションで遊びたい衝動は無いものの、断ったとしてもこの後やりたい事も無い。なんて葛藤していたらチケットが差し出された、退路は断たれた
「日本に帰ったら札束と戦う日々が始まるから、遊べる時に遊ぶのがいい」
忘れていたかった事を
「それが嫌ならこんな感じになるしかない」
まさかの自虐ネタ
「まぁある程度は協力できるから、君がよければ連絡してくれれば」
「あっ…大いに頼らせて頂きます」
元世界一の資産家の助言となれば歯向かう者はいなかろう、というか歯向かってくれそうな人間が脱兎の如く戦争から逃げ出そうとした末に揃って全滅しなければこんな青二才が出しゃばる必要も無かったのだが
「とりあえず遊ぼう」
「う、うん……遊園地ってよく行ってたの?」
「人生初と言ってもいい」
転んだ




