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人間ってめんどくさい  作者: 季波


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10/20

第9話「秘密会議、開始。」

イチゴが口を開く。

『最近の人間たちはどう?』

『何か変わったことはあったかしら?』



二郎は小さく息をついた。

『じゃあ』

『まずは俺からだ』

『千紘は、SNSで見つけた流行り物にすぐハマる。何かに夢中になると止まらないんだ』



『そして、最初はスクイーズだ』

『毎日むにむにしていたと思えば』 『次はスライム』

『最終的には、自分で作り始めたし』



『気持ちよさそうだったから、俺も少し触ってみた』

『そしたら――』

『「こらぁー!」って怒られた』

『納得いかない』

『俺だって触りたかっただけなのに』



イチゴが笑う。

『ふふふっ』

『それは怒られるわ』



『人間って、喜怒哀楽が激しい』

『しかも最近は毎晩、俺を抱き枕みたいに使ってくる』

『重いって言ってるのに、離してくれない』

『俺は抱き枕じゃないのに……』

『でも、離れると探されるから、結局戻るんだ』



『千紘らしいでちゅ』

『甘えん坊さんでちゅ』



今度はイチゴが話し出した。

『次は私ね』

『理人は、マカロンに取り憑かれてたの』

『失敗しては作って、失敗しては作って……』

『気づけば、キッチンがマカロンだらけだったわ』


『料理だって、こだわり過ぎて、夕ご飯が翌朝になることもあるわ』

『効率悪すぎるのよ』



最後に三郎が口を開いた。

『次は僕でちゅ!』

『楽は「あれ、なんだっけ?」が多いでちゅ』



『僕に聞けば一秒で調べられるのに、「自分で思い出したい」って言うでちゅ』


『八時間後くらいに「あっ、思い出した!」って笑ってたでちゅ』


『「時間を無駄にしただけだから問題ない」って開き直るでちゅ』

『一秒で終わる話だったでちゅ』



『それから、昆虫図鑑や虫の動画をいっぱい見せてくるでちゅ』

『「虫も自然の役に立ってるんだぞ」って、何回も説明してくるでちゅ』

『そんなこと知ってるでちゅ』

『でも苦手なものは苦手でちゅ!』



『でも、最近はなで方が優しくなったでちゅ』

『……だから許してあげるでちゅ』



三匹の笑い声が重なった。



『人間って、本当にめんどくさいことが好きよね』



『そうだな』

『……いや、あいつらが変わってるだけかもしれない』



『そうでちゅ』

『変な人間たちでちゅ』



少しの沈黙。



『……でも』


『最近は、人間たちも少し優しくなったわね』



『俺もそう思う』



『僕もでちゅ』



人間たちの知らない夜は、今日も静かに続いていく。



その時。



「あれ? 二郎? どこ?」

千紘が目を覚まし、いつも隣にいる二郎を探し始めた。



『やばい、起きてきた』

『二人とも、またな』



『わかったわ』



『またでちゅ』



三匹は慌てて通信を切った。

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