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第13話「王都襲撃」

第13話を読んでいただき、ありがとうございます。


前回、レインは五百年前に世界を救った英雄レオン・アルディスとのつながりを知り、自分の一族に隠された秘密へと近づき始めました。しかし、その直後、黒紋教団がついに王都アストリアへ姿を現します。


今回は、これまで影の中で動いていた黒紋教団との戦いが、ついに本格的に始まります。平和だった王都は戦場へと変わり、レインもまた、自分の意思で剣を握ることになります。


まだ戦う力も経験もないレインが、それでも誰かを守るために立ち上がる姿に注目していただければと思います。


そして、再び動き始める魔剣グラディウス。その存在が、この戦いにどのような意味を持つのか。


それでは、第13話「王都襲撃」をお楽しみください。



王都アストリアに、鐘の音が鳴り響いた。


ゴォーン。


ゴォーン。


普段なら時刻を知らせるだけの鐘。


しかし今、この鐘は王都全域に危機を知らせる警報となっていた。


「敵襲!王都南門が襲撃されています!」


兵士の叫び声が王城へ響く。


直後、遠くから爆発音が轟いた。


ドォォォン!!


窓ガラスが震える。


レインは窓から王都を見下ろした。


街のあちこちから黒い煙が上がっている。


「こんな……。」


つい数時間前まで、多くの人々が笑いながら歩いていた大通り。


その場所が、今は逃げ惑う人々で埋め尽くされている。


「黒紋教団が動きました。」


セレナは剣を抜く。


「王都全域に部隊を展開しているようです。」


国王は騎士たちへ命令を下した。


「市民の避難を最優先にせよ!」


「王城への侵入は何としても防ぐのだ!」


「はっ!」


騎士たちが一斉に走り出す。


レインも後を追おうとした。


しかし、セレナが腕をつかむ。


「レインはここにいてください。」


「でも……。」


「あなたを狙っている敵がいます。」


「だからこそ、あなたを危険な場所へ行かせるわけにはいきません。」


レインは窓の外を見る。


遠くで小さな子どもが泣いている。


母親がその子を抱きかかえ、必死に逃げている。


「……僕だけここにいるなんてできません。」


「何?」


「僕を狙っているなら、僕がここにいることで誰かが傷つくかもしれない。」


レインは腰の剣へ手を伸ばした。


「だったら僕も戦います。」


セレナは黙ってレインを見つめる。


「あなたは戦ったことがありません。」


「分かっています。」


「死ぬかもしれません。」


レインの手が震える。


それでも、剣を離さなかった。


「……それでも。」


「守りたいんです。」


その言葉を聞いたセレナは、しばらく黙った。


そして小さく息を吐く。


「分かりました。」


セレナはレインに向かって剣を差し出した。


「ならば、私のそばを離れないでください。」


「はい!」


二人は王城を飛び出した。


大通りでは、黒いローブをまとった教団員たちが兵士と戦っていた。


「王都を炎に包め!」


「アルディスの末裔を探せ!」


黒紋教団の声が響く。


レインは剣を握りしめる。


初めて見る本物の戦場。


怖い。


足が震える。


それでも逃げなかった。


一人の教団員がレインへ向かって飛びかかる。


「見つけた!」


「レイン!」


セレナが間に入る。


キィン!


剣と剣がぶつかる。


セレナは一撃で相手を吹き飛ばした。


「まだです!」


別の教団員が背後から迫る。


レインは振り返った。


その瞬間、胸元の銀色の首飾りが輝く。


敵の動きが、まるで遅くなったように見えた。


「……見える。」


レインは体をひねり、攻撃をかわした。


そして無意識に剣を振る。


ガキィン!


教団員の剣が弾き飛ばされた。


「なっ……!」


レイン自身も驚いていた。


「今のは……僕が?」


セレナが目を見開く。


「あなた……。」


その時、街の奥から巨大な魔力の爆発が起きた。


空が黒く染まる。


王城の上空に、巨大な魔法陣が浮かび上がった。


老魔導士が叫ぶ。


「まずい!」


「あれは王都結界を破壊する魔法です!」


セレナの表情が変わる。


「レイン、ここから離れます!」


しかしレインは魔法陣を見つめていた。


胸の奥に、またあの声が響く。


「目覚めろ。」


「アルディスの血よ。」


レインの瞳が一瞬だけ銀色に輝いた。


そして、王都地下深く。


第11話で封印されたはずの魔剣グラディウスが、再び震え始めた。


その刃に、一本の亀裂が走る。


パキッ。


そして魔剣の奥から、低い声が響いた。


「戦争の時間だ。」


王都アストリアの空に、黒い雷が落ちる。


第一章最大の戦いが、今始まった。

第13話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


今回は、ついに黒紋教団が王都を襲撃し、物語が本格的な戦闘へ突入しました。


これまでレインは、自分の力や出生について何も知らないまま旅を続けてきました。しかし今回、初めて自分の意思で剣を握り、誰かを守るために戦うことを選びました。


そして、戦いの中でレインの首飾りが光り、本人も知らない力が少しずつ目覚め始めています。


さらに、封印されたはずの魔剣グラディウスまで再び動き始めました。黒紋教団、アルディス家、魔剣、そして五百年前の英雄戦争。これまで別々に見えていた謎が、少しずつ一つの物語へとつながり始めています。


次回、第14話では王都での戦いがさらに激しくなります。黒紋教団の目的も少しずつ明らかになり、レインたちは想像を超える強敵と対峙することになります。


そして、レインの中に眠る力が、再び大きく動き始めます。


ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。


第一章は、ここからさらに大きく動いていきます。


それでは、第14話でお会いしましょう。

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