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第96話 報告

 例の号外から数日。

 あれからの日の進み方は異様なほど早かった。

 私のダフネ様への熱が領民にも伝わったのか、ただ単に領民に祭り好きが多いのか。

 真偽のほどは定かではないが、どちらにせよ急遽決まった祭りの準備はあっという間に整った。

 ……その分、様々な申請の書類が山のように来たが。


 だが、それも推し活の一つだと思えば、もはや何の苦痛でもなかった!

 しかも、その勢いに乗って、今まで以上のスピードで仕事を進められた!!


 ……それはいいのだが。


「なあ、オリーブ。……本当に言っているのか?」

「ええ、本当です。残念ながら」


 オリーブの言葉に、今一度ため息を吐く。


「さて、どうしたものか……」


 オリーブの報告によると、ここ二、三日、領地周辺で魔物の目撃情報が出ているのだそうだ。

 こんなこと、滅多にない。

 我が領地は、私の魔力の影響か、立地のおかげか、魔物が近寄ってこない。

 それなのに、わざわざ魔物が現れるとは。

 ……少し、興味深いな。


「よし、わかった。私が直々に魔物狩りをしよう」

「本気ですか!?」

「ああ。最近、実験もできなかったからな。ちょっとした肩慣らしみたいなものだ」

「き、危険ですよ。素人が魔物の相手だなんて……」


「誰に物を言っているんだ?」


 頬杖を突きながら、極めて(・・・)優しい口調で問う。


「し、失礼いたしました。エリヌス様には不要な心配でしたね」

「構わん」


 おっと、うっかり魔力があふれ出ていたみたいだな。

 失敬、失敬。


「……で。実際のところ、魔物ってどの程度の強さなんだ?」

「わたくしの経験上だと、本当にピンからキリまでとしか言えませんね」

「そうか」

「ですが、どんな相手でも、エリヌス様以上に強いとは思えませんね」

「……そうか」


 まあ、正直言って、私以上に強い相手というのも想像できなかったのだが。

 そんな奴らが闊歩しているような世界だったら、とっくの昔に人類は滅んでいる。


「となると、どうやって魔物をおびき寄せるかが鍵になってくるな」

「そうですね……。……動物の生き血を使う、なんてのもできるとは思いますよ」

「なるほど」


 黒魔術で使うこともあるから、その辺は抵抗なく行えるな。


「とりあえず、肉屋にでも連絡をしておけ」

「かしこまりました。念のため、生肉も調達しておきますね」

「ああ、頼んだ。私も、魔法の調整をしておく」

「はい、お気をつけて」


 席を立った私に、オリーブが声をかけた。





 はてさて、どうしたものか。

 対魔物用の魔法か……。

 うむ……。


「これとこれと、あとこの辺かな」


 適当に本を数冊取り出し、中身をパラパラとめくる。

 内容は、思った通り魔物に関するものだった。

 だが、どれもこれも期待していたほどの内容は書かれていなかった。


「まあ、別にいいや」


 指を鳴らすと同時に、本が宙を舞って元の場所に戻っていった。


 とりあえず、周辺への影響を考慮して、威力は普段よりも抑えておくか。

 それから、多少の実験も同時に行っておこう。

 今の間で、最低限の魔物の知識は詰め込めたしな。

 後は……。


「結界術、か」


 これまで、あまり深くまでは学んでこなかったが、カンナを見て興味が湧いてきた。

 威力実験のついでに、これの実験もしてみるか。

 いやはや、ただの魔物退治のはずだったが、楽しみになってきたな。

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