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入学式

私——————雪凪は焦っていた。

普段は焦ることなんかない私だけど今日は違う。

今日は私が焦る数少ない日、入学式。

幸い家から高校までは近いけど、身支度が間に合わない。

「やばい、ご飯食べられないー!」

私はお母さんが作ってくれたパンを一口だけかじり家を飛び出す。

—————————————————————————

「はぁ.....危なかった」

一緒に行こうと約束してたカンソちゃんとも行けなかった。

「あ、カンソちゃんにLINEするの忘れてた.....まぁ良いや。後で言お」

カンソちゃんに申し訳ないと思いつつ校門をくぐる。

「うわぁ.....綺麗...」

そこには思わず見惚れてしまうほど美しい桜が咲いていた。先ほどまで抱いていた遅刻するかもという焦りとカンソちゃんへの申し訳なさを吹き飛ばしてしまうほどにその桜は美しかった。

「とりあえず、名簿確認しなきゃ.....あ、あった。ここだ」

1年1組11番:雪凪 「全部1だ!嬉しい」

「よかっタネ。」

「うわ!、カンソちゃん!?」

いきなり後ろから声がした。振り返るとそこには整った顔立ちでなまりのある日本語を喋る女の子がいた。カンソちゃんだ。

「雪凪チャンのことだシこうなると思ってたケド、せめテ連絡くらいしてヨ」

「ごめんごめん、焦ってて忘れちゃったの。許して」

そんな他愛のない会話をしながら教室に向かう。えーっと、1年1組はここだよね。道ややこしいなぁ。

ガラガラガラ

「うわぁ.....」

扉を開けるとそこにはいろんな意味ですごい人たちばかりだった。 髪はウルフカットの耳にピアスを開けてる長身の女の子。冴えないメガネをかけてる男の子の腕に抱きついてる美少女。辞書くらいの厚さの本を片手で持ちながら読む女の子。とんでもない大声で下ネタを言いまくる男の子。それを冷笑してる男の子。給食で出てくるようなパックに入ってるマヨネーズを飲む男の子.....すごい個性だ。

「盛り上がってるところ申し訳ないが、お前ら席につけ。」 後ろから突然声がする。メガネをかけた長身の男性だ。ウルフカットのピアスを開けてる子よりも背が高い。190cmほどだ。

「さて.....まずは自己紹介から行こうか。ここ、1-1の担任の星喰いだ。よろしく頼む。自己紹介は後ろからか前から、どちらからが良い?」

唐突にどうでも良い質問をされて教室が静まり返る。

(普通自己紹介って前からじゃないの.....?)

名簿番号が一番の子がもじもじしている。 おそらくやりたいともいやだとも言いずらいから何を言ったらいいかわからないのだろう。

「いーよ。その子がやんないなら私がやる。」

そう大声で言いながらウルフピアスちゃんが立つ。

「そうか。ならお前から自己紹介頼む。」

「私はSteadyCat.....長いからSCで良いよ。部活は中学の時はバスケやってた。こっちでもバスケやる予定。よろしく。」

パチパチパチパチ

少し時差があってから拍手が起こる。

(身長高いし目つきちょっと悪いけど、よく見たら美人だなぁ.....)

さっきの腕に抱きついていた子にもひけを取らないほどだ。

「おい、SCの次は名簿番号15番のお前だ。」

「あ、はーい。私はRoria!天ノ橋と双子で双子の妹だよ〜ロリちゃんとかリアちゃんって呼んでも良いよ〜。中学では吹奏楽部やってた!こっちでは特に決まってないかな〜?みんな仲良くできるよくよろしくね〜♪」

ギャルピースしながらRoriaちゃんは朗らかな声で自己紹介を終え、席に座る。

(ん?なんかハードル高くない?)

最初の2人があまりにも明るい感じというかなんというか.....少し失礼だけど名簿1番の女の子はそんな明るいといった感じのキャラでもないからそっちから始まればまだマシだったのに.....

「あー、次は僕か。僕はE257、マヨラーだよ。よろしくね」

(マヨネーズ飲んでた変な子だ.....でも意外と完結に済ませてる。もしかしたらまともなのかな?)

「次は俺だな。俺はよこよ、ゲームが大好きだ。ほぼ全部のゲームが好きだぞ!FPS、ポケモン、どう森、なんでも俺はできる!ゲームの話しは任せてくれ!よろしくな!」

「次は私ですか。私はゆめさぐり、呼び方はお任せいたしますわ。スマホでダラダラソシャゲするのが好きですわ。よろしくお願いしますわ」

「ゆめ!なんのゲームしてるんだ!」

「今ここで言うと他のお方の自己紹介の邪魔になりますので。後で言いますわね」

(なんか早速仲良くなってる.....それになんでお嬢様口調?でも常識人っぽいし......ダメだ頭が痛い)

「あ、えーっと私は雪凪。よろしくね。」

場が静まり返る。

「いや、えーっと私も色々なゲームやってるよ。人狼とか、ポケモンとか。」

更に場が静まり返る。

「休日は家でポケモンとか人狼したり。だから他の人ゲーム誘って

「雪凪、その辺にしておけ。雪凪の次、10番のお前。」

(や、やらかした〜)

あまりにも個性がなさすぎる。

いや、さっきまでの人達がありすぎてしょぼく見えてしまうのだ。私の高校入っての自己紹介はオオコケしてしまった。

「私はめろ〜。絶滅さんの彼女だよ⭐︎まずは絶滅さんのいいところを10個上げてみるね。まず一つ目に運動神経がめっちゃ良い。絶滅さんはなんと50m走は6秒台なんだよ⭐︎二つ目はめちゃくちゃ器用なところだよ⭐︎めろがぼろぼろにしちゃった工作品も絶滅さんは直してくれんだぁ⭐︎素敵だよね⭐︎三つ目は制服姿と私服姿のギャップが

「めろ、お前もそこらへんにしろ。他の人が引いているだろ。次、9番。」

私以外にも先生に止められる人がいて内心少しホッとした。

「僕はまる。外部でラグビーをやっているよ。この体型だからあんまり運動できないと思われがちだけど長距離は結構得意だよ。よろしくね。」

お腹をさすりながらまるがまともな自己紹介を終える。確かに体型的にもラグビーやってそう.....

「おい。次は8番のお前だ。」

先生に言われた8番の子は隣の冷笑していた子と話して笑い合っている。確か下ネタを大声で叫んでた小学生みたいな子だ。

「おい!8番!」

「んあ?8番って俺かー?」

「お前以外誰がいる......早く自己紹介しろ」

「俺はびっくらぽん!外で遊ぶのが大好きだ!ほんとはスポーツ推薦で別のとこ行く予定だったんだけど色々あってこっちにきたぜ!よろしくな!」

(あんま頭良くなさそうなのに、この学校来れたんだ......)

「私か.....ねむる。本を読むのが好き。SCとは幼馴染.....よろしくね」

「あ、僕か。絶滅勇者です。めろちゃんとは幼稚園の頃から一緒です。一応めろちゃんの彼氏です。よろしくお願いします。」

「ちょっと絶滅さん〜?一応って何〜?」

(変な子と付き合ってるけど意外とまともな人見たいだ.....よかった)

みんな個性が強すぎてまともな人が少なくて仲良くなれる気がしない。

「俺はがどど。人狼とかボードゲーム関連が好きだ。そこのびっくらと絶滅勇者とめろとは中学が一緒だった。絶滅以外は危ないやつだから関わらない方が良いぞ。よろしく」

「僕かぁ〜。僕は街路樹A、木の種類を調べたり虫取りをしたりするのが好きだよ〜。先生、ここに虫持ってきて飼育したりするの、ダメ?」

「俺が虫苦手だからダメだ何があっても持ってくるな」

「そう、残念だよ。よろしくね〜」

「アンニョーン。私はカンソ、韓国人と日本語のハーフダヨ。ダンスしたりインスタグラムみたりするノガ好きダヨ。よろしくネ」

「こんにちは〜。私は瑛莉!中学ではソフトボールしてたよ!最近はバレーとかバスケとかやってみたいなーって思ってる!みんなよろしくね!」

「バスケ部入るなら歓迎するよ。あんた強そうだし」

「ありがと〜考えておくね!」

「ええっと、私ですか.....私は天ノ橋、Roriaの双子で姉です....Roriaの保護者役としてしっかり見守ります。皆様よろしくお願いします。」

「よし、全員自己紹介は終わったな。じゃあ9時15分までは自由時間だ。15分からは学校の校則などの説明、少し授業の時間や進行などを教える。それじゃあ、起立、礼!」

みんなが一斉に席を立って頭礼をする。春休みの間背筋を伸ばさずごろごろしてるだけだったから体が痛い。


こうして私、雪凪の

大波乱の予感しかしない学園生活が始まった。

なんか自己紹介の後半雪凪の思考書くのめんどいから省いちゃったけど書いた方がよかったかもなこれ

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― 新着の感想 ―
私がいないのとかいう本音は置いといて、主人公雪凪なんだー
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