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27話 暖かなまどろみの中で

二話投稿です!

 私はまだ「夢の中」にいる。


 ***


 ―――――まどろみの中、声が聞こえた。


「……女の子なのに、あんな服しかないなんて」

「もう大人だ。着る服ぐらい自分で選ぶさ。何を着たっていいじゃないか」

「なにそのご都合放任主義。成人式だってやらなかったって聞いたわよ」

「それは、本人が『やらなくていい』って……言うから」

「口ではそう言うけど……あの子はあなたに気を使うところがあるから……今回だって」


 父と母だ。

 相変わらず淡々と口喧嘩している。


 ***


 いつのころからか、両親は不仲になった。


 どちらかが手をあげることも無ければ、怒鳴り合うこともない静かな喧嘩で。それが数年続いた後。


 突然、母さんが実家に帰った。


 ***


 ―――――母さんが日本にいるってことは、まだ夢の中。


「いいかげんにしろよ」


 あ、はるか(弟)もいる。

 今は仙台にいるはずなのに。やっぱ夢か。

 そこへ、


 ガラガラガラ――ッ(引き戸が開く音)


「ただいま! 僕の天使たち!」


 うわ、まもにい……


 兄、まもるは、重度のブラコン。

 はじめはシスコン気味だったらしいが、生まれたての弟の可愛さに撃沈。昨年、弟を追って仙台へ行き再就職した。


 私の記憶が確かなら、つい最近まで弟を「お天使」と呼んでいた。


弟「うっせークソが!」

母「久しぶりね、まもちゃん」

兄「母さん、連絡ありがとう」

弟「なんで呼んだ?」

父「おまえ仕事は?」

兄「辞めてきた」

父母弟「「「()」」」


 は……


兄「なーんて嘘八嘘っきー。有給。るーちゃんが目覚めないっていうから心配で。お兄ちゃんが目覚めのキッスを♡ちゅ~って」


 なに(怒)!?

 目を開けようとしたが瞼が重い。身体も重い。まずい。


弟「殺されるぞ」

兄「おーっと、それより僕の天使が先だったね。そのかわいいほっぺちゃんに、ちゅちゅちゅ~」

弟「うわっ、やめろ!」


 ドタン!バタン!


父「病室で騒ぐな!」 

母「フフフッ、相変わらずね」

父「セレーナも止めてくれ」

弟「おりゃ!」

 ドスッ

兄「ぐわあああっ」

母「キャー、まこちゃんアプレユナビュランス!」



 ドタバタドタバタ―――――― 


 ほんと相変わらずだなぁ。


 久々にみる家族の夢。それが、喧嘩してる光景だなんて。

 (声だけだけど。)


 お父さん、お母さん、変な兄、しっかりものの弟、そして私。

 大変な時期もあったけど、お母さんが一緒だった頃は楽しかった。


 当時私は、「この幸せは永遠に続くもの」と信じて疑わなかった。


 母の実家は、フランスで代々続くワイナリーを経営していた。

 母は一人娘。何年かしたら家族でフランスへ移住しようと父は約束していたらしいが、私たちが生まれ、それどころではなくなり……


 いきなりフランスへ帰った母を、追いかけなかった父。

 ショックで静観することしかできなかった私たち兄弟。


 あの時、私だけでも母を追いかけていたら何かを変えられたかもしれないと、今も後悔している。


 暖かなまどろみの中で―――――



 『クスッ……』


 笑い声が聞こえた。


 この声……


__________________________


 □□□おまけです□□□

 作者の家族構成。(※架空の人物ですよ!)


 父  佐藤 誠(団体職員。真面目なアニオタ)

 母  セレナ・ローランサン(経営者。今はどうか分からないが元アニオタ)

 兄  佐藤 衛(会社員。ブラコン、マイペース)

 作者 佐藤 ほたる(フリーター。兄は、「るーちゃん」呼び)

 弟  佐藤 はるか(会社員。ママ派)

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