18話 参りましょうか? SIDE コンラード
SIDE コンラード
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ヴィティ様が、「北の神殿」へ向かわれた。
フロライト王国の高位の悪魔アスモデウス殿に、半ば連れ去られるような形で……
アスモデウス殿は、外見は強面だがとても親切な御方だった。
何も持たずにここへ来てしまった我々に、アスモデウス殿は防寒装備品調達のためのお金を用立て、宿の手配までしてくださった。
とてもありがたかったが、その対価としてヴィティ様を奪われてしまったような状況に、少々モヤモヤとした気持ちになった。ゲオルグ殿下もエスペンも何も言わなかったが、ピリピリとした気はこちらにも伝わってきた。
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「ティターニア様より緊急警報『北の神殿に冬の女神降臨。直ちに寒さに備えよ!』」
宿場町には緊急警報が出され、町に残っていた王国騎士たちが、住民へ寒さへの備えや避難を速やかに行うよう促していた。
程なくして、アクアラグーン宿場町は静寂に包まれた。
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『ホテル・ホーリーウッド』2階、角部屋。
日没を迎えると、屋外は急激に冷え込み雪が降り始めた。
徐々に雪は吹雪に変り、轟々と建物を揺らした。
まさに、冬の女神降臨だな……
「ヴィティ様、頑張ってるみたいですね」
暖炉には薪がくべられ、温かい食事も提供された。
食事は、数種類の肉の煮込み料理にサラダにパン、チーズ、ワイン。
どれも美味しかったが、皆、終始無言だった。
食事を終えると、エスペンは窓の前に立ち、厳しい表情で外を見つめ。
寒冷地用の服に着替えられたゲオルグ殿下は、残ったパンを手にし、
「きっと、お腹を空かせておりますよね。クス……」
寂しげに微笑まれた。
まったく、この殿下は……
本当は、ノールへ留学など行くつもりもなかったくせに……ヴィティ様のことが心配で、一緒に付いて行きたいがために、こんな大芝居を……
ホットワインを飲み終えた俺は、寒冷地用のコートを手にした。
「では、参りましょうか?」
二人は顔をこちらに向け、瞳を輝かせた。
次回、来週水曜日更新予定。
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