思い出したくないらしい
でも真実の愛って?
それをどうやって確かめるんだろう?
『ロゼ、宿り木の伝説だ。
あれが真実の愛の証になるのではないか?』
なるかな?・・・
永遠に結ばれる・・・だしね?
宿り木は魔除けにも使われるし、花言葉はなんだったけな?
困難に打ち勝つ?
うーん・・・
悩んでも仕方が無いよね。試してみよう、駄目だったら次を考えよう。
よし、ハイデアにまずは教えないとだね。
だってルシェとラファはまだ魅了に掛かってないから私じゃ試せないし?
バルドさんに言ってまずは各王子を連れて帰って貰わないとだよね。
あー、でもお花畑をどうにかしないとまた攫われるかもしれないんだよね?
そっとはどうしよう・・・。
もうなんで二次で満足してくれないかなぁ。
あ、こっちには二次文化がないんだっけ。
イケメンかふぇよりも二次文化を広めて欲しかった・・・。
フィギアとか抱き枕とか薄い本とかコスプレとかさぁ。
んん?・・・
そうかぁー!
たしか幻覚に襲われるキノコがあったよね?・・・
幻覚みせて自分の理想のイケメンに萌え萌えして貰っとけばいいんじゃない?
『なるほど、それならば私達には被害が出なくてすむな。
精霊やエルフにも幻術が扱える者も居たはずだ。』
キノコと幻術のダブルアタックでいいんじゃないかな?
『ロゼ、スポア達を阿呆共の城へ送り込んでおいたぞ。』
スポア?!
『スポアの胞子は幻覚作用があるからな。まあ何体かポイズンスポアも居たがそのくらいはな。』
なるほど。仕事が早いねクレハ。
『幻術を扱える者にも伝令は出しておいたぞ。
あの阿呆共にお互いが理想の男に見えるようにしてくれと頼んでおいた。
ついでに武の国の者達もすべてイケメンとやらに見えるようにとも頼んでおいた。』
ぶふっ・・・
うん、それはいいかもしれないね。念願の逆ハーレム?叶うじゃない。幻術だけど。
思う存分2人だけの世界にどっぷり浸かって貰って、こちらに関わらないでいただきたいよね。
後は魔法陣?・・・はいっかぁ。
魔法陣の範囲から出れば転移?転送?は出来るんだよね。
あれ?だったらなんでディーヴァは連れて来れなかったんだろう?
『すまぬ・・・焦っていて魔法陣の範囲から出ればよいという考えに至らなかった・・・。』
oh・・・
仕方が無いよ!焦ってたんだしね?私だって咄嗟には思い浮かばなかったもの。
難しく考えてしまったよねぇ・・・。
もっと早く思い浮かべばこんなに悩まなくってもよかったのにとも思うよ。
でも焦ってぱにくると浮かばないもんだよね!
『すぐに連れ帰って来る・・・。』
それからの行動は皆早かった。
クレハが持ってきた宿り木を持ってハイデルはすぐに王太子を救出に行った。
各国の王子達は眠らせてから連れ帰ったそうだ。
婚約者が決まっていた王子達は無事 宿り木の伝説 で魅了から解放出来たらしい。
婚約者が居なかった王子達は・・・頑張ってみつけて?・・・
ルシェとラファは・・・
『なんだったんだあれは・・・。』
『兄上、僕にはあれは理解出来ない・・・。』
『俺だって出来ない。』
とげんなりして帰って来た。何があったのか何を見たのかは教えてくれなかった。
『『 思い出したくもない!! 』』
ちょっとだけ聞いてみたい気もしたけど、 止めておく。
『あれは早く忘れた方が良い。』
ディーヴァがそう言うのだからよほどだったんだろうな。
武の国と魔の国がその後どうなったのかは聞かなかった。
関わりたくないし興味も無いから・・・。
私はまったりスローライフを楽しみたいのよ。
他の国は今後も何があるか解らないし情報共有と協力関係は維持する事になったらしい。
『しかしこの国の聖女殿はおもしろい事を考えるよのう。』
私の目の前で優雅にお茶を飲んでいるエルフの長が言った。
そうかな?・・・
単に腐女子的な考えだと思うんだけどな。
『そうそう、あの者が二度と魔法を使えぬように枷もはめておいたぞ。』
おぉ?・・・枷が手に入ったの?凄いね。
『ドワーフに頼み込んでな、作って貰った。
一見指輪にしか見えぬからな。喜んで身に着けたらしいぞ。』
あー、どうせ結婚指輪だとでも思ったんだろうなぁ。やっぱり脳内お花畑だ・・・。
『それでだな、1つ頼みがあるのだが。』
なんだろう?
『この森は実に心地が良い。私もここに住みたいのだが。』
はい?
いやいや、あなたエルフの長でしょ。長が自分の国離れたら駄目でしょ・・・。
『心配はいらぬ、長は息子に任せて私は隠居すればよい。』
えぇぇ・・・。
『エントの長もここには居るではないか。私もよいであろう?』
エントの長?・・・ この森にエントなんて居たっけ?
気付かないだけで居るの?・・・
『ロゼ、まさか気付いてなかったのか?』
え?クレハもディーヴァも知ってたの?
2人の視線が翁に・・・
えぇぇぇぇぇぇ、翁ってエントだったの?
『エントの長だな。』
ドヤァと言わんばかりに胸を張っている翁。可愛いけど長だったのぉ?!
ええー・・・。私長を盆栽ていうか鉢植えにしちゃったの?・・・
なんか・・・ごめん・・・。
『聖女殿、許可いただけるだろうか?』
う・・・。駄目とは言えないよね・・・。
「聖女と呼ばないのであれば・・・。」
『承知した。ではロゼ殿と呼ばせていただこう。』
森の住人が増えたよ、しかも美丈夫が! いいんだけどさ。
それから数日して
ハイデルは王太子と正式に婚約した。
魅了に掛けられてもハイデルの事はちゃんと覚えていて必死に抵抗してたんだって。
やるね王太子くん!!
それにね、クレハからコッソリ聞いたんだけど
ハイデルったら魅了を解くのに迷わず唇にchuてしたんだってぇー!
なのに王太子が魅了から解放されてハイデルを抱きしめたら真っ赤になってたって。
可愛いなぁもぉ!
私はと言うと ルシェとのんびり冬の生活を続けている。
ラファは雪が解けたらこちらに合流する事になった。
バルドさんが3人でしばらくのんびりすればよいと言ってくれたのよね。
うん、今回は皆疲れたもんね・・・。
こういう変な事件は二度とあって欲しくないと思う。
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