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076:孤児院の育成準備1

 僕とサラは今、孤児院に向かっている。準備はあらかた終わったので、その確認と、院長先生との顔合わせをするためだ。


 一層とはいえ危険な場所に引率する者に会いたいというのは、当然だろうと思われた。


 孤児院の育成計画の準備作業は、思っていたより順調のようだ。蜂蜜の値上がりのお陰で、サラの計画の為の資金に余裕が出来たのが大きかった。


 今回のダンジョン育成組の選抜は早くから済んでいた。実は孤児院には十歳以下の子が多いのだ。


 幸い景気の良いガザフでは、働ける年齢の子供であれば仕事の口は結構ある。男の子等は城塞建設の現場手伝いや、大人並みに働いている者も結構いる。


 (キャロは仕方ないとしても、出来れば十歳以上の子供に限定したいよね)


 サラから聞いている育成組は四名だ。


 まず最初に、最年少のキャロは幼いが精霊術師として成長が期待されている。契約精霊のシルフィーが、今回のメンバーの攻守の要なのは間違いないのだ。


 シルフィーがいなければ、恐らく育成計画を考える事もなかっただろう。


 ルナも成長すれば水の属性魔法の【スプラッシュアロー】が使える公算が高く、同じく水の癒しも使えるようになれば、いざというときの回復要員として期待できる。


 残る二人は、男女一人ずつであり、男の子は十二歳で名前をティムと言いなかなか利発な子で孤児院では、リーダー的な役割を担っている。ちなみに僕が寄付したウサギの処理はこの子が率先して行っているそうだ。


 女の子はリーゼと言い、同じく十二歳で手先が器用で、今回の貫頭衣の加工を女の子達を指導して活躍したらしい。


 実はティムとリーゼの二人とも既に面識があった。猪鹿亭が孤児達を招待するようになって、小さな子供の引率者として最初に訪れてた時に、ウサギのお礼を言いに来てくれたからだ。


「みんな、お肉が食べられて喜んでます。ありがとうございます」ティムは年齢から考えると、とても礼儀正しくて賢そうだ。


「これ見て下さい! 私が作ったんです!」活発な女の子のリーゼが幼い子供二人を連れてきた。


 子供達は食事とお土産の蜂蜜菓子を貰い、とても嬉しそうだ。よく見ると首から肩を覆うようなウサギの革から出来た小さなコートを身に付けている。


「少し不恰好な出来映えですけど、結構暖かいんですよ!」断りをいれて、少し見せて貰った。縫い目もしっかりしているように見える。


「上手に出来てるよ、器用なんだね」僕はすっかり感心していた。リーゼはすっかり喜んでいるが……


 真剣な表情でティムが「僕達でもウサギを狩れたらな」と呟いた。


「そんなの無理に決まってるじゃない! ボア狩りの探索者の人でも嫌がってやらないくらいなのに」リーゼが訳知り顔で言う。


 (ウサギが面倒なのは、子供でも知ってるんだな……でも本当に無理なのかな……)


 そのやり取りが、僕が真剣にウサギ狩りの育成について考え始めた最初の機会だったかも知れない。






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