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075:乱獲の日々

「また、ローダンヌ商会がらみですか?」蜂蜜の値上がりで思い付くといえば、商会しかない。


 (今度は他の探索者が殺到するのだろうか? この前、占有騒ぎを起こしてギルドから警告されているし、風の牙とか出てこないよね?)


 何となく剣呑な雰囲気がした彼らとはあまり関わりたくなかった。


「まあ待て、そんな深刻そうな顔しなさんなって! 今回の値上がりはローダンヌは関係無い、別件だ」


 少し安心した僕だったが、素材の急激な値上がりは当然、獲物の注目度の上昇に繋がるだろう。


 あまり目立ちたくないという事情と、当面は蜂狩りをしていたかった僕としては、どちらにしてもあまり嬉しくない情報だった。


「いや、間接的には関係あるのか? 切っ掛けは、ローダンヌ商会が大量にダンジョン産の蜂蜜を市場に流したのが原因だからな」


 何だかよくわからないが、やはり関係はあるらしい。


「調査の結果、蜂蜜に薬草と同じ成分が確認された。蜂蜜ミルクに夢中の、ある錬金術師の女性が気が付いたらしい……まあたいした舌だな……」


 (女性は甘いもの好きなんだな)


「どうやら、蜂のいる花畑の花の蜜に薬効があるみたいだ。花の房袋の所から多量の蜜が取れるんだが……調査の為に花を採取した調査員が蜂に襲われて酷い目にあっちまってな」


 (蜂に手を出したのかな? 何もしなければ襲われないと思うんだけど)


「蜂には縄張り意識があるようだな、花に手を出すと一斉に襲ってきたらしい、護衛に探索者を付けてたので無事に帰ってこれたんだが、暫く療養が必要みたいだ。とにかく花には手を出すなよ」


 (どの蜂も蜜袋が一杯なのは、あの花のお陰なんだな……)


「少々、値は張るが錬成素材にすれば、効果の高い中級ポーションに近いものが出来るらしい。まだ一般には公開していない、出来るだけ秘密に頼む」


 (秘密にするなら何故、僕に話すんだろう)


「何故、お前さんに話すのかって顔だな? 今回は徐々に情報を浸透させるつもりらしい、蜂蜜を狩る探索者には教えて良いと言われている。まあ、ある程度、人物は見ろと言われてるがな」


 僕は何となくギルドの思惑が理解出来た。


「ギルドとしては秘密にはするが、量も其なりに確保したいという感じですか?」


 恐らくギルド主導でいずれは大量確保に動くつもりなのだろう、ギルドが動けば秘密にはしておけないだろう。


 それが騎士団だとしてもだ……それまでは、蜂狩りをする物好きな探索者に積極的に狩らせる方針なのだろう。


「話が早くて助かるぜ! まあ精々頑張って稼いでくれ」


 僕はゼンさんにお礼を言って、表のギルドに報告に向かうのだった。


◻ ◼ ◻


 ゼンさんから話を聞いて既に五日が経過していた。


僕はその間、ひたすら蜂を狩り続けた。一日の稼ぎは大銀貨二枚を上回る日々が続き、乱獲状態だった。


 魔素吸収も負荷を感じられなく成りつつあった。蜂がルピナスを警戒し、ルピナスの【風刃】が蜂を撃ち落とす威力になった時、僕は二層も卒業だと悟った。


 ちなみにディーネの【スプラッシュアロー】は蜂の頭を吹き飛ばしている。 

 

 僕が三層への移動を考えていると、時々、蜂狩りに来るサラがやって来るなり「孤児院の準備が整ったわ、協力お願いね」と報告してきたのだった。


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