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072:魔法弓3

 僕は結局、弓を受けとる事にした。エルフィーデの目的が若い力の育成というのなら、強くなろうとする僕の目的と一致するものだったからだ。


 それに、さっきのフィーネの話を疑う気にはなれなかった。あれを疑うには僕の精霊との親和性は高過ぎた。


 (不思議だけど、あれがシルフ自身が発した言葉だと理解できたよ)


 物真似とかそういう物じゃない、何か巨大な存在を一瞬感じ取ったのだ。


 「ユーリ、貴方、ウサギの魔石持ってたら一個譲って下さらない?」


 物思いに沈みながら黙々と歩いていた僕に、そうサラが声をかけてきた。


 僕達は良い時間になったので、二層での狩りを終え、今は、地上に戻る為に一層をルピナスの案内で歩いているのだった。


 丁度、今日換金しようと思っていた魔石が有ったので、それを渡す事にした。


「ありがと」サラは礼を言うと、弓に装填されていた魔石と受け取った魔石を交換した。


 (まだ、残ってるのにどうして交換するのかな? それに何故ウサギの魔石? 蜂の魔石を大量に持ってるよね?)


 何も考えず魔石を手渡したのは良いが、よく考えるとサラの行いは奇妙だった。


 交換を終え、草原を見つめたサラと同じ方角を確認すると、レッサーラビットの姿が遠くに見え、そちらに向かって、サラは素早く弓を番えた。


 (やはり、レッサーラビットは警戒状態にならないな)


 サラが放った矢は一撃でレッサーラビットを仕留めた。獲物を回収してきたサラに、僕は警戒状態にならなかった理由を尋ねた。


 なんの事? という顔をしているサラの代わりに、フィーネが答えてくれた。


 「それはね~、魔物が同格かそれ以下の魔石の魔力を使った攻撃に対して警戒が薄いようなのよ~」


 (それでウサギの魔石に交換した訳か)


「そういう点も、装填式の便利な所ね~、ユーリに渡した弓は直接、貴方の魔力を使用するから格下の相手には警戒されてしまうのよね~」


 (廉価品にするため最低限まで機能を切り落とした事が、メリットまで失う結果になったんだな)


 ウサギや蜂狩りには、装填式が便利なのは間違いなかった。それでも素材の限界迄、僕と共に成長出来るだろう、この弓を頼もしく思ったのも事実だ。


 ガザフの遠征軍は廉価な装填式を大量に投入して、味方を無傷のまま、不意討ちで敵の大量封殺を狙っているのかもしれない。


 (素人が冷静にそんな事、出来るのかな?)


「これで孤児院のお土産も出来たかしら~」フィーネがサラに声をかけている。


「キャロ達も喜ぶかしら? あの子達、食いしん坊だから、もう一匹くらい狩っていく?」


 僕が弓やガザフ遠征軍の事を考えていると、聞き慣れた名前が二つも聞こえてきた。

 

 「孤児院、キャロ?」僕は二人からその名前が出てくるとは、思ってもいなかったので、思わず問い返したのだった。


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