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052:妖魔コロボックル3

 淡い光りを放つ玉のような物が、小さな精霊樹の若木の周りをフワフワと漂っている。


「どうやら上手く宿れたみたいね」シルフィーが嬉しそうに、その淡く光る玉を撫でている。


 僕にも、その漂っている物が浮遊精霊だろうという事は分かったが、


 (吸収され消えてしまった妖魔が、生まれ変わって浮遊精霊になったという事なのだろうか?)


「疑問で一杯って顔してるわね! 私達がどうやって生まれて来るか知らなければ、そうなるのも当然ね」


 シルフィーはそう言うと、精霊樹から精霊が生まれる迄を説明してくれた。


「精霊樹は成長するまでに大量の魔素を必要とするのは知っているわよね? それじゃあ、精霊樹は何故、魔物にならないのか分かるかしら?」


 僕が突然の質問に戸惑っていると……


「精霊樹が魔素を浄化する役割を与えられているからじゃないですか?」

 

 困っている僕の代わりに、それまで黙って話を聞いていたルナが突然、そう答えた。


「あら、ルナはよく勉強してるのね、エルフィーデ女王国の遺跡研究所が発表した仮説だと言われているけど、本当の所は違うのよ」


 そう言うシルフィーは少し自慢そうに見えた。


「[世界樹]の[大精霊シルフ]様が仰ったのよ、[神授の森]の役割は、この世界の穢れた魔素の浄化だと」


 僕は随分と壮大な話になった事を驚いていた、まさか、四大精霊と呼ばれるシルフの名前が出てくるとは思っていなかった。


「少し話が逸れたわね、精霊樹の役割は分かったと思うけど、つまり数十年の時間を掛けて浄化された魔素の結晶が、私達のような精霊になるわけ」


 (数十年も掛けて生み出される精霊だから、下級精霊と言っても浮遊精霊とは違い、強い力と高い知性を持ってるのかも)


「今回の妖魔の場合は、自分の魔素を苗床にして若木を成長させたから、この精霊樹の若木に宿り易かったのでしょうね」


 シルフィーは暫く精霊樹の若木を見詰めていたが、少し呆れたように言った。


「それにしても、普通はここまでに若木を成長させるのには、半年くらいは必要だと思うけど……精霊石の力、凄いわね……まあ、それはともかく、その浮遊精霊に名前を付けてあげて」


 (名前か……何か取っ掛かりがないと、思い付かないよね)


 僕はフワフワ浮いている浮遊精霊を見つめた。淡く光る中に、薄く青い色の筋のようなものが見えた。

 

「この子、水の属性を持っているみたいね! ルナの影響かしら?」


 するとルナが「水の癒しの魔法を、魔力循環に混ぜたのが原因でしょうか? 弱ってるみたいだったので、その方がいいかと……」と少し慌てたように言った。


「良い効果を与えたんじゃないかしら?」シルフィーがウンウンと頷いている。


 僕は水属性のイメージから、「ディーネ!」と名付けたのだった。


 


 

 

 



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