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自由都市のダンジョン探索者 ~精霊集めてダンジョン攻略~【第二部・完結】  作者: 高田 裕一
第二部:中級探索者編【侵攻】
120/213

120:転移魔法陣1

「ダンジョン内に前線基地か……確かに安全に休める場所が在れば十層以降の攻略が楽になりそうだ」


 僕は周りで色々な意見が飛び交っているのを聞きながら独りごちた。


「ご苦労だったな、想像以上の出来映えで感心したよ」リサさんから労われ僕も役に立てた事にホッとしていた。それでついでと言っては何だがお願いしてみることにした。


「あの、この場所の隅で構わないので宿泊場所として使わせて貰う事は出来ませんか?」


 今後、下の階層を攻略するには野営が必要になってくる。戻る手間は多少かかるがここを拠点にすれば、人がいる場所で野営が出来るので安全だろうと思われた。


「ここの件はまだ秘密なんだが、君に対しては今更だな……ミリア様には事後報告になるが拒否はされまい、あの端辺りなら好きにしてくれて構わない」


 天幕が立ち並ぶ場所から離れた場所を指し示され、僕はリサさんにお礼を言ってその場所に移動した。


 広場と森林の境界近くまで土壁で囲ったおかげで、広さには余裕があったのでここなら人が増えても当面は邪魔にならなそうだ。


「ニース、ここに土壁お願い」僕はニースに小さく土壁で囲ってもらい屋根のない四角い倉庫のような建物を作った。


「天井に板を渡して藁でもふけば暮らせそうだな」


 実際にはダンジョン内に天候の変化は無いようなので、屋根等は必要なさそうだ。


「これは便利そうだ、こっちにも同じ物いくつか作れないか?」


 僕が作った建物を見た施設部隊の人に頼まれて、連棟式の建物を作る事になった。


「おい、あんまり色々作ると目敏い商売人がやって来て、場所代払うから商売させてくれと言いそうだぞ」


 リサさんが呆れたようにそう言ったのも無理はなかった。連棟式建物が二列並んでいる様子は、何処かの商店街に見えなくない。


 天幕でサラに誘われ休息していたルナとキャロがやって来て、周囲の変わった様子に驚いている。


「何だか村が出来たみたいです」ルナが周囲の土壁と連棟式建物を見てそう呟いた。


「お店やるの?」連棟式建物が立ち並ぶ様子が、キャロにも商店街に見えるのかもしれない。


「転移魔法陣が稼働すれば、この場所は物資の集積地になる可能性が高い。そう考えると将来的にはあり得ない話でもないかもしれん。幸いこの近くの森林に川まであるからな」


 リサさんの説明どおり前線の駐屯地になるとすれば、物資が大量に搬入されるようになるのだろう。そうなれば当然、人の流れも生まれるかもしれない。


「まだ時間は大丈夫そうだな、少し遺跡の中を見ていくといい」リサさんに案内されて遺跡内部を見学させて貰う事になったのだ。


◻ ◼ ◻


 遺跡内部は外側とは違い、黒く光沢を帯びた綺麗なレンガで作られた通路が伸びていた。


「この壁をみて驚いたかな、最近ガザフでも使われるようになった魔精レンガだ。地上で使われている物は、この遺跡から発見された技術を元に多少材料を変えて作られている」


 ガザフに来た時に見た新市街の建物はここの技術が利用されていたのだ。


「この奥だ……一部崩落している場所がある気を付けてくれ」


 通路を抜けた先はかなり広い部屋だった。だが通路とは違いかなり荒れ果てた印象だった。


「部屋の補修の為に人員が必要なんですね」僕はさっき作った建物の事を思い浮かべながらそう尋ねた。


「ああ、こういう部屋があちこちにある。技術的な遺物の収集が終わって放置されていたんだが……今後、頻繁に利用するとなると放置しておくわけにもいかないのでな。こっちの通路だ奥に隠し部屋がある」


 また別の通路に入って進んだ先は行き止まりだった。リサさんは懷から何か黒い板のような物を取りだし壁にかざした。


「壁が動いたよ!」キャロが驚いて声をあげた。


 壁の表面に魔法陣のような物が浮き上がり、壁が切り裂かれるように左右に動いたのだ。あると分かっていなければ、存在に気が付かなかったに違いない。


「最近発見された文献の成果だよ、驚いただろ? 私も初めて見たときは今の君達みたいな顔をしていたのかな?」何だか嬉しそうだ。


「姉さん楽しんでないで先に進みましょ!」楽しそうに言うリサさんに一緒に来ていたサラが注意した。


「あら~、サラも初めて見たときはそんな顔をしてたわよ~」フィーネがサラをからかった。


「フィーネうるさい!」図星をつかれたのかサラがフィーネに怒りながらも顔が赤い。


「ハハッ、すまんな。それでは中に入ってくれ」


 僕達はリサさんに促され部屋の中に入った。


「わあ」キャロとルナが同時に驚きの声をあげた。


 そこは外からは想像も出来ない広大な空間が広がっていた。そして地面を覆うような巨大な魔法陣が描かれていたのだった。

 



 


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