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異世界召喚! 領主生活の日々 ドワーフが訪問してきた。

ここまでのあらすじ 異世界に巻き込まれ領主にしてもらった俺は、畑に水やりの日々。離宮の町へおつかいに派遣する。

 ふと空を見上げると、モブ村人が飛行訓練をしている。俺は飛ぶのがあんまし上達しない。天狗の善人坊さんの許可をもらい、団扇を村人に使わせてみた。

希望者を募り、なかでも適性のありそうなやつを選抜して飛行クラブを作った。


 やぐらの上に上がって、飛んでいる連中を眺める。仕事の合間に訓練飛行していて、今では俺よりもうまく飛ぶ。。ま、俺がへぼすぎるだけのようだ。5人で編隊飛行をしている。結構な高度まで上がってるが怖くないのだろうか?


「おい、キョータという者は居らぬか?」



 太い声がするので今度は下を見下ろすと、ひげもじゃで短駆のおっさんがひとりいた。


「スンマセン、キョータは俺です。」


 早速、門を開けて入ってもらう。


 とりあえず酒をやる。


「スンマセン。この村のキョータと言います。」


「おお、お主から名乗られては面目が立たん。ヴィンダー族の族長 ヴィンダーベッケンと申す。まずは乾杯じゃな?」



 目の前の酒から目を離さない。ドワーフイコール酒好きというのはお約束なんだな。



「じゃあ乾杯にしましょう。ははは。」

「ウム。」


エルフの持つステンレスをみて、矢も楯もたまらず村に来たんだそうだ。


「早速ですまぬが、錆びない鉄のナイフを見て、どのような職人が作っておるのか見にきた。買った物か作った物か?買った物ならどこから買ったのだ?」


 つまり、以前、100均レベルのステンレスナイフをエルフにやった。エルフの持つステンレスをみて、エルフと交流があるドワーフが村に来た。作ったやつに会わせろという。大興奮している。



「スンマセン。残り少ないんですが、これは異世界から持ってきたナイフです。


 俺は鍛冶はからっきしなんで再現はできません。良かったら差し上げます。」



「ぬおおおお!?

 ナント、異世界産とは!?対価はろくなものは払えぬぞ?」



 あー、あー、そりゃあ警戒するよなあ。


「スンマセン。対価なしで差し上げます。


 俺は異世界からここへ召喚された勇者と、たまたま一緒に飛ばされた者です。このナイフも異世界のものですし、これまたたまたま一緒に飛ばされた物なんです。


 ですから俺は作り方もわからないんです。ホントスンマセン。元の世界では誰もが買える実に安価なものです。ですからこれで儲けようとは思いません。


 そうですね対価といえば、うちの村に鍛冶がいませんから、今後色々なものをお願いできればと思います。」


「うーむ、お主がそういうなら遠慮なくいただいておこう。豪気だな。そして返礼は儂らの作るものでよいのだな?」


「これは差し上げたので返礼は要りません。次から何か作って頂くときは正当なお金を払います。」


「ハッ、ゴールドのかけらか。ゴールドならうなるほどあり、要らん。


  





 ならばこの酒を代価にしていただこう。」




「わかりました。スンマセン。うちもお金はあまり持っていないのでお酒のほうが正直助かります。今、何種類か酒を醸造していますから、持ってこさせます。お口に合うものをお持ち帰りください。」



「ハ、気前のいい男じゃな。では改めて乾杯といたそう。」



「スンマセン、俺は酒は全然ダメなんで、杯に口をつけることで乾杯とさせてください。えーーと?ヴィンダー族さんでしたっけ?ヴィンダー族式の乾杯はどうなさるんで?」


「うるさい作法はない。こうして漢と漢が酒を飲む。それが儂らの作法じゃ。」



「じゃあそうしましょう。今後ともよろしくお願いします。スンマセン、俺が酔っ払う前に。ここに居るのは村長は不在なんで留守を預かるご隠居ンゴバさんです。よろしくお願いいたします。」

入ってきた老人を紹介する。


「ンゴバといいます。よろしくお願いいたします。」


「ぬ?こちらがムラオサということは?お主は領主か何かか?」


「スンマセン。ここいら辺の領主やってます。先ほど名乗りましたがキョータと言います。」


「ますます面白い。領主のくせに全く気取らぬ漢じゃな。」


「スンマセン、もともとの貴族じゃなくて元の世界では平民でした。勇者に巻き込まれてこっちの世界に連れてこられたんですが、俺は勇者じゃないんでここに領地貰って。異世界から来たんでこっちのことは全くわからず、村の皆さんに助けられてます。ははは。


それとスンマセン。この鉄の作り方なんですが。」


「ウム。」


「作ったことないんですけど、鉄に、こっちでなんていうかわかんないんですけどクローム、それとモリブデン、混ぜるとこうなります。翻訳の指輪でちゃんと翻訳してくれるとよいのですが。


たぶん、魔力は関係なくて材質だと思います。」



「ナント、魔力でなくて素材が原因とは!?道理でいくら眺めてもわからぬ筈じゃ。



 異世界でいうクローム、それとモリブデン、こちらで何と申すかわからぬが、少し心当たりがある。教えていただき助かった。」



 あとは一方的にヴィンダー族の族長 ヴィンダーベッケンさんが聞きまくり飲みまくり、ご隠居ンゴバさんは抜け目なく聞き役。必要な情報を聞き出しているのだろう。で、だいたい俺が答える。


 本来は知識も財産なんだろうが、ここはドワーフのヴィンダー族と友好を結びたい。それに他領の人間には話さないでくれと頼んでおいた。



「ハ!人族どこらか、他の部族にも話さんわい。もしうまく出来たとしてもヴィンダー族の専有じゃ。ガハハハ!」



 俺以外は酔いつぶれてその日はお開き。翌朝、近いうちに仲間連れてくるということで去る。


 ンゴバさんに聞くと、ンゴバさんも会ったことはないが話では鍛冶屋の他に石工や木工、建築関係者もいるらしい。


 ようやく、獣人ではない異種族が村に住むかとおもうと感慨深い。すでに天狗だエルフだと会ってはいるけれども、たまに来てすぐに去る。天狗は毎日のように来てるか。でも泊りは無い。


 この村に、この時代としては高度な工業集団が来るというのはデカいな。


 木工職人居るならシャワー場にデカイ風呂桶建ててくんねえかな。大浴場。


 そういえばいつだか町の市に来る鍛冶屋さんに桶作るんでのみだなんだの工具の値段聞いたっきりで、発注してなかった。お金が無いのよ。そこまでの。



 木工職人来るなら俺ら素人が作るよりいいよな。でもまずは身の回りの物を整えないと。優先順位。優先順位。


 それと、酒を増産しておかんとならんなあ。


 今日も水やりして、風呂桶妄想しながらシャワー浴びて寝た。






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